アツペイティア属01

　アツペイティア属 01-02 （Azpeitia africana(Janisch ex Schmidt) Fryxell and Watkins）

　特徴；殻面は円形で平坦である。
　　殻面の胞紋は全体を通してほとんど同じ大きさで、胞紋列を作り、束状に配列をする。
　　中心からやや外れた位置に環状の幅の狭い無紋域に囲まれた複数の胞紋が認められ、これらは束状
　　配列に影響されない（722c白矢印）。
　　殻中心付近には他の胞紋とは焦点深度が異なる突出した孔が認められる。
　　これは中心部唇状突起の外側開口部である（722c黒矢印）。
　　光学顕微鏡下観察ではこの突起に隣接する凹みは認められなかった。
　　この中心部唇状突起は環状無紋域の縁辺部外側に隣り合う形で存在する。
　　殻周縁には切れ込み状の孔が環状に配列をする。
　　切れ込みは殻蓋を斜めに走る。これは周縁部唇状突起の外側開口部と考えられる。
　殻径；29.9μm
　胞紋密度；7.5-9/10μm
　周縁部唇状突起間距離；3.22--5.48μm
　周縁部唇状突起間胞紋数；3-5
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　アツペイティア属 01-01
　（Azpeitia africana(Janisch ex Schmidt) Fryxell and Watkins）

　特徴；殻面は円形で平坦である。
　　殻面の胞紋は全体を通してほとんど同じ大きさで、胞紋列を作り、束状に
　　配列をする。
　　殻蓋の胞紋は殻面の物よりも密度が細かい。
　　殻中心付近には他の胞紋とは焦点深度が異なる突出した孔が認められ
　　る。これは中心部唇状突起の外側開口部である（213a）。
　　この標本において光学顕微鏡下では中心部唇状突起の隣に凹みは観察
　　できなかった。
　　殻周縁には切れ込み状の孔が環状に配列をする。
　　切れ込みは殻蓋を斜めに走る。これは周縁部唇状突起の外側開口部と
　　考えられる。
　殻径；51.0μm
　胞紋密度；殻面：6.5-7/10μm　殻蓋：11.5-14/10μm
　周縁部唇状突起間距離；3.2-5.5μm
　周縁部唇状突起間胞紋数；3-5
　中心部唇状突起外側開口部径；1.0μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　　コシノディスクス亜門(Coscinodiscophytina)　コシノディスクス綱(Coscinodiscophceae)　コシノディスクス目
　(Coscinodiscales)　ヘミディスクス科(Hemidiscaceae)　アツペイティア属（Azpeitia） A. africanaを掲載して
　います。
　・殻面は円形で平坦、殻全体はシャーレ状である。
　・胞紋は胞紋列を作り、束状に配列をする。
　・殻中心付近には1つの突出した胞紋が認められる。
　・殻周縁部には環状に切れ込み状の孔が存在し、この切れ込みは殻蓋を斜めに走るように伸びる。
　この分類群の特徴は下記の参考文献のFryxell et. al. (1986)に記載されているAzpeitia africana の特徴と
　一致します。

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コシノディスクス目
　(Coscinodiscales)
　ヘミディスクス科
　　(Hemidiscaceae)
　　アツペイティア属
　　　(Azpeitia)　
　　　01(A. africana)　
　　　02(A. tabularis)
　　　　　(A. endoi)　
　　　04(A. neocrenulata)　
　　　珪藻統合01(A. nodulifera)　
　　　06　

参考文献；
　・Fryxell, G.A., Sims, P. A., and Watkins, T. P., 1986. Azpeitia(Bacillariophyceae): Related Genera
　　and Promorphology. Systematic Botany Monographs., 13, 1-74.
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au