ディチルム属Top

参考文献；
　・千原・村野,1997. 日本産海洋プランクトン検索図説, 東海大学出版.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　ディチルム属 01-01　(Ditylum brightwellii (West) Grunow)

　殻径；25.4-25.9μm
　殻高；30.2-35.1μm
　条線密度；11-12.5/10μm
　胞紋密度；10-12.5/10μm
　殻周縁部刺毛密度；4-4.5/10μm
　管状突起長；54.2-62.7μm
　特徴；殻帯面は四角形で、殻面中心から明瞭で太く
　　長い管状突起が殻面に対して垂直に真直ぐに伸び
　　る。
　　殻面と殻蓋の境界は明瞭である。
　　殻帯面には縦長の楕円形の胞紋が高さ方向に伸
　　びる胞紋列を作る。
　　殻周縁にはほぼ等間隔に刺毛が存在する。
　　これらは千原・村野(1997)のDitylum brightwelliiと
　　特徴が一致する。
　・採取地；大阪府南部淡輪海水浴場（瀬戸内海）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　リソデスミウム亜綱(Lithodesmiophycidae) リソデスミウム目(Lithodesmiales) リソデスミウム科
　(Lithodesmiaceae) ディチルム属(Ditylum)の画像を紹介します。
　ディチルム属は海生の浮遊性珪藻です。
　ディチルム属の殻は顕微鏡下ではたいてい殻帯面を向いており、その形は四角形です。
　1組2枚の殻それぞれの殻中心から明瞭で太く長い棘が真直ぐに伸びています。
　殻面の外形はたいていは三角形です。

ディチルム属01（Ditylum brightwellii）
　・殻帯面観は四角形で、殻面観は三角形である。
　・殻中心からは太く長い管状突起がまっすぐに伸びる。
　・殻周縁にはやや長い刺毛がおおむね等間隔で並ぶ。
　・殻面の胞紋は楕円形または円形で、殻中心から放散状に配列する。

　ディチルム属 01-02　(Ditylum brightwellii (West) Grunow)

　殻径；48.1μm
　胞紋密度；16-17.5/10μm
　殻周縁部刺毛密度；5.5-8/10μm
　管状突起長；31.3μm
　特徴；殻帯面は横長の四角形で、殻面中心から明瞭
　　で太く長い管状突起が殻面に対して垂直に真直ぐ
　　に伸びる。
　　殻面と殻蓋の境界は明瞭で、殻面は波打つ。
　　殻帯面には縦長の楕円形の胞紋が高さ方向に伸
　　びる胞紋列を作る。
　　殻周縁には刺毛が存在する（上の写真）。
　　これらは千原・村野(1997)のDitylum brightwelliiと
　　特徴が一致する。
　・採取地；大阪府南部淡輪海水浴場（瀬戸内海）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ディチルム属 01-03　(Ditylum brightwellii (West) Grunow)

　殻径；70.1μm
　条線密度；殻蓋 8.5-9.5/10μm
　胞紋密度；殻面中心付近 3.5-4/10μm
　　　　　　　　殻周縁付近 8-10/10μm
　　　　　　　　殻蓋 8.5-10/10μm
　特徴；殻面は三角形で、各頂点は尖り、各辺は若干
　　中心寄りに湾曲する。
　　殻面観の外形も三角形で、各頂点は丸みを帯びる。
　　殻中心には管状突起が存在する（上の写真）。
　　殻面と殻蓋の境界は明瞭で、殻面は2-3回波打つ。
　　殻面の胞紋は殻中心付近では楕円形で、殻周縁付
　　近では円形である。
　　殻蓋の胞紋は円形で、胞紋列を作り、平行に配列す
　　る（下の写真）。
　・採取地；大阪府南部淡輪海水浴場（瀬戸内海）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×500
　・スケールバーは白抜き線は50μm