デンティクロプシス属12-02　 (Denticulopsis sp.)
　特徴；殻面は短い幅広い線形、またはやや長い楕円形で殻端は尖らずに丸まる。
　　胞紋は細かく、殻中心付近では全体敵に配列し、殻端では擬隔壁両脇にそれぞれ1列の胞紋列が存在
　　する。
　　擬隔壁は等間隔に配列し、隣り合う2本のbasal ridgeを伴う擬隔壁（第一擬隔壁）間には2本のbasal
　　ridgeを伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）が存在する(1443a)。
　　2本の隣り合う擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ短い周縁肋が存在する。
　　この標本はYanagisawa＆Akiba（1990)のDenticulopsis simonsenii やD. vulgarisと一致する点が多い。
　　一方で、D. simonseniiの胞紋が殻面全体に、D. vulgarisの胞紋が擬隔壁両脇にのみ1列の胞紋
　　列が存在するのに対して、この標本では殻中心では全体的に胞紋が存在し、殻端では擬隔壁両
　　脇にのみ1列の胞紋列が存在する両種の中間的な胞紋配列をする。
　殻長；10.8μm
　殻幅；5.4μm
　胞紋密度；約20/10μm
　擬隔壁密度；約6.5/10μm
　第一擬隔壁密度；2/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

ページ作成および更新情報
　作成日：2020.05.13
　最終更新：2020.05.13　

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) デンティクロプシス属(Denticulopsis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は幅の広い線形で両殻縁は平行、殻端尖らずに丸まる。
　・胞紋は細かく、殻中心付近では全体的に胞紋は配列し、殻端では擬隔壁両脇にのみ1列の胞紋列を作る。
　・擬隔壁はほぼ等間隔に配列し、basal ridgeを伴わない擬隔壁（第2擬隔壁）も認められる。
　・隣り合う2本の擬隔壁間の両殻縁には周縁肋が1本ずつ認められる。
　このページに掲載されている標本は茨城県中部の堆積層から採取した個体です。

　デンティクロプシス属12-01　 (Denticulopsis sp.)
　特徴；殻面は幅の広い線形で両殻縁は平行、殻端は尖らずに丸まる。
　　胞紋は細かく、殻中心付近では全体敵に配列し、殻端では擬隔壁両脇にそれぞれ1列の胞紋列が存在
　　する。
　　擬隔壁は等間隔に配列し、隣り合う2本のbasal ridgeを伴う擬隔壁（第一擬隔壁）間には1-2本のbasal
　　ridgeを伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）が存在する(1440b・c)。
　　2本の隣り合う擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ短い周縁肋が存在する。
　　copulaは片側端部は閉じ、もう一方の端部は開く(1440a)。
　　この標本はYanagisawa＆Akiba（1990)のDenticulopsis simonsenii やD. vulgarisと一致する点が多い。
　　一方で、D. simonseniiの胞紋が殻面全体に、D. vulgarisの胞紋が擬隔壁両脇にのみ1列の胞紋
　　列が存在するのに対して、この標本では殻中心では全体的に胞紋が存在し、殻端では擬隔壁両
　　脇にのみ1列の胞紋列が存在する両種の中間的な胞紋配列をする。
　殻長；21.7μm
　殻幅；6.0μm
　胞紋密度；17.5-20.5/10μm
　擬隔壁密度；5-5.5/10μm
　第一擬隔壁密度；2/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F.,1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

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