バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) ラフォネイス目(Rhaphneidales)
　ラフォネイス科(Rhaphoneidaceae) ラフォネイス属のRhaphoneis amphicerosを掲載します。
　この分類群は以下の特徴を持ちます。
　・殻形は楕円形もしくは披針形で、先端の形はくさび状もしくちばし状で、末端は丸みを帯びる。
　・胞紋は円形または楕円形で胞紋列を作り、殻端近くで徐々に密度が細かくなる。
　・胞紋列は放散状に配列し、殻端には達しない。
　・殻端には小孔の集合域が存在する。
　・小孔集合域の周縁内側に1つの楕円形の孔もしくは突起が認められる。
　このページに掲載されている標本は、現生は太平洋(茨城県北部)、化石標本は北海道東部、茨城県北部、
　千葉県北部、新潟県中部の堆積層から産出しました。

　ラフォネイス属F01-02
　(Rhaphoneis amphiceros (Ehrenberg)Ehrenberg)

　特徴；殻形は楕円形で平坦、殻先端はくさび状、殻末端は丸みを帯びる。
　　胞紋は横長の楕円形もしくは円形で胞紋列を作り、殻端近くでは徐々
　　に密度が細かくなる。
　　胞紋列は放散状に配列し、殻端には認められない。
　　軸域は狭く直線状に伸び、殻端には達しない。
　　両殻端にはやや広い小孔の集合域が存在する。
　　殻端小孔集合域の中にはそれぞれ周囲を環状の畝で囲まれた楕円形
　　の孔が認められる（925a矢印）。これは焦点深度によっては、粒状の小
　　突起の形態をとる（925b矢印）。これらは唇状突起であると考えられる。
　　以上の特徴は、Tomas(1997)のRhaphoneis amphiceros特徴と一致する。
　殻長；34.3μm
　殻幅；21.5μm
　胞紋列密度；9-9.5/10μm
　胞紋密度；8.5-10.5/10μm
　殻端小孔域小孔密度；19.5-21/10μm
　・採取地；茨城県北部1
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ラフォネイス属 01-02
　(Rhaphoneis amphicros (Ehrenberg) Ehrenberg)

　殻長；43.4μm
　殻幅；23.1μm
　胞紋列密度；8-8.5/10μm
　胞紋密度；7.5-12.5/10μm
　特徴； 殻面は楕円形で平坦、殻端は嘴形で、末端は丸みを帯びる。
　　胞紋は円形で胞紋列を形成し、放散状に配列する。
　　胞紋は殻端付近でやや小型がする。
　　軸域は狭く、から長軸方向を直線状にまっすぐに走り、両殻端の
　　小孔域に若干食い込んで終わる（上の写真）。
　　両殻端には小孔が密集する小孔域が存在し、小孔域内には1個の
　　唇状突起が認められる（上の写真）。
　　この標本はTomas(1997)のRhaphoneis amphiceorsとおおむね
　　特徴が一致する。
　・採取地；茨城県北部平磯（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

ラフォネイス属01
　Rhaphoneis amphiceros

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現生標本

　ラフォネイス属F01-01
　(Rhaphoneis amphiceros (Ehrenberg)Ehrenberg)

　特徴；殻形は楕円形で平坦、殻先端はくちばし状、殻末端は丸みを帯びる。
　　胞紋は横長の楕円形もしくは円形で胞紋列を作り、殻端近くでは徐々に
　　密度が細かくなる。
　　胞紋列は放散状に配列し、殻端には認められない。
　　軸域は狭く直線状に伸び、殻端には達しない。
　　殻端にはやや広い小孔の集合域が存在する。
　　殻端小孔集合域の中には周囲を環状の畝で囲まれた楕円形の孔が存在
　　する（矢印）。これは唇状突起であると考えられる。
　　以上の特徴は、Tomas(1997)のRhaphoneis amphiceros特徴と一致する。
　殻長；41.3μm
　殻幅；23.7μm
　胞紋列密度；8-8.5/10μm
　胞紋密度；6-9/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

化石標本

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　ラフォネイス属F01-03 (Rhaphoneis sp.(R. amphiceros?))

　特徴；殻形は披針形で平坦、殻先端はくさび状で、殻末端と殻縁は丸みを
　　帯びる。
　　胞紋は横長の楕円形もしくは円形で胞紋列を作り、殻端近くでは徐々
　　に密度が細かくなる。
　　胞紋列は放散状に配列し、殻端には認められない。
　　軸域は狭く直線状に伸び、殻端には達しない。
　　両殻端には小孔の集合域が存在する。
　　これらの小孔域内にはそれぞれ粒状の小突起のが認められる（白矢印）。
　　これらは唇状突起であると考えられる。
　　この標本の特徴は、Tomas(1997)のRhaphoneis amphicerosよりも小型で、
　　殻が肥厚化している。
　　また上記2標本よりも胞紋密度が比較的細かい。
　殻長；20.4μm
　殻幅；11μm
　胞紋列密度；9-10.5/10μm
　胞紋密度；10-13/10μm
　・採取地；北海道東部1-2
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ラフォネイス属F01-04
　(Rhaphoneis amphiceros (Ehrenberg)Ehrenberg)

　特徴；殻形は楕円形で殻端は引っ張り出され、末端は丸まる。
　　胞紋は円形で胞紋列を作り、殻端近くでは徐々に密度が細かくなる。
　　胞紋列は放散状に配列し、殻端には認められない。
　　両殻端にはやや広い小孔の集合域が存在する。
　　殻端小孔集合域の中には粒状の突起が存在する。
　　これらは唇状突起である。
　　以上の特徴は、Tomas(1997)のRhaphoneis amphiceros特徴とおおむね
　　一致する。
　殻長；22.8μm
　殻幅；14.9μm
　胞紋列密度；11-12/10μm
　胞紋密度；10.5-16.5/10μm
　殻端小孔域小孔密度；19.5-21/10μm
　・採取地；新潟県中部1
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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　＊分類群の同定につきましては、ご同定や分類群変更等に対応できていない場合があります。
　　ご了承ください。

参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・Tomas, C. R.,1997. Identifying marine phytoplankton, Academic Press.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2019.11.04