ディクチオカ属１

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その5

　特徴；基環は丸みを帯びた菱形。
　　　　基環の各辺は短軸寄りの部分で内側にへこむ。
　　　　基環には基棘は認められない。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって先の尖った放射棘が伸びる。
　　　　基環の凹部から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　隣り合う2つの基支柱の交点と、もう一組の隣り合う2つの基支柱の
　　　　交点は直線状の中心柱で繋がる。
　　　　中心柱の伸びの方向は基環の短軸方向である。
　　　　中心柱は基支柱よりも長い。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＜基環の幅
　　　　基窓は長軸頂点側が短軸頂点側より広い。
　　　　基環表面は瘤状の小さな突起が複数存在する。
　　　　第四紀の海成堆積層から産出した。
　　　　上記の「ディクチオカ属その4」と特徴が類似するが、
　　　　　・基棘が認められないこと
　　　　　・基支柱と中心柱の幅が基環の幅のおおよそ1/2であること
　　　　　・基支柱の起点がかなり短軸側に寄っていること
　　　　以上の点で異なる。

　個体番号3-5-1
　　　・採取地；千葉県東部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その4

　特徴；基環は丸みを帯びた菱形．
　　　　基環の各辺は短軸寄りの部分で内側にへこむ。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって先の尖った放射棘が伸びる。
　　　　長軸側の頂点の放射棘は短軸の物よりも長い。
　　　　基環の凹部から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　隣り合う2つの基支柱の交点と、もう一組の隣り合う2つの基支柱の
　　　　交点は直線状の中心柱で繋がる。
　　　　中心柱の伸びの方向は基環の短軸方向である。
　　　　中心柱は基支柱よりも長い。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＜基環の幅
　　　　基窓は長軸頂点側が短軸頂点側より広い。
　　　　各基支柱の基部付近から短い基棘が内側に向かって存在する。
　　　　基環表面は瘤状の小さな突起が複数存在する。
　　　　第四紀の海成堆積層から産出した．
　　　　上記の「ディクチオカ属その3」と特徴が類似するが、
　　　　・基支柱と中心柱の幅が基環の幅より狭い。
　　　　・基環表面に瘤状の小さな突起が複数ある。
　　　　・基棘が存在する。
　　　　以上の点が異なる。

　個体番号3-4-1
　　　・採取地；千葉県東部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　　ディクチオカ属は多角形の外骨格である基環・基環から外側に伸びる
　放射棘・基環から内側に伸びる基支柱・基支柱同士をつなぐ中心柱
　もしくは頂環などから構成されます。
　　このサイトではディクチオカ属を3つのページに分けて掲載しています。
　各ページに掲載されている標本は以下の特徴で分けています。

　ディクチオカ属１；本ページ
　　・頂窓が無い（基支柱をつなぐのは中心柱）。
　　・中心柱が1本の直線である。

　ディクチオカ属２；
　　・頂窓がない（基支柱をつなぐのは中心柱）。
　　・中心柱が1本の直線ではなく、屈曲する。

　ディクチオカ属３；「ディステファヌス属(Distephanus)」
　　・頂窓がある（基支柱をつなぐのは頂環）。

　　ディクチオカ類は「輝くシリカの部屋」でも掲載しています。
　「輝くシリカの部屋」は暗視野コンデンサーを用いて撮影した珪質の殻を
　もつ微生物の写真集となっています。こちらもぜひご覧ください。

ディクチオカ類の
　　　　　　　部屋一覧

　　ディクチオカ目
　　　ディクチオカ科
　　　・バクマンノケナ属
　　　・ディクチオカ属１
　　　　　　　　（本ページ）
　　　・ディクチオカ属２
　　　・ディクチオカ属３

　　　？科（不明）
　　　・コルビセマ属

参考文献；
　　・Bolli, Saunders, and Perch-Nielsen, 1989, Plankton Stratigraphy volume2, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS
　　・David Bukry, 1987, Eocene siliceous and Calcareous phytoplankon, Deep Sea Drilling Project Leg 95.
　　・Carmelo R. Tomas, 1997, Identifying Marine Phytoplankton, Academic Press
　　・千原光雄・村野正昭, 1997, 日本産海洋プランクトン検索図説, 東海大学出版会
　　・日本の海産プランクトン図鑑，2011，岩国ミクロ生物館；共立出版
　　・柳沢ほか, 1989，常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質
　　　地質調査所月報第40巻8号405-476pp

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その2

　特徴；基環は正方形。
　　　　基環の各辺の中央付近で内側にへこむ。
　　　　基環には基棘は認められない。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって長く太い放射棘が伸びる。
　　　　基環の凹部から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　隣り合う2つの基支柱の交点と、もう一組の隣り合う2つの基支柱の
　　　　交点は直線状の中心柱で繋がる。
　　　　中心柱と基支柱の長さは同じくらいである。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＝基環の幅
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号3-2-1
　　　・採取地；千葉県東部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その1

　特徴；基環は丸みを帯びた菱形。
　　　　基環の各辺は長軸寄りの部分で内側にへこむ。
　　　　基環には基棘は認められない。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって長く太い放射棘が伸びる。
　　　　長軸側の頂点の放射棘は短軸の物よりも長い。
　　　　基環の凹部から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　隣り合う2つの基支柱の交点と、もう一組の隣り合う2つの基支柱の
　　　　交点は直線状の中心柱で繋がる。
　　　　中心柱の伸びの方向は基環の長軸方向である。
　　　　中心柱は基支柱よりも長い。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＜基環の幅
　　　　基窓は短軸頂点側のものが長軸頂点側の物よりも明らかに広い。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号3-1-1
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その6 （Dictyocha medusa Haeckel)

　特徴；基環はやや丸みを帯びた菱形。
　　　　基環の各辺はほぼ中央付近で内側にへこむ。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって先の尖った放射棘が伸びる。
　　　　長軸側の頂点の放射棘は短軸の物よりも長い。
　　　　基環の凹部から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　4本の基支柱は一点で交わる。この交点の構造を「プレート」という。
　　　　基支柱の幅＝基環の幅
　　　　基窓は短軸頂点側が長軸頂点側よりやや広い。
　　　　各基支柱の基部付近から短い基棘が内側に向かって存在する。
　　　　基環表面は瘤状の小さな突起が複数存在する。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号3-6-1
　　　・採取地；茨城県中部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その3

　特徴；基環は丸みを帯びた菱形。
　　　　基環の各辺は短軸寄りの部分で内側にへこむ。
　　　　基環には基棘は認められない。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって先の尖った放射棘が伸びる。
　　　　長軸側の頂点の放射棘は短軸の物よりも長い。
　　　　基環の凹部から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　隣り合う2つの基支柱の交点と、もう一組の隣り合う2つの基支柱の
　　　　交点は直線状の中心柱で繋がる。
　　　　中心柱の伸びの方向は基環の短軸方向である。
　　　　中心柱は基支柱よりも長い。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＝基環の幅
　　　　基窓は短軸頂点側のものが長軸頂点側の物よりも明らかに広い。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号3-3-1
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野