トラキネイス属03

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) ナビクラ目(Naviculales) ナビクラ科
　(Naviculaceae) トラキネイス属(Trachyneis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は丸味を帯びた菱形で、殻端と殻縁は丸味を帯び、殻全体は弱く「く」の字に曲がる。
　・条線は横長の胞紋列からなり、殻を通して放散状に配列する。
　・軸域は非常に狭いかほとんどなく、中心域は蝶ネクタイ状である。
　・縦溝は殻中心側端部は孔を作り、殻端側では殻蓋にかけてフック状に曲がる。
　このページに掲載されている標本は山形県村上地域、茨城県中部の海成堆積層から採取した個体です。

　トラキネイス属03-02 （Trachyneis sp.）
　
　特徴；殻面は幅が広く丸みを帯びた菱形で、殻端と殻縁は丸みを
　　帯びる。
　　殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　殻は緩やかに「く」の字に曲がる。
　　条線は横長の胞紋からなる胞紋列で、殻を通して放散状に配列し、
　　これらは殻蓋まで連続して伸びる。
　　縦溝は殻中心側殻端は孔を作り、殻端では殻蓋にかけてフック
　　状に曲がる。
　　軸域は非常に狭く、中心域は蝶ネクタイ状で殻縁には達しない。
　殻長；79.0μm
　殻幅；38.0μm
　胞紋列密度；7-7.5/10μm
　胞紋密度；4.5/10μm
　・採取地；山形県村上地域(中新世～鮮新世？の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。
　・2060-combは焦点深度合成写真です。

　トラキネイス属03-01 （Trachyneis sp.）
　
　特徴；殻面は幅が広く丸みを帯びた菱形で、殻縁は丸みを
　　帯びて殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
　　殻は緩やかに「く」の字に曲がる。
　　殻蓋は比較的深い(1486b)。
　　条線は横長の胞紋からなる胞紋列からなり、殻を通して放散
　　状に配列し、これらは殻蓋にまで伸びる。
　　縦溝は殻中心側殻端は孔を作り、殻端では殻蓋にかけてフック
　　状に曲がる。
　　軸域は非常に狭く、中心域は蝶ネクタイ状で殻縁付近で終わ
　　り、殻蓋までは伸びない。
　殻長；92.7μm
　殻幅；36.7μm
　胞紋列密度；5.5-6.5/10μm
　胞紋密度；4-4.5/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au