珪藻植物門不明未同定分類群13

　珪藻植物門(Bacillariophyta) で不明・未同定分類群中心型のうち、以下の特徴を持つものを掲載しています。
　・殻面はレンズ状もしくはドーム状に隆起する。
　・胞紋は円形で個々に独立して存在し、殻周縁付近から殻形の約1/4程度までの範囲に存在し、配列は
　　目立った規則性を持たなず、胞紋域より内側の殻面は無紋である。
　このページに掲載されている標本は北海道東部の堆積層から採取した個体です。

珪藻植物門
(Bacillariophyta)
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コシノディスクス亜門
　 (Coscinodiscophytina)
バシラリア亜門
　(Bacillariophytina)
　チュウカンケイソウ綱
　　 (Mediophyceae)
　バシラリア綱
　　 (Bacillariophyceae)

　珪藻植物門不明・未同定分類群13-01
　特徴；殻面は円形でレンズ状もしくはドーム状に隆起する。
　　胞紋は円形で個々に独立して存在し、配列に目立った規則性を持たない。
　　胞紋は殻周縁から殻径の約1/4程度までの範囲に認められる。
　　殻中心付近の殻径約1/2程度は無紋域である。
　　胞紋域と無紋域の境界付近に他の胞紋とは焦点深度の異なる胞紋が1つ認められる（329b矢印）。
　　殻蓋縁辺は平坦で、短い条線が放散状に認められ、また、太く短い黒い構造がぼんやりと認めら
　　れる（329d）。
　　この標本は下記の参考文献Morita et al. （1996）のplate1-10のActinocyclus sp.A と様相が
　　類似するが、Actinocyclus属に認められる擬結節(pseudonodulus)が確認できなかった。
　　また、この標本はGladenkov and Barron（1995）plate3-7の個体とも様相が類似する。
　　329bは殻外側に、329dは殻内側に焦点があっている。
　殻径；24.0μm
　胞紋密度；7.5-9.5/10μm
　殻蓋縁辺部条線密度；15-16.5/10μm
　・採取地；北海道東部1-2 (前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　珪藻植物門不明・未同定分類群13-03
　特徴；殻面は円形でレンズ状に隆起する。
　　胞紋は円形で個々に独立して存在し、配列に目立った規則性を持たない。
　　胞紋は殻周縁から殻径の約1/4程度までの範囲に認められる。
　　殻中心付近の殻径約1/2程度は無紋域である。
　　胞紋域と無紋域の境界付近に他の胞紋とは焦点深度の異なる胞紋が1つ認められる（545d矢印）。
　　殻周縁は平坦で、短い条線が放散状に認められる（545b）。
　　この標本は下記の参考文献Morita et al. （1996）のplate1-10のActinocyclus sp.A と様相が
　　類似するが、Actinocyclus属に認められる擬結節(pseudonodulus)が確認できなかった。
　　また、この標本はGladenkov and Barron（1995）plate3-7の個体とも様相が類似する。
　殻径；推定：15.2μm
　胞紋密度；9-11/10μm
　殻蓋縁辺部条線密度；14.5-16.5/10μm
　・採取地；北海道東部1-3 (後期漸新世から前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　珪藻植物門不明・未同定分類群13-02
　特徴；殻面は円形でレンズ状もしくはドーム状に隆起する。
　　胞紋は円形で個々に独立して存在し、配列に目立った規則性を持たない。
　　胞紋は殻周縁から殻径の約1/6程度までの範囲に認められる。
　　殻中心付近の殻径約2/3程度は無紋域である。
　　胞紋域と無紋域の境界付近に他の胞紋とは焦点深度の異なる胞紋が1つ認められる（338b矢印）。
　　殻蓋縁辺は平坦で、短い条線が放散状に認められる（338b）。
　　この標本は下記の参考文献Morita et al. （1996）のplate1-10のActinocyclus sp.A と様相が
　　類似するが、Actinocyclus属に認められる擬結節(pseudonodulus)が確認できなかった。
　　また、この標本はGladenkov and Barron（1995）plate3-7の個体とも様相が類似する。
　　338bは殻内側に、338cは殻外側に焦点があっている。
　殻径；20.0μm
　胞紋密度；8-9.5/10μm
　殻蓋縁辺部条線密度；15.5-16.5/10μm
　・採取地；北海道東部1-2 (前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

参考文献；
　・Morita,R., Titova,L., and Akiba F.,1996. Oligocene-Early Miocene Molluscs and Diatoms from
　　the Kitami-Tsubetsu area, Eastern Hokkaidou, Japan.Sci. Rep.,Tohoku Univ., 2nd ser. (Geol.),
　　　63, 53-213.
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Gladenkov, A. Y., and Barron J., A., 1995. Oligocene and early middle Miocene diatom biostratigraphy
　　of Hole 884B., Proceeding of the Ocean Drilling Program, Scientific Results, 145, 21-41.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au