カンピロネイス属01

　カンピロネイス属01-01
　 (Campyloneis grevillei (Smith) Grunow＆Eulenstein)

　特徴；殻形は楕円形で、殻先端は丸みを帯び、殻は全体的に隆起する。
　　無縦溝殻の胞紋は大きく、軸域に接するものは横長に伸びた形をし、
　　殻縁の胞紋は四角形である（216b）。
　　胞紋列からなる胞紋列は放散状配列をする。
　　肋は太く、放散状に配列する（216a）。
　　2本の隣り合う肋間には胞紋列が2-3本認められる。
　　無縦溝殻の軸域は非常に狭く、殻中心付近で若干幅が広がる。
　　この標本は縦溝殻が観察できなかった。
　　216aは殻内側に、216bは無縦溝殻外側に焦点があっている。
　　この標本は山路(1979)と柳沢ほか（1989）のplate6-12のCampyloneis
　　　grevillei と様相が類似する。
　殻長；34.4μm
　殻幅；25.2μm
　胞紋列密度；6.5-7.5/10μm
　肋密度；3-3.5/10μm
　胞紋密度；6.5-7.5/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

参考文献；
　・南雲　保・鈴木秀和・佐藤晋也, 2018. 珪藻観察図鑑.　誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・山路　勇, 1979. 日本海洋プランクトン図鑑, 保育社.
　・柳沢ほか., 1989., 常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質.地質調査所月報,vol.40(8)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　カンピロネイス属01-02
　 (Campyloneis grevillei (Smith) Grunow＆Eulenstein)

　特徴；この標本は無縦溝殻のみである。
　　殻形は幅の広い楕円形で、殻端は丸まる。
　　殻面は殻周縁からドーム状に隆起し、軸域を中心に細長い披針形の凹部が
　　存在する。
　　軸域から左右交互に殻縁に向かって明瞭な肋が放散状に伸びる。
　　肋には幅広く明瞭で軸域にまで達する肋と、比較的幅が狭い肋があり、隣り
　　合う幅の広い肋間には幅の狭い短い肋が2-3本存在する。
　　また、幅の広い肋間には2-3本の胞紋列が存在する。
　　胞紋列も肋同様放散状に配列する。
　　無縦溝殻の軸域はやや狭い。
　　1729aは無縦溝殻内側に、1729ｃ・dは無縦溝殻外側に焦点があっている。
　　この標本は山路(1979)と柳沢ほか（1989）のplate6-12のCampyloneis
　　　grevillei と様相が類似する。
　殻長；41.3μm
　殻幅；31.1μm
　胞紋列密度；5.5-6.5/10μm
　肋密度；約2.5/10μm
　胞紋密度；7.5-8/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) アクナンテス目(Achnanthales)
　ココネイス科(Cocconeidaceae) カンピロネイス属(Campyloneis)のうち、C. grevilleiを掲載します。
　この分類群は主に以下の特徴を持ちます。
　・殻面は楕円形、先端の形は広円形で、殻面はドーム状に隆起し、軸域を中心に細い披針形に凹む。
　・殻面の構造は殻縁から延びる幅の広い肋と、軸から伸びる幅の狭く短い線状の肋と胞紋からなる。
　・軸域は長軸方向に伸びる幅の狭い線状である。
　・隣り合う幅の広い肋間には幅の狭い線状の肋は2-3本おきに軸域縁より外側で太い肋に移つる
　・胞紋は隣り合う肋間に2-3本の胞紋列を作る。
　これらの分類群は湖成層(北海道東部)から産出しました。
　山路(1979)によるとこの分類群は暖流系の沿岸域に生息します。