キクロテラ属03

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目
　(Thalassiosirales) ステファノディスクス科(Stephanodiscaceae) キクロテラ属(Cyclotella)のうち、
　以下の特徴を持つものを紹介します。
　・殻は円形で、中心域は殻径の1/2以下である。
　・中心域には円形の胞紋が散在し、配列に規則性は無い。
　・中心域の外側から殻縁にかけて条線が放散状に配列する。
　・殻内側の周縁部には短い肋が放散状にほぼ等間隔に存在する。
　この分類群の特徴は、下記の参考文献渡辺(2005)のCyclotella lacunarumと様相が類似して
　いますが、中心域の大きさが異なります。また、Krammer&Lange-Bertalot(2004)のC. comtaで中心域
　の胞紋の配列が不規則な個体と特徴が一致します。
　このページに掲載されている標本は千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

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タラシオシラ目
　(Thalassiosirales)
　ステファノディスクス科　
　　(Stephanodiscaceae)　
　　キクロテラ属(Cyclotella)
　　　珪藻統合06(C. litoralis)　
　　　珪藻統合01
　　　　(C. meneghiniana)
　　　03　
　　　04(C. iris)　

　キクロテラ属 03-01 （Cyclotella sp.)

　特徴；殻面は円形で、中心域は殻径の1/2以下である。
　　中心域には円形の胞紋が散在し、配列には規則性は無い（271b）。
　　条線は中心域の外側から殻周縁にかけて放散状に配列する。
　　殻内側観の殻周縁には短い肋が放散状にほぼ等間隔に配列する（271a）。
　　殻内側の殻蓋内側には小さな構造物が認められる（271a矢印）。
　　殻内側間では殻中心と殻周縁の中間付近に比較的大きい唇状突起が1個
　　認められる(271a)。
　　271aは殻内側観、271bは殻外側観である。
　殻径；14.5μm
　条線密度；14-15/10μm
　周縁肋密度；5-6/10μm
　胞紋密度；11-12/10μm
　中心域の径；6.5μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　　・Krammer, K. and Lange-Bertalot, H. 2004. Bacillariophyceae. Teil 3. Centrales, Fragilariaceae,
　　　Eunotiaceae. Susswasserflora von Mitteleuropa, Spektrum Akademischer Verlad Heidelberg.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　　・渡辺仁治, 2005., 淡水珪藻生態図鑑., 内田老鶴圃.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au