ヘミディスクス属01

　ヘミディスクス属 01-02 （Hemidiscus cuneiformis Wallich）

　特徴；殻面は半円形もしくはみかんの一房状で、大きく湾曲する弧状の殻縁側
　　は若干膨出する直線状の殻縁側よりも厚みがあり、直線状の殻縁側に行くに
　　従い徐々に厚みが減少する。
　　湾曲する殻縁側の殻面と殻蓋の境界は丸みを帯びる。
　　胞紋は殻面大部分では放散状に配列し、若干膨出する直線状の殻縁付近
　　のみ偏心的な配列となる。
　　殻周縁部には胞紋よりも大きく、周縁を環状の細い畝で囲まれた孔が複数存
　　在し、これらは殻縁辺に沿って配列する。これは唇状突起の外側開口部で
　　ある。
　　直線状の殻縁の中央付近の唇状突起の配列上に1つの大きな半円形の凹
　　みが認められる（230c矢印）。これは擬結節で凹み内には複数の胞紋が認
　　められる。
　殻長；47.6μm
　殻幅；27.7μm
　胞紋密度；中心付近：8-9/10μm　殻周縁付近：12-15/10μm
　唇状突起間距離；7.38-8.29μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・Tomas, C. R., 1997. Identifying marine phytoplankton., Academic press.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　　コシノディスクス亜門(Coscinodiscophytina)　コシノディスクス綱(Coscinodiscophceae)　コシノディスクス目
　(Coscinodiscales)　ヘミディスクス科(Hemidiscaceae)　ヘミディスクス属(Hemidiscus)の
　Hemidiscus cuneiformisを掲載しています。
　この分類群はは以下のような特徴を持ちます。
　・殻面は左右非対称で、片側は直線状で、他方は強く湾曲する殻縁を持ち、太い三日月形で、殻全体の形は
　　みかんの一房の形である。
　・湾曲する殻縁側は殻面と殻蓋の境界は丸みを帯びる。
　・直線状の殻縁側の中央付近には1つの大きな円形のくぼみが認められる。この窪み内には複数の
　　胞紋が認められる。
　このページのに掲載されている標本は下記の参考文献のTomas（1997）に記載されているHemidiscus
　cuneiformisと特徴が一致しています。

　ヘミディスクス属 01-04 （Hemidiscus cuneiformis Wallich）

　特徴；殻面は半円形もしくはみかんの一房状で、強く湾曲する弧状の殻縁側
　　は若干膨出するやや直線状の殻縁側よりも厚みがあり、やや直線状の殻
　　縁側に行くに従い徐々に厚みが減少する。
　　強く湾曲する殻縁側の殻面と殻蓋の境界は丸みを帯びる。
　　胞紋は殻面大部分では放散状に配列するが、殻縁付近は偏心的な配列、
　　中心付近では同心円状の配列となる。
　　殻周縁部には胞紋よりも大きい孔が複数存在し、これらは殻縁辺に沿って
　　配列する。これは唇状突起の外側開口部である。
　　やや直線状の殻縁の中央付近の唇状突起の配列よりやや内側に1つの大
　　きな円形の凹みが認められる。これは擬結節で、焦点深度によっては1つの
　　大きな孔として観察されたり（680d矢印）、複数の小孔の集合体として
　　観察される（680b）。
　殻長；71.8μm
　殻幅；42.4μm
　胞紋列密度；8-10.5/10μm
　胞紋密度；中心付近：5.5-6/10μm　殻周縁付近：9-12/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　ヘミディスクス属 01-01 （Hemidiscus cuneiformis Wallich）

　特徴；殻面は半円形で、湾曲する殻縁側は直線状の殻縁側よりも厚みが
　　あり、直線状の殻縁側に行くに従い徐々に厚みが減少する。
　　湾曲する殻縁側の殻面と殻蓋の境界は丸みを帯びる。
　　胞紋は殻面大部分では放散状に配列し、直線状の殻縁付近のみ偏心的
　　な配列となる。
　　殻周縁部には胞紋よりも大きく、周縁を環状の細い畝で囲まれた孔が複数
　　存在し、これらは殻縁辺に沿って配列する。これは唇状突起の外側開口部
　　である。
　　直線状の殻縁の中央付近、唇状突起の配列よりやや内側に1つの大きな
　　円形の凹みが認められる。これは擬結節で凹み内にはいくつかの胞紋が認
　　められる。
　殻長；49.3μm
　殻幅；36μm
　胞紋密度；中心付近：9.5-10.5/10μm　殻周縁付近：16-19/10μm
　唇状突起間距離；8.2-10.7μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　ヘミディスクス属 01-03 （Hemidiscus cuneiformis Wallich）

　特徴；殻面は半円形もしくはみかんの一房状で、強く湾曲する弧状の殻縁側
　　は若干膨出する直線状の殻縁側よりも厚みがあり、このやや直線状の殻縁
　　側に行くに従い徐々に厚みが減少する。
　　強く湾曲する殻縁側の殻面と殻蓋の境界は丸みを帯びる。
　　胞紋は殻面大部分では放散状に配列し、殻周縁付近では偏心的な配列
　　となる。
　　殻周縁部には胞紋よりも若干大きい孔が複数存在し、これらは殻縁辺に
　　沿って配列する。これは唇状突起の外側開口部である。
　　やや直線状の殻縁の中央付近の唇状突起の配列よりやや内側に1つの
　　大きな円形の凹みが認められる。これは擬結節で、焦点深度によって
　　1つの大きな孔として観察されたり（911c矢印）、複数の小孔の集合体と
　　して観察される（911a矢印）。
　殻長；61.4μm
　殻幅；38.6μm
　胞紋密度；中心付近：5.5-6.5/10μm　殻周縁付近：12.5-15.5/10μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm