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コシノディスクス亜門(Coscinodiscophytina) コシノディスクス綱(Coscinodiscophceae) コシノディスクス目
(Coscinodiscales) ヘミディスクス科(Hemidiscaceae) アクチノキクルス属（Actinocyclus)のうち、以下の
特徴を持つ分類群を掲載しています。
・殻面は楕円形もしくはひし形である。
・擬結節（pseudonodulus）は殻面と殻蓋の境界付近に存在し、周辺の胞紋よりも大きい1つの孔で、この孔は
幅の狭い無紋で環状の畝に囲まれる。
アクティノキクルス属 06-05 (Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は丸みを帯びた菱形である。
殻面の胞紋は多角形で互いに密接して存在し、殻周縁付近で徐々に
密度が細かくなる。
これらの胞紋は胞紋列を作り、殻中心付近では同心円状に、殻周縁
付近では不明瞭な放散状に、殻蓋では偏心的に配列する。
殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
殻周縁には他の胞紋とは焦点深度の異なる縦長の孔が認められる
（702c）。これは唇状突起の殻外側開口部と考えられる。
殻周縁部やや内側には狭い無紋の環状の畝に囲まれた明瞭なで
大きな孔が1つ認められる（白矢印）。 これは擬結節（pseudonodulus）
である。
殻径；長径：67.2μm、短径：31.0μm
胞紋密度；殻面：6.5-9/10μm 殻蓋：13.5-14.5/10μm
周縁部唇状突起間距離：9.88-15.7μm
・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
アクティノキクルス属 06-01 (Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は菱形で、殻周縁は丸みを帯びる。
殻面の胞紋は円形で、個々に独立して存在し、明瞭な配列を持たずに
殻面全体に散在する。
殻周縁で胞紋は徐々に密度を増し、殻蓋では偏心的な配列を持つ。
殻蓋には他の胞紋とは様相の異なる細長い孔が環状に認められる
（980d）。これは唇状突起の殻外側開口部と考えられる。
殻周縁突起の環状列よりやや内側に周囲を環状の狭い無紋域の畝で
囲まれた明瞭な孔が1つ認められる（白矢印）。
これは擬結節（pseudonodulus）である。
以上の特徴は下記の参考文献のAkiba(1985)のplate16-5の
Actinocyclus elliptica と類似する。
殻径；長径：47.7μm、短径：27.6μm
胞紋径；殻面：1.95-1.06μm
擬結節径；0.86μm
・採取地；茨城県北部2(後期中新世?の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
ページ作成および更新情報
作成日：2016.06.30
最終更新：2019.09.22
アクティノキクルス属 06-07 (Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は楕円形で、殻周縁は丸みを帯びる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立して存在し、殻周縁付近で徐々に
密度が細かくなる。
殻面の胞紋は規則的な配列が無いように見える。
殻蓋の胞紋は互いに隣接し、偏心的に配列する。
殻面と殻蓋の境界には環状の畝にを持つ明瞭な孔が1つ認め
られる。これは擬結節（pseudonodulus）である。
殻径；長径：32.7μm、短径：20.5μm
・採取地；神奈川県三浦半島3
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
アクティノキクルス属 06-04 (Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は細長い楕円形で、殻周縁は丸みを帯びる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立して存在し、殻周縁付近で徐々に
密度が細かくなる。
胞紋は胞紋列を作り、放散状に配列する。
殻周縁には狭い無紋で環状の畝に囲まれた明瞭な孔が1つ認め
られる（矢印）。これは擬結節（pseudonodulus）である。
殻径；長径：22.7μm、短径：12.0μm
胞紋密度；殻面：11.5-14/10μm 殻蓋：16.5-19.5/10μm
胞紋径；殻面：0.59-0.97μm
擬結節径；0.68μm
・採取地；茨城県北部2(後期中新世?の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
アクティノキクルス属 06-06 (Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は楕円形で、殻周縁は丸みを帯びる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立して存在し、殻中心付近に近づくにつれ、
密度が減り、中心付近では無紋である。
胞紋は列を作り、放散状に配列し、殻周縁付近で徐々に密度が細かく
なる。
殻面と殻蓋の境界は不明瞭である。
殻周縁部には狭い無紋の環状の畝に囲まれた明瞭なで他の胞紋よりも
やや小さい孔が1つ認められる（矢印）。これは擬結節（pseudonodulus）
と考えられる。
殻径；長径：19.9μm、短径：15.6μm
胞紋密度；殻面：11-12.5/10μm 殻蓋：18-20.5-14.5/10μm
胞紋径：0.53-0.63μm
・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
アクティノキクルス属 06-03 ( Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は楕円形で、殻周縁は丸みを帯びる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立して存在し、胞紋列を作り、放散状に
配列する。
殻周縁付近で胞紋は徐々に密度が細かくなり、偏心的な配列を持つ。
殻蓋の内側には殻周縁に接する明瞭でやや細長い孔が認められる。
これらの孔は他の胞紋とは焦点深度が異なり、環状に並ぶ（561c）。
これらは唇状突起と考えられる。
殻周縁には明瞭な孔が1つ認められる（矢印）。これは擬結節
（pseudonodulus）である。
以上の特徴はAkiba(1985)のplate16-5のActinocyclus elliptica と
類似する。
殻径；長径：28.7μm、短径：18.6μm
胞紋密度；殻面：8-10.5/10μm 殻蓋：14.5-16/10μm
胞紋径；殻面：0.59-0.79μm
・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
アクティノキクルス属 06-02 (Actinocyclus ellipticus?)
特徴；殻は細長い菱形で、殻周縁は丸みを帯びる。
殻面の胞紋は円形で個々に独立して存在し、胞紋は胞紋列を作る。
胞紋列は放散状に配列し、長軸側の隣り合う胞紋列間の距離は広い。
殻周縁で胞紋は密度が細かくなり、偏心的な配列を持つ。
殻蓋には他の胞紋とは様相の異なる細長い孔が環状に認められる
（981a）。
これは唇状突起の殻外側開口部と考えられる。
殻周縁の唇状突起の環状列よりもやや内側に環状の狭い畝で囲まれた
明瞭な孔が1つ認められる（白矢印）。
これは擬結節（pseudonodulus）である。
以上の特徴はAkiba(1985)のplate16-10のActinocyclus elliptica と
類似する。
殻径；長径：80.0μm、短径：36.0μm
胞紋密度；殻蓋：13.5-16.5/10μm
胞紋径；殻面：0.82-1.02μm
擬結節径；1.11μm
・採取地；茨城県北部2(後期中新世?の海成層)
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×1000
・スケールバーは10μm
＊分類群の同定につきましては、ご同定や分類群変更等に対応できていない場合があります。
ご了承ください。
参考文献；
・Akiba, F., 1985. Middle Miocene to Quaternary diatom biostrtigraphy in
the Nankai trough and Japan
trench, and modified lower Miocene through Quaternary diatom zones for
Middle-to-High latitudes of
the North Pacific. Inicial Reports of the Deep Sea Drilling Project. vol.87, pp.393-481.
・南雲 保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
製作者：NaCl & Au
アクチノキクルス属06
Actinocyclus sp.(ellipticus?)
