ニッチア属03-01 (Nitzschia fossilis (Frenguelli) Kanaya)
　特徴；殻面は披針形で平坦、殻末端は丸まる。
　　肋は殻面を横切って平行に配列し、殻端に近いものはわずかに傾く（246a）。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する（246a）。
　　縦溝は片側殻縁沿い走る（246b）。
　　＊ここでのN. fossilisはNitzschia fossilis (Grunow) Grunowとは種名が一緒ですが別の分類群です。
　殻長；35.8μm
　殻幅；6.0μm
　肋密度；12.5-13/10μm
　胞紋密度；19.5-20.5/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ニッチア属03-02 (Nitzschia fossilis (Frenguelli) Kanaya)

　特徴；殻面は細長い楕円形で、殻端は丸みを帯びる。
　　肋は殻面を横切って平行に配列し、殻端では湾曲する。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　縦溝は片側殻縁沿い走る。
　　＊ここでのN. fossilisはNitzschia fossilis (Grunow) Grunowとは
　　種名が同じですが別の分類群です。
　殻長；28.7μm
　殻幅；6.2μm
　肋密度；11-11.5/10μm
　胞紋密度；15.5-17/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) ニッチア属(Nitzschia) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は披針形で平坦、殻先端は丸みを帯びる。
　・肋は殻面を横切り、両脇には胞紋列が1列ずつ存在する。
　 この分類群はKoizumi and Yanagisawa（1990）のNitzschia fossilis (Frenguelli) Kanayaの記載と実例写真の
　様相とおおむね一致します。
　現在はこの分類群はFraglariopsis属とすることが主流で、Fragilariopsis fossilis (Frenguelli) Medlin＆Simsと
　呼ばれています。
　＊ここでのN. fossilisはNitzschia fossilis (Grunow) Grunowとは種名が一緒ですが別の分類群です。
　このページに掲載されている標本は千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

---

---

参考文献；
　・Koizumi and Yangisawa., 1990., Evolutionary change in diatom morphology -An example from Nitzschia
　 fossilis to Pseudoeunotia doliolus-.Trans. Proc. Paleont. Japan, N. S., 157, 347-359.
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・柳沢ほか., 1989., 常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質.地質調査所月報, 40, 405-467.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2020.04.30