ステファノディスクス属03

参考文献；
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目
　(Thalassiosirales) ステファノディスクス科(Stephanodiscaceae) ステファノディスクス属(Stephanodiscus)
　ステファノディスクス属(Stephanodiscus)のうち以下の特徴を持つ分類群を紹介します。
　・殻は円形、殻面全体は隆起し、中心付近沈降する。
　・肋は殻周縁付近から中心に向かって放散状に伸び、殻中心付近の沈降部周縁まで伸び、中心まで達しない。
　・肋は1-2本おきに殻縁まで伸び、その末端には棘様の突起が存在する。
　・殻縁側末端が殻周縁に達しない肋には突起は認められない。
　・肋間には2-3本の胞紋列からなる条線が認められる。
　・殻周縁には少なくとも1つの楕円形の孔が認められ、これは殻端に達しない肋の延長上に存在する。
　・殻中心付近の沈降部の胞紋は弱い放散状の配列を持つ。
　この分類群はステファノディスクス属としていますが、ステファノディスクス属はキクロステファノス属の判別は
　光学顕微鏡では非常に困難です。この分類群も後者である可能性があります。
　このページに掲載されている標本は千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

　ステファノディスクス属 03-01 (Stephanodiscus sp.)

　特徴；殻面は円形、隆起し、中心付近は沈降する。
　　肋は殻周縁付近から中心に向って放散状に伸び、殻中心には達しない
　　（861a・b）。
　　殻周縁部で肋は1-2本おきに殻縁に達し、殻縁に達する肋の末端部には棘
　　様の突起が認められる（861b・c）。
　　殻縁に達しない肋には突起は認められないが、少なくとも1本の肋の延長上
　　の殻縁には1つの楕円形の孔が認められる（861b矢印）。これはおそらく
　　唇状突起と考えられる。
　　2本の隣り合う肋間には胞紋列からなる条線が2-3本認められる。
　　殻中心沈降部の胞紋は弱い放散状に配列する。
　殻径；25.7μm
　肋密度；4.5-7/10μm
　胞紋密度；中心付近：17.5-19.5/10μm　肋間の胞紋密度：19-20/10μm
　中心域径；12.0μm
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm