ネオデンティクラ属01

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) ネオデンティクラ属(Neodenticula) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は線形、細長い楕円形もしくは披針形で、殻先端は丸みを帯びる。
　・擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で枝分かれし、周縁肋を形成する。
　・光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　・basal ridge を伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）は認められない。
　・copulaの片側端部は開いている。
　この分類群はAkiba＆Yanagisawa(1986)、Yanagisawa＆Akiba (1990)のNeodenticula kamtschatica
　の記載と特徴が一致します。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部・千葉県房総半島・神奈川県東部三浦半島の堆積層から採取
　した個体です。

　ネオデンティクラ属01-06
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は幅広い線形で、殻端は尖らず丸まる。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で二股に枝分かれし、周
　　縁肋を形成する。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁(第二擬隔壁)は認められない。
　　擬隔壁は殻端で斜めに走る。
　　縦溝は擬隔壁が二股に枝分かれする側の殻縁を走る。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；13.5μm
　殻幅；4.5μm
　擬隔壁密度；約6.5/10μm
　周縁肋密度；約9.5/10μm
　・採取地；神奈川県東部三浦半島1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-08
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は細い楕円形で、殻端は丸みを帯びる。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で二股に枝分かれし、周
　　縁肋を形成する。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　縦溝は擬隔壁が二股に枝分かれする側の殻縁を走る。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；17.5μm
　殻幅；5.9μm
　擬隔壁密度；約5/10μm
　周縁肋密度；7.5-11.5/10μm
　・採取地；千葉県房総半島(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-07
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は細い楕円形である。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で二股に枝分かれし、周
　　縁肋を形成する。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　縦溝は擬隔壁が二股に枝分かれする側の殻縁を走る。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　　N. kamtschaticaに比べて擬隔壁密度・周縁肋密度がともに細かいことから、
　　Nitzschia rolandiiとの中間形態の可能性がある。
　殻長；15.3μm
　殻幅；4.7μm
　擬隔壁密度；約7.5/10μm
　周縁肋密度；10-10.5/10μm
　・採取地；神奈川県東部三浦半島1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

-----------------------------
バシラリア目(Bacillariales)　
　バシラリア科(Bacillariaceae)　
　　ネオデンティクラ属
　　　(Neodenticula)　
　　　01(N. kamtschatica)　
　　　02(N. koizumii)　
　　　03(N. seminae)　
　　　04　

　ネオデンティクラ属01-04
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は細い楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で二股に枝分かれし、周
　　縁肋を形成する（918c）。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　縦溝は擬隔壁が二股に枝分かれする側の殻縁を走る（918a）。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；14.5μm
　殻幅；5μm
　擬隔壁密度；5.5-6/10μm
　周縁肋密度；9-10/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-03
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は太めの線形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　basal ridgeを伴う擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で二股に枝分かれし、周
　　縁肋を形成する（915c）。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　光学顕微鏡観察では殻面には胞紋は認められない。
　　copulaは片側端部が開いており、胞紋は認められない（915a）。
　殻長；21.1μm
　殻幅；4.6μm
　擬隔壁密度；5-5.5/10μm
　周縁肋密度；9/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-02
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で枝分かれし、周縁肋を形成する。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；10.2μm
　殻幅；4.9μm
　擬隔壁密度；6/10μm
　周縁肋密度；9.5-10/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-01
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は丸みを帯びた披針形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で枝分かれし、周縁肋を形成する（916b）。
　　縦溝は擬隔壁が分岐する側の殻縁を走る（614c）。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；16.8μm
　殻幅；5.1μm
　擬隔壁密度；5/10μm
　周縁肋密度；8.5-9/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-11
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は細長い楕円形で行、殻端は丸まる。
　　擬隔壁はbasal ridgeを伴い、片側殻縁でほとんどの場合二股に
　　枝分かれる。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；14.6μm
　殻幅；4.2μm
　擬隔壁密度；5-5.5/10μm
　周縁肋密度；9.5-11/10μm
　・採取地；千葉県房総半島(後期中新世～鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

参考文献；
　・Akiba, F. and Yanagisawa, Y., 1986. Taxonomy, morphorogy and phylogeny of the Neogene diatom
　　zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North Pacific. Inicial Reported of
　　the Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F.,1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　ネオデンティクラ属01-05
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は細い楕円形か線形で、殻端はは尖らずに丸まる。
　　両殻縁は平行ではない。
　　擬隔壁は殻を横切り、片側殻縁で二股か三股に枝分かれし、周
　　縁肋を形成する。
　　縦溝は周縁肋を有する側の殻縁を走る。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；14.2μm
　殻幅；3.5μm
　擬隔壁密度；6-6.5/10μm
　周縁肋密度；約9.5/10μm
　・採取地；神奈川県東部三浦半島1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-10
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は細長い楕円形で行、殻端は丸まる。
　　擬隔壁はbasal ridgeを伴い、概ね等間隔で並び、片側殻縁で二股に
　　枝分かれる。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；14.6μm
　殻幅；4.7μm
　擬隔壁密度；5.5-6/10μm
　・採取地；千葉県房総半島(後期中新世～鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ネオデンティクラ属01-09
　（Neodenticula kamtschatica (Zabelina) Akiba＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は線形で両殻縁は平行、殻端は丸まる。
　　擬隔壁はbasal ridgeを伴い、殻を横切り、片側殻縁でほとんどの場合
　　二股に枝分かれる。
　　basal ridge を伴わない擬隔壁は認められない。
　　光学顕微鏡観察では胞紋は認められない。
　殻長；11.5μm
　殻幅；3.3μm
　・採取地；千葉県房総半島(後期中新世～鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。