エンキオネマ属01-01 (Encyonema sp.)

　特徴；殻形は片側殻縁はほぼ直線状、もう片側殻縁は弧状に湾曲し、背腹性を
　　持つ細い三日月形で、先端はくさび形である。
　　胞紋は縦長の円形で細かい。
　　胞紋列を伴う条線は殻中央では弱い放散状で、殻端では収れん状となり、条線
　　密度は殻端に近づくにつれ徐々に細かくなる。また、背側と腹側では若干密度
　　が異なる。
　　軸域はやや広く、縦溝を伴って腹側縁やや内側を殻縁に沿って走る（227b）。
　　縦溝の殻中心側端部は若干背側に曲がって終わる。
　　縦溝の殻端側端部は腹側に約70度曲がって殻蓋へと続く（227a）。
　　この標本は渡辺（2005）のEncyonema mesianumの記載と一致する点が多い。
　殻長；50μm<
　殻幅；12.4μm
　条線密度；背側：6.5-8.0(殻端 8.5-10.5)/10μm
　　　　　　　　腹側：7.5-8.5(殻端10.5-11)/10μm
　胞紋密度；背側：17.5-19/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) キンベラ目(Cymbellales) キンベラ科
　(Cymbellaceae) エンキオネマ属(Encyonema)のうち、以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・比較的大型で、殻面は腹側殻縁が直線状、背側殻縁が弧状に曲がる三日月形である。
　・条線密度は比較的粗く、条線配列はおおむね弱い放散状である。
　・軸域は比較的広い。
　・縦溝は腹側殻縁に寄った位置に直線状に走り、殻中心側端部は背側に若干曲がって終わり、
　　殻端側端部は腹側に強く折れ曲がる。
　このページに掲載されている標本は千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・渡辺仁治, 2005. 淡水珪藻生態図鑑, 内田老鶴圃.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

ページ作成および更新情報
　作成日：2020.02.15
　最終更新：2020.02.15