エピセミア属05

　エピセミア属 F05-02　(Epithemia sp.)

　殻長；37.9μm
　殻幅；9.0μm
　肋密度；4-6/10μm
　条線密度；16-6.5/10μm
　胞紋密度；15.5-17/10μm
　特徴；殻面の腹側殻縁はほぼ直線状、背側殻縁は弧状に湾曲し、殻端付近で背側に強く反り返り、
　　末端は丸みを帯びる。
　　殻縁は背側では丸みを帯びる。
　　肋は殻を背側殻縁から腹側殻縁まで横断するものと背側から伸び途中で終わる未発達なものがある。
　　肋と条線はおおむね平行に配列し、隣り合う2本の肋間には条線が2-5列存在する。
　　条線は円形の胞紋からなる胞紋列を伴う。
　　縦溝は腹側殻縁沿いを走り、殻中心付近で背側に弧を描くように曲がり、腹側殻縁から殻幅の1/3程度
　　の位置で終わる。
　・採取地；北海道東部2(湖成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) ロパロディア目(Rhopalodiales)
　ロパロディア科(Rhopalodiaceae) エピセミア属(Epithemia)のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を
　掲載します。
　・殻面は背腹性を持ち、背側殻縁は強く膨出し、腹側殻縁は直線状、両殻縁は殻中心付近では平行となる。
　・殻端は引っ張り出され多かれ少なかれ背側に反り返り、末端は丸まる。
　・殻を横断する肋密度・条線密度・胞紋密度共に細かく、肋間には2-5本の条線が存在する。
　・縦溝はほぼ腹側殻縁沿いを走り、殻中心付近で背側に向かうが、腹側殻縁寄りで終わる。
　この分類群はKrammer＆Lange-Bertalot(1997)のEpithemia adnataと腹側殻縁がほぼ真っ直ぐで背側殻縁が
　大きく膨出し、殻中心付近では両者がほぼ平行で、殻端付近で強く中断し引っ張り出され、背側にそっくり返る
　という殻形、縦溝が殻中心を除いて腹側殻縁を走り、殻中心では背側に少し曲がるという点で特徴が一致する
　一方で、条線密度と胞紋密度がこの分類群は明瞭に細かい点で異なります。
　また、殻端が背側殻縁が強く中断し引っ張り出され、頭状形となり背側に反り返る点と条線密度と胞紋密度が
　ほぼ一致する点でE. sorexと一致する一方で、この分類群は縦溝が殻中心でわずかに背側に曲がる程度である
　点、腹側殻縁が直線状である点で異なる。
　これらの分類群は湖成層から産出しました。

　エピセミア属 F05-01　(Epithemia sp.)

　殻長；22.9μm
　殻幅；8.3μm
　肋密度；6.5-8.5/10μm
　条線密度；15.5-17.5/10μm
　胞紋密度；17-21.5/10μm
　特徴；殻面の腹側殻縁は直線状、背側殻縁は強く膨出し、殻端付近で背側に反り
　　返り、末端は丸みを帯びる。
　　殻を横断する肋と条線はおおむね平行に配列し、殻中心付近で腹側殻縁近くで
　　若干湾曲する。
　　隣り合う2本の肋間には条線が2-3列存在する。
　　条線は円形の胞紋からなる胞紋列を伴う。
　　縦溝は腹側殻縁沿いを走り、殻中心付近で背側に弧を描くように曲がり、殻中心
　　よりもやや腹側で終わる。
　・採取地；北海道東部2(湖成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　・Krammer, K. and Lange-Bertalot, H., 1997. Susswasserflora von Mitteleuropa, Bacillariophyceae2.
　　Spektrum AKADEMISCHER VERLAG.
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au