アクティノキクルス属01(A. ingens統合)

　アクチノキクルス属 01-01
　（Actinocyclus ingens Rattray）
　特徴；殻面は円形で平坦または同心円状に波打つ。
　　胞紋は放散状に配列し、束状にはならない。
　　胞紋列は長いものと短いものが存在し、途中で分岐しない。
　　長い胞紋列の殻周縁側端部には唇状突起が存在する。
　　殻面と殻蓋の境界付近には小孔の集合体からなる擬結節が存在する。
　　中期中新世から鮮新世の海成層から産出した。
　・スケールバーは10μm

　アクチノキクルス属 01-02
　（Actinocyclus ingens Rattray）
　特徴；殻面は円形で大型の個体は同心円状に波打つ傾向にある。
　　胞紋は放散状に配列し、束状にはならなず、途中で分岐しない。
　　殻面と殻蓋の境界付近には小孔の集合体からなる擬結節が存在し、
　　これは焦点深度によっては大きな1つの穴とそれを囲む1列の小孔列
　　として観察される。
　　中期中新世の海成層から産出した。
　・スケールバーは10μm

　アクチノキクルス属 01-03
　（Actinocyclus ingens Rattray）
　特徴；殻面は円形で同心円状に波打つ傾向にある。
　　胞紋は放散状に配列し、束状にはならなず、1本の胞紋列は途中で二股
　　に分岐することがある。
　　殻面と殻蓋の境界付近には小孔の集合体からなる擬結節が存在する。
　　中期中新世の海成層から産出した。
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　・Akiba, F., and Yanagisawa, Y.,1986.Taxonomy,morphorlogy and phylogeny of the Neogene
　　diatom zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North Pacific. Initial
　　Reports of the Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・Tomas, C. R.,1997. Identifying marine phytoplankton, Academic Press.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　アクチノキクルス属 01(再堆積)
　(Actinocyclus ingens Rattray)
　(個別のページはありません)
　殻径；23.1μm
　胞紋の大きさ；0.9-1.8/10μm
　殻蓋の胞紋密度；11-13.5/10μm
　特徴；殻蓋が殻面に対して斜めに広がる。
　　胞紋は円形で個々に独立して存在し、殻中心から殻周縁に行くに従いその
　　サイズは小さくなる。
　　殻面の胞紋は放散状に配列する。
　　殻蓋の胞紋は殻面よりも小さく互いに密接し、少なくとも環状に3列配列
　　する（667b）。
　　この標本では擬結節（pseudonodulus）は観察できなかった。
　　以上の特徴から、Akiba＆Yanagisawa(1986)のA. ingensと同定した。
　　この標本は現生珪藻採取時に現生の個体とともにとれたものである。
　　採取地点の近くに新第三紀の海成層が露出し、かつその露頭から
　　この種が産出することから再堆積したものと考えられる。
　・採取地；茨城県北部平磯（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　　コシノディスクス亜門(Coscinodiscophytina)　コシノディスクス綱(Coscinodiscophceae)　コシノディスクス目
　(Coscinodiscales)　ヘミディスクス科(Hemidiscaceae)　アクチノキクルス属(Actinocyclus) A. ingensを
　紹介します。
　Actinocyclus ingensは以下の特徴を持ちます。
　・殻面は円形で、平坦もしくは同心円状に波打つ。
　・殻蓋は殻面に対して斜めに広がる。
　・殻面の胞紋は円形で、放散状に配列する。
　・胞紋密度は殻面と殻蓋の境界で急激に変化する。
　・殻蓋の胞紋は密度が細く、殻縁に沿った環状の配列が認められる。
　・殻周縁内側には突起が認められ、おおよそ等間隔で環状に配列する。
　・殻面と殻蓋の境界付近には擬結節（pseudonodulus）が1つ存在し、小孔の集合体として観察できる。
　この分類群は下記の論文Akiba and Yanagisawa.(1986)に記載されているActinocyclus ingensの特徴と
　一致します。
　ここではActinocyclus ingensを上記の特徴以外に見られた特徴により3つのページに分けて掲載しています。　

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コシノディスクス目
　(Coscinodiscales)
　ヘミディスクス科
　　(Hemidiscaceae)
　　アクチノキクルス属
　　　(Actinocyclus)
　　　01(A. ingens)
　　　03
　　　04　
　　　06(A. ellipticus)　
　　　09
　　　10