ユーカンピア属02

　ユーカンピア属 02-01 (Eucampia sp.)

　特徴；殻帯面は横長の四角形で中心はドーム状に隆起し、両殻端には胞紋を
　　有する比較的短い隆起部が存在する。
　　殻端の隆起部は棒状でほぼ同じ幅で末端まで伸び、基部は末広がり、末端
　　は小さな凹凸が認められる（1004ｃ）。これらの隆起部は連結突起で、末端
　　の小凹凸の一部は小突起である。
　　胞紋は殻を通して存在し、大きい円形もしくは丸みのある四角形で、胞紋間に
　　は小孔がしばしば認められる。
　　胞紋は殻の高さ方向に胞紋列を作る。
　　連結突起の胞紋は基部より末端の胞紋の方が小さい。
　　殻蓋縁辺部には幅の狭い無紋域が存在する。
　　殻中心には小さな縦長の孔が1つ認められる（1004d矢印）。これは唇状突起
　　と考えられる。
　　この標本は下記の参考文献柳沢ほか（1989）plate4-16のEucampia sp.と様
　　相が類似する。
　殻長；28.0μm
　殻高；13.6μm（両殻端の連結突起の除く）
　胞紋密度；4-5.5/10μm
　胞紋サイズ；殻面：1.17-1.18μm
　殻端連結突起胞紋サイズ；0.59-0.87μm
　・採取地；茨城県北部4(後期中新世?の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

参考文献；
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae)　ヘミアウルス目(Hemiaulales)
　ヘミアウルス科(Hemiaulaceae) ユーカンピア属(Eucampia)のうち、以下の特徴を持つ分類群を掲載して
　います。
　・殻帯面は横長の四角形、殻中央はドーム状に隆起する。
　・両殻端は隆起し、その幅は一定で短く、末端には小起伏がある。
　・胞紋は円形で敺、両殻端の隆起部患部付近では明瞭にその密度は細かくなる。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層から採取した個体です。