ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2019.06.30　

タラシオシラ属01
　Thalassiosira antiqua

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目(Thalassiosirales)
　タラシオシラ科(Thalassiosiraceae)のThalassiosira antiquaを紹介します。
　この分類群は以下の特徴を持っています。
　・殻面観は円形で表面が平坦である。
　・胞紋は多角形で、いくつかの中心を持つ同心円状に配列する。
　・殻面中心には小孔が密集し、この小孔密集域の周りを胞紋が取り囲み、花の様な模様を形成する。
　・殻周縁部には環状の周縁域が存在し、短い条線が明瞭に認められる。
　これらの特徴はAkiba and Yanagisawa(1986)に記載されているThalassiosira antiqua の特徴と一致
　しています。
　このページに掲載されている標本は千葉県北部・茨城県北部・新潟県中部・神奈川県東部の堆積層から
　採取した個体です。

　タラシオシラ属 01-01
　(Thalassiosira antiqua (Grunow) Cleve-Euler)

　特徴；周縁部には環状に短い条線が放散状に配列する（311a）。
　　胞紋は多角形で殻面全体に存在し，偏心的に配列する。
　　殻中心には小孔が密集し、これらを胞紋が取り囲み花が咲いた
　　ような模様となる（311b）。
　　周縁部には1つの唇状突起が認められる（311b矢印）。
　殻径；19.3μm
　胞紋密度；6-8/10μm
　中心小孔数；16
　中心小孔周りの胞紋数；7
　周縁部条線密度10-12/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

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　タラシオシラ属 01-03
　(Thalassiosira antiqua (Grunow) Cleve-Euler)

　特徴；胞紋は多角形で殻面全体に存在し、不明瞭ではあるが偏心的に配列
　　する(956b)。胞紋サイズは上記の2標本よりも大きい。
　　殻中心には小孔が密集し(956b中心部)、これらを胞紋が取り囲み花が咲い
　　たような模様となる（956a・b中心付近）。
　　周縁に行くに従い、胞紋の大きさは若干小さくなる。
　　周縁部には短い条線が放散状に配列する（956b）。
　殻径；23μm
　胞紋密度；4.5-5/10μm
　中心小孔数；12
　中心小孔周りの胞紋数；6
　周縁部条線密度10-12.5/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 01-05
　(Thalassiosira antiqua (Grunow) Cleve-Euler)

　特徴；胞紋は多角形で、目立つ配列を持たない。
　　胞紋密度は殻周縁部でほとんど細かくならない。
　　殻中心には小孔が密集し(1863a中心部)、その周囲は7個の胞紋で囲まれる
　　(1863b)。
　殻径；18.5μm
　胞紋密度；7-7.5/10μm
　中心小孔数；少なくとも11
　中心小孔周りの胞紋数；7
　・採取地；神奈川県三浦半島1(後期中新世から鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

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参考文献；
　　・Akiba, F. and Yanagisawa, Y., 1986. Taxonomy, morphorogy and phylogeny of the Neogene diatom
　　　zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North Pacific. Inicial Reported of the
　　　Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　タラシオシラ属 01-02
　(Thalassiosira antiqua (Grunow) Cleve-Euler)

　特徴；胞紋は多角形で殻面全体に存在し，偏心的に配列する(312c)。
　　殻中心には小孔が密集し(312c中心部)、これらを胞紋が取り囲み
　　花が咲いたような模様となる（312a・b中心付近）。
　　周縁に行くに従い、胞紋の大きさは若干小さくなる。
　　この標本の周縁部の条線は若干不明瞭である（312c）。
　殻径；22.3μm
　胞紋密度；6-9.5/10μm
　中心小孔数；21
　中心小孔周りの胞紋数；7
　周縁部条線密度10-11/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 01-04
　(Thalassiosira antiqua (Grunow) Cleve-Euler)

　特徴；胞紋は周縁部で若干細かくなる。
　　殻中心には小孔が密集し(1890a中心部)、その周囲は7個の胞紋で囲まれる
　　(1890b)。
　　殻周縁には複数の環状突起が存在し、そのうちの1個が唇状突起の外側開
　　口部である(1890bの殻周縁部右上付近の斜め上に伸びる管状突起)。
　殻径；22.1μm
　胞紋密度；7.5-9.5/10μm
　中心小孔数；12
　中心小孔周りの胞紋数；7
　・採取地；新潟県中部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm