ディクチオカ属２

ディクチオカ属 02-01 (Dictyocha pentagona (Schulz) Bukry＆Foster)

　特徴；基環は五角形。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって長く太い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺から内側に向かって基支柱が1本ずつ伸びる。
　　　　基支柱の基部は各辺の中央ではなく、どちらかの頂点側による。
　　　　基支柱は基環の内側で中心柱に接続する。
　　　　ある基支柱と中心柱との交点が他の基支柱との交点となる場合がある。
　　　　中心柱は長さの中ほどで曲がった一本の線状である。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＜基環の幅
　　　　基環上の基支柱基部とは異なる位置に太く短い基棘が認められる。
　　　　5つの基窓の大きさは一定ではない。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号4-1-1
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

　　このページではディクチオカ藻綱 (Dictyochophyceae) ディクチオカ目(Dictyochales) ディクチオカ科
　(Dictyochaceae) ディクチオカ属（Dictyocha）のうち以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・多角形の基環と放射棘を持ち、基環から伸びる基支柱は中心柱で終わる。
　・中心柱は複数本が繋がる形状である。
　・頂窓がない。

ディクチオカ属 02-03

　特徴；基環は正六角形。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって長く太い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺から内側に向かって基支柱が1本伸びる。
　　　　基支柱の基部は各辺の中央ではなく、どちらかの頂点側による。
　　　　隣り合う2つ基支柱の交点と他の2組の隣り合う基支柱の交点は三叉の
　　　　中心柱で結ばれる。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＜基環の幅
　　　　基環各辺の基支柱基部とは異なる位置に太く短い基棘が認められる。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。
　　　　この標本は、上記のDictyocha 属02-02と特徴が類似する以下の点が異なる。
　　　　　・中心柱が三叉である。
　　　　　・基支柱が全ての基環の辺に存在する。
　　　　　・基環の形が正六角形である。

　個体番号4-3-1
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

ディクチオカ属 02-02

　特徴；基環は縦長の六角形。
　　　　基環の各頂点からは外側に向かって尖った太い放射棘が伸びる。
　　　　基環の各辺から内側に向かって基支柱が1本伸びるが、基支柱が存在しない
　　　　辺もある。
　　　　基支柱の基部は各辺の中央ではなく、どちらかの頂点側による。
　　　　基支柱は基環の内側で中心柱に接続する。
　　　　中心柱は曲がった一本の線状である。
　　　　中心柱の幅＝基支柱の幅＜基環の幅
　　　　基環上の基支柱基部とは異なる位置に太く短い基棘が認められる。
　　　　新第三紀の海成堆積層から産出した。

　個体番号4-2-1・4-2-2
　　　・採取地；茨城県北部；海成層
　　　・封入；カナダバルサム
　　　・撮影倍率；×1000
　　　・コンデンサー；明視野

参考文献；
　　・Bolli, Saunders, and Perch-Nielsen, 1989, Plankton Stratigraphy volume2, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS
　　・David Bukry, 1987, Eocene siliceous and Calcareous phytoplankon, Deep Sea Drilling Project Leg 95.
　　・Carmelo R. Tomas, 1997, Identifying Marine Phytoplankton, Academic Press
　　・千原光雄・村野正昭, 1997, 日本産海洋プランクトン検索図説, 東海大学出版会
　　・日本の海産プランクトン図鑑，2011，岩国ミクロ生物館；共立出版
　　・柳沢ほか, 1989，常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質
　　　地質調査所月報第40巻8号405-476pp