オドンテラ属02

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae)　トリケラチウム目
　(Triceratiales)　トリケラチウム科 (Triceratiaceae) オドンテラ属(Odontella)のうち、以下の特徴を持つ
　分類群を掲載しています。
　・殻は楕円形の殻周縁部の上に披針形の殻面が乗る形である。
　・殻面観で殻周縁部は平坦で、殻面は両殻端と殻中央部が隆起する。
　・殻面の両殻端の隆起部は基部が太く先細りする。
　・殻面中央の隆起部は両殻縁に広がる楕円形のドーム状で、1-2本のチューブ状の突起が認められる。
　・殻帯面は丸みを帯びる横長のやや四角形の帯（band）の両側に中央が隆起し両殻縁が突出した四角形が
　　くっついた形である。
　・殻面の胞紋は円形で、散在的である。
　・帯部分で胞紋は両縁辺部に沿ってそれぞれ1列の胞紋列を作り、それ以外は散在的である。
　この分類群は下記の参考文Morita et al.（1996）のplate2-10から15のOdontella sawamuraeもしくは
　Odontella sp.Aと様相が類似しています。
　このページに掲載されている標本は北海道東部・神奈川県三浦半島の堆積層から採取した個体です。
　＊オドンテラ属はユーポディスクス目オドンテラ科に属するとする研究もあります。

　オドンテラ属 02-01 (Odontella sp.)

　特徴；1組の殻の帯面観は丸みを帯びた横長のやや四角形の帯（band）の両
　　側に、両殻縁が突出し、中央が隆起した四角形が乗る。
　　殻面は両殻端は基部が幅広く先端は先細り、殻面中央はドーム状に隆起
　　し、ドーム部には少なくとも1本の比較的長い突起が認められる（429d）。
　　この標本では殻面には胞紋は認められない。
　　帯（band）には両縁辺に沿って胞紋列が1列ずつ配列する（429d）。
　殻長；13.7μm
　1組の殻の殻高；20.2μm
　帯高；11.4μm
　・採取地；北海道東部1-4
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　オドンテラ属 02-03 (Odontella sp.)

　特徴；殻は楕円形の殻周縁部の上に披針形の殻面が乗る（430e）。
　　殻周縁部は平坦で、殻面は両殻端と殻中央部が隆起する。
　　殻面の両殻端の隆起部は基部が太く先細りする。
　　殻面中央の隆起部は両殻縁に広がる楕円形のドーム状で、他の胞紋とは
　　様相の異なる2個の目立つ孔が認められる。これは唇状突起の外側開口部
　　と考えられる（430a）。
　　胞紋は殻面に散在的に存在する。
　　430aは殻面中央隆起部を拡大し、隆起部に焦点を合わせた写真である。
　殻長；20.3μm
　殻幅；14.9μm
　・採取地；北海道東部1-4
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　オドンテラ属 02-02 (Odontella sp.)

　特徴；1組の殻の帯面観は丸みを帯びた横長のやや四角形の帯（band）の
　　両側に、両殻縁が突出し、中央が隆起した四角形が乗る。
　　殻面は両殻端は基部が幅広く先端は先細り、殻面中央はドーム状に
　　隆起し、ドーム部には少なくとも1本の比較的長い突起が認められる
　　（510a）。
　　この標本では殻面には胞紋は認められない。
　　帯（band）には両縁辺に沿って胞紋列が1列ずつ規則正しく配列し、
　　他の胞紋は散在する（510c）。
　殻長；13.5μm
　1組の殻の殻高；22.7μm
　帯高；7.1μm
　・採取地；北海道東部1-1)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　　・Morita,R., Titova,L., and Akiba F.,1996. Oligocene-Early Miocene Molluscs and Diatoms from
　　　the Kitami-Tsubetsu area, Eastern Hokkaidou, Japan.Sci. Rep.,Tohoku Univ., 2nd ser. (Geol.),
　　　63, 53-213.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　オドンテラ属 02-05 (Odontella sp.)

　特徴；殻面はで、その外側には一回り大きい殻縁が存在する。
　　殻縁に対して殻面は隆起する。
　　殻面の両殻端は外側に上方に向かって隆起し、この隆起部は基部が太く
　　先細りする。
　　殻面中央には2本の管状突起が存在する（1798b）。これは唇状突起の外側
　　開口部と考えられる。
　　胞紋は殻面に散在的に存在する。
　　1798aは殻縁に、1798bは殻面に、1798cは殻面両端部の隆起部末端に焦点
　　を合わせた写真である。
　殻長；殻面：18.2μm、殻全体：22.0μm
　殻幅；殻面：12.2μm、殻全体：17.1μm
　・採取地；神奈川県三浦半島2(前期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　オドンテラ属 02-04 (Odontella sp.)

　特徴；殻形は、楕円形の殻周縁部の上に2か所圧縮の披針形の殻面が乗る
　　形である（385d）。
　　殻周縁部は平坦で、殻面は両殻端と殻中央部が隆起する。
　　殻面の両殻端の隆起部は基部が太く先細りする。
　　殻面中央の隆起部は両殻縁にまで広がる楕円形のドーム状で、他の胞紋
　　とは様相の異なる1つの目立つ孔が認められる。
　　これらはチューブ状の形をした突起で、唇状突起の外側開口部と考えられ
　　る（385a）。
　　胞紋は殻面に散在的に存在する。
　　385aは殻面中央隆起部の拡大し、隆起部の明瞭な孔に焦点を合わせた
　　写真である。
　殻長；23.6μm
　殻幅；15.7μm
　・採取地；北海道東部1-3(後期漸新世から前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm