バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae)　トリケラチウム目
　(Triceratiales)　トリケラチウム科 (Triceratiaceae) のEurossia irregularisを紹介します。
　E. irregularisは、以下の特徴を持ちます。
　・殻面は三角形で、表面が平坦である。
　・3つの角は丸みを帯び、うち1個は他の角よりも大きい。
　・大きい角は擬眼点(pseudoellus)を持ち、他の2個はそれぞれ1個の唇状突起(rimoportula)を持つ。
　・胞紋サイズは比較的大きく、殻中心から不明瞭な放散状に配列する。
　以上の特徴はMahood et al.(1993)のEurossia irregularisと一致します。
　このページに掲載されている標本は神奈川県三浦半島と千葉県房総半島の堆積層から採取した個体です。

　ユーロシア属 01-01 (Eurossia irregularis (Greville) Sims)
　
　特徴；殻面は三角形で、各辺は直線状である。
　　殻面の角は丸まり、角の大きさは不均質である。
　　殻周縁は丸みを帯びる。
　　胞紋は丸みを帯び、殻面を通してその大きさはおおむね一定である。
　　胞紋間の骨格には小孔が点在する(1785a)。
　　三角形の角のうち、もっとも大きい角には小孔域が存在し、これは擬眼点
　　である(1785d左下)。
　　三角形の角のうち小さい角には1個の短い糸状の突起があり、その伸び方
　　向は殻中心に向う(1785b右下)。これは唇状突起である。
　一辺の長さ；28.5-29.6μm
　胞紋密度；4-5/10μm
　・採取地；神奈川県三浦半島2(前期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　　・Mahood A. D., Barron J. A., and Sims P, A.(1993) A study of some usuall, well preserved Oligocene
　　　diatoms from Antarctica. Nova Hedwigia, Beiheft. 106, 243-267.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

---

---

ユーロシア属01
　Eurossia irregularis

ページ作成および更新情報
　作成日：2019.10.07
　最終更新：2024.02.24　更新

　ユーロシア属 01-04(Eurossia irregularis (Greville) Sims)
　
　特徴；殻面は三角形で、各頂点は弱く引っ張り出され末端は丸まり、各辺は
　　中心方向に弱く湾入する(2002-comb・a)。
　　胞紋は比較的大きく丸味を帯び、目立った配列は無く、殻縁付近ではその
　　密度は細かくなる(2002-comb・a)。
　　三角形の角のうち、2つには唇状突起が存在し(2002-comb・b・c-1)、1つには
　　小孔密集域が存在する(2002a・b)。
　一辺の長さ；50.6-51.2μm
　胞紋密度；3.5-4.5/10μm(殻頂点付近で5.5/10μm)
　・採取地；千葉県房総半島(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm
　・2002-combは焦点深度合成写真です。

　ユーロシア属 01-03(Eurossia irregularis (Greville) Sims)
　
　特徴；殻面は三角形で、各辺は概ね直線状である(2003-comb)。
　　殻面の角は丸まり、角の大きさは不均質である(2003-comb)。
　　胞紋は比較的大きく丸味を帯び、各頂点付近ではその密度はやや
　　細かくなる。
　　三角形の角のうち、1つには小孔密集域が存在する(2003a下の頂点)。
　一辺の長さ；35.8-36.1μm
　胞紋密度；3-3.5/10μm(殻頂点付近で5/10μm)
　・採取地；千葉県房総半島(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm
　・2003-combは焦点深度合成写真です。

　ユーロシア属 01-02(Eurossia irregularis (Greville) Sims)
　
　特徴；殻面は三角形で、各辺は中心方向に弱く湾入する(1998-comb・b)。
　　殻面の角は丸まり、角の大きさは不均質である(1998-comb)。
　　殻面縁辺から殻蓋にかけては丸みを帯びる。
　　胞紋は比較的大きく丸味を帯び、弱い放散状に配列し、殻縁付近ではその
　　密度は細かくなる。
　　三角形の角のうち、少なくとも1つには唇状突起が存在し(1998b右の頂点)、
　　1つには小孔密集域が存在する(1998-comb下の頂点)。
　一辺の長さ；30-30.9μm
　胞紋密度；3-5/10μm(殻頂点付近で7.5/10μm)
　・採取地；千葉県房総半島(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm
　・1998-combは焦点深度合成写真です。