リレラ属01

参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) リレラ目(Lyrellales) リレラ科(Lyrellaceae)
　リレラ属(Lyrella)のうち、以下の特徴を持つものを掲載しています。
　・殻面は楕円形で殻端は鈍く尖り末端は丸まる。
　・殻面には縦溝両脇に三日月形の幅広い無紋域があり縦溝殻中心側端部間でつながりH字形となる。
　・条線は無紋域で途切れ、殻中心側と殻縁側ではつながらないように見える。
　・縦溝は殻中心側端部は雫形で終わり、殻端側端部は同方向に曲がり殻蓋へと続く。
　　このページに掲載されている標本は茨城県中部の堆積層から採取した個体です。

　リレラ属01-05 (Lyrella sp.)

　特徴；殻面は幅広い楕円形で殻端はごくわずかに尖る。
　　殻縁は丸みを帯び、殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　縦溝と殻縁の間には非常に幅広い三日月形の無紋域が長軸方向に
　　伸び、これらは殻端には達しない。
　　無紋域は殻中心でつながる。
　　条線は比較的短く胞紋列を伴い無紋域外側では放散状に配列する。
　　縦溝は殻中心側端部は雫状の孔を作って終わる。
　殻長；58.5μm<
　殻幅；40.0μm<
　条線密度；14.5-15.5/10μm
　胞紋密度；18-20.5/10μm
　・採取地；山形県村山地域(後期中新世-鮮新世の海成層？)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　リレラ属01-01 (Lyrella sp.)

　特徴；殻面は太めの披針形もしくは楕円形で、殻端はくさび形で末端は丸みを
　　帯びる。殻縁は丸みを帯び、殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　条線は胞紋列を伴い殻面を横切り、軸域にほぼ平行に走る笹の葉状の
　　無紋域によって途中で途切れる。条線はこの無紋域の内側では殻中心
　　付近は放散状に配列し、殻端に行くに従い収れん状配列となる。無紋域の
　　外側では殻中心付近では平行に配列し、殻端に行くに従い放散状配列へ
　　と移行する。
　　軸域はやや狭く、殻中央をまっすぐに走り、殻端で同方向に曲がる。
　　軸域内を走る縦溝は殻中心側端部は大きな孔を作って終わり、殻端では
　　軸域同様に同方向にかぎ状に曲がり、殻蓋へと続く（133b）。
　　笹の葉状の無紋域は長軸方向に若干弧を描くように曲がり、殻端には達し
　　ず、その中央が線状に若干へこむ。
　　中心域は両方の笹の葉状無紋域を結ぶように帯状に伸びる。
　殻長；45.9μm
　殻幅；23.3μm
　条線密度；14.5-15/10μm
　胞紋密度；20/10μm
　無紋域の幅；2.6μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　リレラ属01-02 (Lyrella sp.)

　特徴；殻面は太めの披針形で、殻端はくさび形で末端は丸みを帯びる。
　　殻縁は丸みを帯び、殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　条線は胞紋列を伴い殻面を横切り、軸域にほぼ平行に走る細長い三日月
　　形の無紋域によって途中で途切れる。条線はこの無紋域の内側では殻
　　中心付近は放散状に配列し、殻端に行くに従い収れん状配列となる。無
　　紋域の外側では殻中心付近では平行に配列し、殻端に行くに従い放散状
　　配列へと移行する。
　　軸域はやや狭く、殻中央をまっすぐに走り、殻端で同方向に曲がる。
　　軸域内を走る縦溝は殻中心側端部は大きな孔を作って終わり、殻端では
　　軸域同様に同方向に曲がり、殻蓋へと続く。
　　細長い三日月の無紋域は殻端には達しず、その中央は若干へこむ。
　　中心域は両方の笹の葉状無紋域を結ぶように帯状に伸びる。
　殻長；53.6μm
　殻幅；31μm
　条線密度；無紋域外側：12-13/10μm　無紋域内側：14-15/10μm
　胞紋密度；22-24/10μm
　無紋域の幅；最大5.4μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　リレラ属01-03 (Lyrella sp.)

　特徴；殻面は太めの披針形で、殻端はくさび形で末端は丸みを帯びる。
　　殻縁は丸みを帯び、殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　条線は胞紋列を伴い殻面を横切り、軸域にほぼ平行に走る三日月形の
　　無紋域によって途中で途切れる。条線はこの無紋域の内側では殻中心付
　　近は放散状に配列し、殻端に行くに従い収れん状配列となる。無紋域の
　　外側では殻中心付近では平行に配列し、殻端に行くに従い放散状配列へ
　　と移行する（135a）。
　　軸域は狭く、殻中央をまっすぐに走り、殻端で同方向に曲がる。
　　軸域内を走る縦溝は殻中心側端部は大きな孔を作って終わり、殻端では
　　軸域同様に同方向に曲がり、殻蓋へと続く（135a）。
　　三日月の無紋域は殻端には達しず、その中程は三日月形に凹み、特に
　　殻縁側の無紋域周縁部付近が顕著で、周縁部が弧状に畝を作るように
　　見える。
　　中心域は両方の笹の葉状無紋域を結ぶように帯状に伸びる。
　殻長；51.7μm
　殻幅；32.3μm
　条線密度；無紋域外側：13/10μm　無紋域内側：15/10μm
　胞紋密度；22-24/10μm
　無紋域の幅；最大9.8μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　リレラ属01-04 (Lyrella sp.)

　特徴；殻面は楕円形で殻端は鈍く尖り、末端は丸まる。
　　殻縁は丸みを帯び、殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　縦溝と殻縁の間には三日月形の無紋域が長軸方向に伸び、これらは
　　殻端には達しない。
　　殻中心で無紋域は縦溝端部間でつながる。
　　条線は胞紋列を伴う。
　　殻中心で両側の無紋域をつなぐように伸びる。
　　縦溝は殻中心側端部は少し広がって終わり、両殻端では同方向に曲がり
　　殻蓋へと続く。
　殻長；93.7μm
　殻幅；57.4μm
　条線密度；無紋域外側：7.5-8.5/10μm　無紋域内側：11-12/10μm
　胞紋密度；13-14/10μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。
　・2189-combは焦点深度合成写真です。