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　　このページではコシノディスクス亜門(Coscinodiscophytina)　コシノディスクス綱(Coscinodiscophceae)　
　コシノディスクス目(Coscinodiscales)　ロケラ科(Rocellaceae)　ロケラ属(Rocella)を紹介します。
　ロケラ属は漸新世から中新世に見られる絶滅分類群です。
　殻ロケラ属の殻面は中心の胞紋が大きく、周縁ではその径は減少します。殻内側には殻蓋に向かって伸びる
　枝分かれするリブ(rib)が存在します。

　ロケラ属 01-01 (Rocella sp.)

　特徴；殻は厚く、殻面は円形で平坦である。
　　胞紋は極めて大きく、円形で、個々に独立して存在し、その配列は規則性
　　を持たない。
　　殻周縁部の胞紋は若干サイズは小さくなる。
　　殻面外側の中心近くには、周りの胞紋と比べて明らかに小さな胞紋が1つ
　　認められる。
　　この標本は下記の参考文献のBarron(1985)のplate2-8・9とGladenkov
　　and Barron（1995）のplate1-3・7のRocella gelidaに様相が非常によく
　　似ている。
　殻径；25.2μm
　胞紋密度；1.5-2.5/10μm
　胞紋サイズ；中心付近：3.8-5.3μm　殻周縁部：2.3-3.2μm
　・採取地；北海道東部1-3(後期漸新世から前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　ロケラ属 01-02 (Rocella sp.)

　特徴；殻は厚く、殻面は円形で若干隆起する。
　　胞紋は円形で極めて大きく、個々に独立して存在し、それらの配列には
　　規則性は無い。
　　殻周縁部で胞紋は若干サイズが小さくなる。
　　殻面外側の中心近くには周りと比べて明らかに小さな胞紋が1つ存在
　　する（392a）。殻内側に焦点を合わせたとき、この小胞紋の隣には若干
　　隆起した楕円形の孔が存在する（392b）。後者の若干隆起した楕円形の
　　孔は唇状突起と考えられ、殻外側の開口部は存在しないように
　　見える（392a）。
　　殻内側には殻周縁から中心方向に向かって、殻の半径の約1/2の付近
　　まで太い肋様の構造が複数本伸びる（392b）。
　　殻内側から見た殻蓋の末端には、殻周縁から殻中心方向に伸びる帽子
　　のつば状の構造が環状に認められる。これはおそらくvalvocopulaと考え
　　られる（392c）。
　　この標本は下記の参考文献のBarron(1985)のplate2-8・9とGladenkov
　　and Barron（1995）のplate1-3・5・6・7・9・10・12のRocella gelida
　　もしくはR. semigelidaに様相が類似する。
　殻径；35.2μm
　胞紋密度；1.5/10μm
　胞紋サイズ；中心付近：4.0-4.9μm　殻周縁部：2.6-3.7μm
　・採取地；北海道東部1-3(後期漸新世から前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　ロケラ属01(Rocella sp.)
　　・円形で殻面は平坦で非常に厚い。
　　・殻面には極めて大きい胞紋が個々に独立して存在する。
　　・殻中心付近に他の胞紋より明らかに小さい胞紋がある。
　　・殻面内側の周縁部付近にはおおむね放散状に伸びる肋が認められる。

参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・Gladenkov, A. Y., and Barron J., A., 1995. Oligocene and early middle Miocene diatom biostratigraphy
　　of Hole 884.., Proceeding of the Ocean Drilling Program, Scientific Results, 145,21-41.
　・Barron, J. A., 1985. Late Eocene to Holocene diatom biostratigraphy of the equatorial Pacific Ocean,
　　Deep Sea Drilling Project Leg 85. Initial Reports of Deep Sea Drilling Project, 85, 413-456.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　ロケラ属 01-03 (Rocella sp.)

　特徴；殻帯面は横長の四角形で、殻面は平坦である。
　　殻蓋の胞紋は非常に大きく円形で、個々に独立して存在し、それらの配列
　　には規則性は無い。
　　殻帯面中央には比較的小さい胞紋が1列の環状に配列をする。この胞紋の
　　環状列はcopulaに属していると考えられる。
　殻径；37.6μm
　胞紋密度；殻帯面：2-2.5/10μm
　胞紋サイズ；殻帯面：2.1-3.1μm
　＊殻帯面中央の環状列の胞紋は除く
　・採取地；北海道東部1-3(後期漸新世から前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　ロケラ属 01-04 (Rocella sp.)

　特徴；殻面は円形で平坦、殻は厚い。
　　胞紋は極めて大きく、円形またはやや円形で、その大きさは殻中心付近
　　では極めて大きく、殻周縁に近づくと比較的小さくなる。
　　胞紋は個々に独立して存在し、その配列は規則性を持たない。
　　殻中心付近に他の胞紋とは焦点深度の異なる小さな孔が1個存在する。
　　この孔は殻内側に焦点を合わせると楕円形になり、唇状突起と考えられる。
　　殻内側の殻周縁部には中心に向って伸びるやや短い肋が存在し、殻中心
　　に近づくにつれ不明瞭となり殻中心には達しずに消滅する。
　殻径；70.4μm
　胞紋密度；1.0-2.0(殻周縁7.5-9.5)/10μm
　胞紋サイズ；4.2-11.0μm
　・採取地；北海道東部1-8(前期中新世の海成層)
　・封入剤；マウントメディア
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm