クラシデンティクラ属01-03
　(Crucidenticula nicobarica (Grunow) Akiba and Yanagisawa)

　特徴；殻形は線形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　胞紋は比較的大きな円形で、5点型配列である（628c）。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁（第一擬隔壁）は殻面を横切るように走り、不均質
　　である。
　　basal ridgeを伴わない第二擬隔壁が認められ（628c）、
　　これらは未発達で殻縁では明瞭であるが、殻中央付近ではかろうじて
　　認められる程度である。
　　第二擬隔壁は配列に規則性を持たない。
　　2本の隣り合う第一擬隔壁の間に周縁肋は1-3本認められ、周縁肋の
　　長さは様々である。
　　628aは殻内側に、627bは殻外側に焦点があっている。
　殻長；15.9μm
　殻幅；3.7μm
　胞紋列密度；15.5-16/10μm
　胞紋密度；11.5-13/10μm
　第一擬隔壁密度；5.5/10μm
　周縁肋密度；15.5-16/10μm
　・採取地；茨城県北部7(海成層)
　・封入剤；カナダバルサ
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

---

　クラシデンティクラ属01-02
　(Crucidenticula nicobarica (Grunow) Akiba and Yanagisawa)

　特徴；殻形は細長い楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　胞紋は比較的大きな円形で、5点型配列である（627a）。
　　擬隔壁は殻面を横切るように走り、不均質である。
　　全ての擬隔壁はbasal ridgeを伴う。
　　2本の隣り合う擬隔壁の間に周縁肋は3-6本認められ、それらの長さは
　　様々で、627bの矢印のように比較的長い周縁肋も認められる。
　　これらは未発達な第二擬隔壁の可能性があるが、光学顕微鏡観察では
　　判別が難しい。
　　627aは殻外側に、627bは殻内側の周縁肋に焦点があっている。
　殻長；10.8μm
　殻幅；3.9μm
　胞紋密度；10.5-14/10μm
　擬隔壁密度；2.5-4/10μm
　擬隔壁間距離；2.7-3.7μm
　周縁肋密度；16.5-17.5/10μm
　・採取地；茨城県北部7(海成層)
　・封入剤；カナダバルサ
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　クラシデンティクラ属01-01　(Crucidenticula nicobarica (Grunow) Akiba and Yanagisawa)
　特徴；殻形は細長い楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　胞紋は比較的大きな円形で、5点型配列である（88b）。
　　擬隔壁は殻面を横切るように走り、不均質である。
　　全ての擬隔壁はbasal ridgeを伴う（88a・88c）。
　　2本の隣り合う擬隔壁の間に周縁肋は2-5本認められ、それらの長さは様々である（88c）。
　　88aは殻内側に、88bは殻外側に、88cは擬隔壁に焦点があっている。
　　88aはcopulaで、片方の端部がひらいており（右下）、周縁には1列の胞紋が観察できる。
　殻長；9.8μm
　殻幅；3.9μm
　胞紋密度；12/10μm
　擬隔壁密度；4/10μm
　周縁肋密度；13/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

---

参考文献；
　・Akiba, F. and Yanagisawa, Y., 1986. Taxonomy, morphorogy and phylogeny of the Neogene diatom
　 zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North Pacific. Inicial Reported of the
　 Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F.,1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　クラシデンティクラ属01-04 (Crucidenticula nicobarica (Grunow) Akiba and Yanagisawa)

　特徴；殻形は線形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　胞紋は比較的大きな円形で、5点型配列である（1114b）。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁（第一擬隔壁）は殻面を横切るように走り、不均質である。
　　basal ridgeを伴わない第二擬隔壁が認められる（1114c）。
　　これらは未発達で、殻縁では明瞭であるが、殻中央付近ではかろうじて認められる程度である。
　　第二擬隔壁は配列に規則性を持たない。
　　2本の隣り合う第一擬隔壁の間に周縁肋は2-4本認められ、周縁肋の長さは様々である。
　　1114aは殻内側のbasal ridgeに、1114bは殻外側に、1114cは殻内側の擬隔壁に焦点があっている。
　殻長；15.8μm
　殻幅；3.5μm
　胞紋列密度；16-17/10μm
　胞紋密度；12-14/10μm
　第一擬隔壁密度；5/10μm
　周縁肋密度；15.5-17/10μm
　・採取地；茨城県北部7(海成層)
　・封入剤；カナダバルサ
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) クルシデンティクラ属(Crucidenticula) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻は小型で、細長い楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　・胞紋は円形で比較的大きく、5点型配列をする。
　・第一擬隔壁の間隔は不均質で、ときどき未発達な第二擬隔壁が認められる。
　・周縁肋は擬隔壁間に1-数個認められる。
　この分類群の特徴は、Yanagisawa and Akiba (1990)とAkiba and Yanagisawa(1986)に記載されている
　Crucidenticula nicobaricaと特徴が一致します。
　このページに掲載されている標本は茨城県北・中部の堆積層から採取した個体です。

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30