シュードトリセラティウム属02

参考文献；
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae)　ビドゥルフィア目(Biddulphiales)　
　ビドゥルフィア科(Biddulphiaceae) シュードトリケラチウム属(Pseudotriceratium)のうち、以下の特徴を
　持つものを掲載しています。
　・殻面は三角形で、各辺は大きく弧状に凹入し、3つの頂点は丸みを帯びる。
　・殻面は殻中心付近が弱く沈降する。
　・胞紋は円形で、殻端（頂点）で密度が細かくなる。
　・胞紋は殻中心で放散状に配列し、殻縁辺部（各辺付近）では殻縁に垂直な短い胞紋列を作る。
　・殻面各頂点にはスリット状の孔が1つずつ認められる。
　・帯は細長い帯状の四角形で円形の小さな胞紋が直線状の胞紋列を作る。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層から採取した個体です。

　シュードトリケラチウム属 02-01 (Pseudotriceratium sp.)

　特徴；殻面は三角形で、各辺は殻中心側に大きく弧状に湾曲する。
　　殻面はゆるやに沈降し、各頂点は丸みを帯びる。
　　帯は帯状の四角形である（1047ｆ・1047ｆ-1矢印）。
　　この標本では殻帯は殻から外れて殻面上に乗っている。
　　殻周縁部は丸みを帯びる。
　　胞紋は円形で独立して存在し、殻端（3つの頂点）付近で密度が細かい。
　　胞紋は殻中心付近では不明瞭な放散状に配列し、殻縁辺部では殻縁に
　　垂直な短い胞紋列を作る。
　　3つの頂点付近で胞紋はその配列に目立った規則性を持たない。
　　胞紋間の骨格にはしばしば小孔が認められる（1047ｆ）。
　　帯の胞紋は円形で比較的小さく、直線状の胞紋列を作る（1047ｆ-1矢印）。
　　殻面頂点にはスリット状の孔が認められ、これは唇状突起の外側開口
　　部と考えられる（1047b-1矢印r）。
　殻長；1辺：63.6-66μm
　殻面胞紋列密度；4.5-6.5/10μm
　殻帯面胞紋列密度；15.5/10μm
　殻面胞紋密度；4-5/10μm　頂点付近：8.5-11.55/10μm
　殻帯胞紋密度；殻面に最も近い胞紋列：15-19/10μm
　　　　　　　　　殻面から最も遠い胞紋列：19-20/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm