ディクチオカ属３

参考文献；
　　・Bolli, Saunders, and Perch-Nielsen, 1989, Plankton Stratigraphy volume2, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS
　　・David Bukry, 1987, Eocene siliceous and Calcareous phytoplankon, Deep Sea Drilling Project Leg 95.
　　・Carmelo R. Tomas, 1997, Identifying Marine Phytoplankton, Academic Press
　　・千原光雄・村野正昭, 1997, 日本産海洋プランクトン検索図説, 東海大学出版会
　　・日本の海産プランクトン図鑑，2011，岩国ミクロ生物館；共立出版
　　・柳沢ほか, 1989，常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質
　　　地質調査所月報第40巻8号405-476pp

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その10

　特徴；基環は六角形。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって長く太い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺の中央付近から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　頂環の形は六角形の環状である。
　　　　各基支柱は頂環の各頂点に接続する。
　　　　頂窓は複数の区画に分かれる（左の標本は3つの区画）。
　　　　頂環の幅＝基支柱の幅＝基環の幅
　　　　基環上の基支柱基部とは異なる位置に太く短い基棘が認められる。
　　　　6つの基窓の大きさはおおよそ同じである。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号5-1-1
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その13

　特徴；基環は八角形。
　　　　基環の各辺は中央で若干内側にへこむ。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって太く長い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺中央付近から内側に向かって非常に短い基支柱が1本ずつ伸びる。
　　　　頂環の形は八角形で、基窓は非常に大きい。
　　　　各基支柱は頂環の各頂点に接続する。
　　　　頂環の幅＝基支柱の幅＝基環の幅
　　　　基窓は非常に狭い。
　　　　基環には基支柱基部とは異なる位置から非常に短い基棘が内側に向かって
　　　　伸びる。
　　　　第四紀の海成堆積層から産出した．

　個体番号5-4-1a・b
　　　・採取地；千葉県東部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その11

　特徴；基環は六角形。基環の各辺の中央付近が内側にへこむ。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって長く太い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺の中央付近から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　隣り合う一組の基支柱は1点で交わり、中心柱のような構造を作る。
　　　　この中心柱様構造と残り4本の基支柱は小さな五角形の頂環の各頂点で
　　　　頂環と接続する。
　　　　頂環の幅＝基支柱の幅＝基環の幅
　　　　基環上の基支柱基部とは異なる位置に太く短い基棘が認められる。
　　　　基窓の大きさはまちまちである。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した．

　個体番号5-2-1
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

ディクチオカ類の
　　　　　　　部屋一覧

　　ディクチオカ目
　　　ディクチオカ科
　　　・バクマンノケナ属
　　　・ディクチオカ属１
　　　・ディクチオカ属２
　　　・ディクチオカ属３
　　　　　　　　（本ページ）

　　　？科（不明）
　　　・コルビセマ属

　　ディクチオカ属は多角形の外骨格である基環・基環から外側に伸びる
　放射棘・基環から内側に伸びる基支柱・基支柱同士をつなぐ中心柱
　もしくは頂環などから構成されます。
　　このサイトではディクチオカ属を3つのページに分けて掲載しています。
　各ページに掲載されている標本は以下の特徴で分けています。

　ディクチオカ属１；
　　・頂窓が無い（基支柱をつなぐのは中心柱）。
　　・中心柱が1本の直線である。

　ディクチオカ属２；
　　・頂窓がない（基支柱をつなぐのは中心柱）。
　　・中心柱が1本の直線ではなく、屈曲する。

　ディクチオカ属３；本ページ
　　文献によっては「ディステファヌス属(Distephanus)」と
　　記載されているが、このサイトではディクチオカ属を用いる。
　　・頂窓がある（基支柱をつなぐのは頂環）。

　　ディクチオカ類は「輝くシリカの部屋」でも掲載しています。
　「輝くシリカの部屋」は暗視野コンデンサーを用いて撮影した珪質の殻を
　もつ微生物の写真集となっています。こちらもぜひご覧ください。

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その12

　特徴；基環は縦長の八角形。
　　　　基環の長軸方向の2頂点から太く長い放射棘、他の頂点からは比較的
　　　　短い放射棘が伸びる。
　　　　基支柱は基環の一辺置きに辺の中央付近から内側に向かって伸びる
　　　　（基支柱は1個体に4本）。
　　　　頂環の形は外側は四角形、内側は円形である。
　　　　各基支柱は頂環の各頂点に接続する。
　　　　頂環の幅＝基支柱の幅＝基環の幅
　　　　基棘は基支柱の無い基環の片の中央付近に非常に短いものが内側に
　　　　向かって伸びる。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した．

　個体番号5-3-1a・5-3-2a
　　　・採取地；茨城県中部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その14 （Dictyocha sp.）
　　Synonym : Distephanus speculum var. octonarius (Ehrenberg) Jorgensen,
　　　　　　　　　Octactis pulchra Schiller

　特徴；基環は八角形または九角形。
　　　　基環の各辺は中央で若干内側にへこむ。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって細く長い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺中央付近から内側に向かって非常に短い棘状の基支柱が
　　　　1本ずつ伸びる。
　　　　頂環は基環と同形の非常に細い糸状である。
　　　　頂環は欠損することがある。
　　　　頂環の各辺の中央付近には短い頂棘が認められることがある。
　　　　各基支柱は頂環の各頂点に接続する。
　　　　基窓は非常に狭く、頂窓は非常に広い。
　　　　このサイトの標本は現生の太平洋と瀬戸内海で採取した。

　個体番号5-5-1・5-5-2
　　　・採取地；瀬戸内海（大阪府南部・兵庫県南部）・太平洋（茨城県北部）
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野