ルチラリア属01

　ルチラリア属 01-03 (Rutilaria sp.)

　特徴；殻面は楕円形、殻先端は非常に強く長く引っ張り出される。
　　胞紋は殻面全体に散在し、特に殻端付近では長軸方向に伸びる胞紋列を作る。
　　殻縁には概ね等間隔で棘状突起が並ぶ。
　　殻全体には粒状の小突起が散在する。
　　この標本は殻中心が破損している。
　殻長；155.2μm
　殻幅；最大27μm
　殻縁棘状突起密度；3-4/10μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

参考文献；
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　　・柳沢ほか., 1989., 常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質.地質調査所月報, 40, 405-467.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae)　キマトシラ目(Cymatosirales)
　ルチラリア科(Rutilariaceae) ルチラリア属（Rutilaria) のうち、以下の特徴を持つものを掲載します。
　・殻面は紡錘形で、両殻端は非常に強く長く引っ張り出され、末端は丸まる。
　・殻縁には等間隔に短い棘状突起が配列する。
　・殻面中心には非常に特徴的な連結突起が存在する。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部と北海道石狩地域の堆積層から採取した個体です。

　ルチラリア属 01-01 (Rutilaria sp.)

　特徴；殻面は紡錘形、殻先端は非常に強く長く引っ張り出される(1049a)。
　　胞紋は殻面全体に散在し、特に殻端付近では長軸方向に伸びる胞紋列を
　　作る(1049ｃ)。
　　殻末端には楕円形の大きな孔が認められる(1049ｃ白矢印)。
　　殻全体には粒状の小突起が散在する(1049a・d)。
　　殻中心には非常に大きく特徴的な連結突起が存在する(1049a・d)。
　　この標本の特徴は柳沢ほか（1989）のplate4-12のRutilaria epsilon var.
　　longicornis (Tempere ＆Brun) Schmidt と類似する。
　殻長；253.6μm
　殻幅；最大30.5μm
　胞紋密度；10.5-13.5/10μm、殻端 15.5-17/10μm
　殻縁棘状突起密度；3-3.5/10μm
　・採取地；茨城県北部(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；1049a×500、1049c・d×1000
　・スケールバーは黒地に白抜きが50μm、黒線が10μmです。

　ルチラリア属 01-04 (Rutilaria sp.)

　特徴；殻面は紡錘形、殻先端は非常に強く長く引っ張り出
　　される(2161a)。
　　胞紋は少なくとも殻の紡錘形付近で散在する(2161c) 。
　　殻縁には概ね等間隔で棘状突起が並ぶ。
　　殻全体には粒状の小突起が散在する。
　　殻中心には非常に特徴的な目立つ連結突起が存在し、
　　焦点深度によって見え方が異なる(2161b・c) 。
　殻長；167.7μm
　殻幅；最大25.9μm
　殻縁棘状突起密度；3-4/10μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。
　・2161-combは焦点深度合成写真です。