バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) ナビクラ目(Naviculales) ディプロネイス科
　(Diploneidaceae) ディプロネイス属(Diploneis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻形は楕円形で殻中心の殻縁は強く凹入し、殻端は丸みを帯びる。
　・胞紋は大きく横長の四角形で胞紋列を作り、平行もしくは放散状に配列する。
　・光学顕微鏡下では縦溝わだちの両脇には溝状御構造がないように見える。
　・縦溝は線状で縦溝わだちの中を走り、殻端には達しない。
　・中心結節は小さく縦長の四角形である。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部と千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・柳沢ほか., 1989., 常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質.地質調査所月報,
　　40, 405-467.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30　

　ディプロネイス属02-03 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は楕円形で殻中心付近の殻縁は弱く凹入し、殻端は丸まる。
　　胞紋は大きく横長の四角形で胞紋列を作り、殻面を通して放散状に配列し、
　　殻端ではより強く放散状とする。
　　縦溝は線状で殻中央を長軸方向に走るわだちの中にあり、殻中心側端部
　　は向かい合って終わり、殻端側端部は殻末端には達しないように見える。
　　中心結節は小さく縦長の四角形で、その幅は縦溝わだちの幅を超えない。
　　縦溝わだちと中心結節の両脇には狭く浅い溝状構造が存在し、その中には
　　長軸方向に1列の胞紋列が走る。
　　この標本は上記の2標本と比べて殻中心の殻縁の凹入が小さい。
　殻長；25.1μm
　殻幅；最大：14.0μm　最小：11.5μm
　胞紋列密度；10.5-11/10μm
　胞紋密度；7.5-9.5/10μm
　・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ディプロネイス属02-02 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は楕円形で殻中心付近で殻縁は強く凹入し、殻端は鈍く尖る。
　　胞紋は大きく横長の四角形で胞紋列を作り、殻面を通して放散状に配列
　　し、殻端ではより強く放散状とする。
　　縦溝は殻中央を長軸方向に走る浅いわだちの中にあり、線状で、殻中心
　　側端部は丸い孔を作って終わり、殻端側端部は殻端には達しないように
　　見える。
　　これらの縦溝わだちの両脇には非常に狭い溝状の構造が線状に走り、
　　これらの中には長軸方向に胞紋列が1列走る。
　　中心結節は小さく縦長の四角形で、その幅は縦溝わだちの幅を超えない。
　　これらの特徴は、下記の参考文献柳沢ほか（1989）plate5-36の
　　Diploneis bombus Ehrenberg と類似する。
　胞紋列密度；8.5-9/10μm
　胞紋密度；7.5-9/10μm
　軸域の幅；2.0-2.9μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ディプロネイス属02-01 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は楕円形で中央圧縮形、殻先端は丸みを帯びる。
　　胞紋は大きく横長の四角形で胞紋列を作り、殻面を通して放散状に配列し、
　　殻端ではより強く放散状に配列する。
　　縦溝は線状で殻中央を長軸方向に走るわだちの中にあり、殻中心側端部は
　　向かい合って終わり、殻端側端部は殻末端には達しないように見える。
　　縦溝わだちは比較的幅が広く、殻端付近で先細る。
　　中心結節は小さな四角形で、縦溝わだちの幅を超えない。
　　縦溝わだちと中心結節の両脇には溝状の構造は無いように見える。
　殻長；28μm
　殻幅；最大：15.1μm　最小：8.8μm
　胞紋列密度；9-11/10μm
　胞紋密度；7-8.5/10μm
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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ディプロネイス属02
　　　　Diploneis sp.