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コシノディスクス亜門(Coscinodiscophytina) コシノディスクス綱(Coscinodiscophceae) コシノディスクス目
(Coscinodiscales) ヘミディスクス科(Hemidiscaceae) アクチノキクルス属（Actinocyclus) A. ingensのうち、
以下の特徴を持つ分類群を紹介します。
・擬結節は焦点深度によって小孔の集合体として観察されたり、大きな一つ穴とそれを囲む環状の小孔と
して観察されたりする。
・殻面は平坦もしくは同心円状に波打つ。大型の個体は波打つ傾向にある。
・殻面の胞紋は胞紋列を作り放散状に配列するが、胞紋列の束は作らず、途中で分岐することはない。
この分類群は下記の論文Akiba and Yanagisawa.(1986)に記載されているActinocyclus ingensの特徴と
一致します。
アクチノキクルス属 01-02-04（Actinocyclus ingens Rattray）
特徴；殻は円形で同心円状にうねり、中心は凹部となる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立し、放散状に配列し、長い胞紋列と
短い胞紋列が殻周縁から中心に向って伸びる。
殻中心付近まで伸びる比較的長い胞紋列の殻周縁には唇状突起が
存在する。
殻蓋の胞紋は互いに隣接し数列の環状列を作り、その密度は殻面
よりも明らかに細かい。
殻面と殻蓋の境界には小孔の集合体が認められ、これは焦点深度に
よっては大きな一つ穴とそレを囲む1列の環状の小孔に見える。
殻径；73.5μm
胞紋密度；殻面：3.5-4.5/10μm 殻蓋：9.5-10.5/10μm
・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
＊分類群の同定につきましては、ご同定や分類群変更等に対応できていない場合があります。
ご了承ください。
アクチノキクルス属 01-02-01 （Actinocyclus ingens Rattray）
特徴；殻は円形で平坦である。
殻面に対して殻蓋は斜めに広がる。
胞紋は円形で個々に独立し、放散状に配列する。
胞紋密度は殻面と殻蓋の境界で急激に変化し、殻蓋では殻面よりも
細かくなる（1104a・b）。
殻蓋の胞紋は環状に配列し、環状列が少なくとも2列認められる。
殻内側の周縁部から突起が伸び、これらはおおよそ等間隔に環状に
並ぶ（1104d）。これらは唇状突起である。
殻面と殻蓋の境界には小孔の集合域が1つ存在する（1104b矢印A）。
この小孔の集合体は焦点深度が変わると、1つの大きな孔とその周囲
を環状に取り囲む1列の小孔列として観察される（1104a矢印B）。
これは擬結節（pseudonodulus）である。
1104a・bは殻外側に、1104dは殻内側に焦点があっている。
殻径；38.0μm
胞紋密度；殻面：4.5-5/10μm 殻蓋：7.5-8.5/10μm
殻周縁唇状突起間距離；10.66-12.33μm
・採取地；茨城県北部5
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
参考文献；
・Akiba, F., and Yanagisawa, Y.,1986.Taxonomy,morphorlogy and phylogeny
of the Neogene
diatom zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North
Pacific. Initial
Reports of the Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
・南雲 保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
・Tomas, C. R.,1997. Identifying marine phytoplankton, Academic Press.
製作者：NaCl & Au
アクチノキクルス属 01-02-02（Actinocyclus ingens Rattray）
特徴；殻は円形で平坦である。
殻面に対して殻蓋は斜めに広がる。
胞紋は円形で個々に独立し、放散状に配列する。
胞紋密度は殻面と殻蓋の境界で急激に変化し、殻蓋では殻面よりも
細かくなる（1133c）。
殻蓋の胞紋は環状に配列し、環状列が少なくとも3列認められる。
殻内側の殻蓋には突起が認められ、おおよそ等間隔に環状に並ぶ
（1133b）。これらは唇状突起である。
殻面と殻蓋の境界には小孔の集合域が1つ存在する（1133ｃ矢印A）。
この小孔の集合体は焦点深度が変わると、1つの大きな孔とその周
囲を環状に取り囲む1列の小孔列として観察される（1133d矢印B）。
これは擬結節（pseudonodulus）である。
1133aは殻内側に、1133c・dは殻外側に焦点があっている。
殻径；43.3μm
胞紋密度；殻面：4.5/10μm 殻蓋：7.5-9.5/10μm
殻周縁唇状突起間距離；9.48-11.33μm
・採取地；茨城県北部5
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
ページ作成および更新情報
作成日：2019.09.05
最終更新：2019.09.05
アクチノキクルス属01_02
Actinocyclus ingens
アクチノキクルス属 01-02-03（Actinocyclus ingens Rattray）
特徴；殻は円形で同心円状にうねり、中心は凹部となる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立し、放散状に配列し、長い胞紋列と
短い胞紋列が殻周縁から中心に向って伸びる。
殻蓋の胞紋は互いに隣接し2-3列の環状列を作り、その密度は殻面
よりも明らかに細かい。
殻中心はほぼ無紋で目立った環状構造は無く、2つの胞紋が散在する。
殻面と殻蓋の境界には小孔の集合体が認められ(矢印A)、これは焦点
深度によっては大きな一つ穴に見える(矢印B)。この見え方の違いは
擬団塊が周りの殻面よりも凹んでいるためである。
殻径；63.1μm
胞紋列；4.5-5/10μm
胞紋密度；殻面：5-6/10μm 殻蓋：8-10.5/10μm
・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
