ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) アクナンテス目(Achnanthales)
　ココネイス科(Cocconeidaceae)ココネイス属(Cocconeis)のうち、以下の特徴を持つものを掲載しています。
　・殻形は楕円形で殻先端は丸みを帯びる。
　・縦溝殻の胞紋は密度が細かく、胞紋列は不明瞭であるが、放散状に配列する。
　・縦溝は殻中央をまっすぐに走り、殻端側端部は殻端間際で互いに反対側に緩やかに
　　曲がって終わる。
　・無縦溝殻の胞紋は横長の楕円形で胞紋列を作り、殻中央付近では平行に、殻端付近では
　　放散状に配列する
　・無縦溝殻の軸域は歪で広く、殻端付近では徐々に幅が減少し、殻中心でも若干幅が
　　狭くなる。
　・無縦溝殻の軸域と殻端の中間付近には左右それぞれ三か所の歪な無紋域が存在し、
　　それぞれの無紋域の中ほどには浅い沈降部が認められる。
　・中心域は歪な横長でやや広く、殻縁と軸域の間の無紋域のと接続する。
　このページに掲載されている標本は千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

---

　ココネイス属07-01 (Cocconeis sp.)

　特徴；殻形は楕円形で殻端は丸みを帯びる。
　　縦溝殻の胞紋は密度が細かく、不明瞭な胞紋列を作る。
　　胞紋列は放散状に配列し、殻端付近では若干密度が細かくなり、強く
　　放散状に配列する（740c・d）。
　　縦溝は殻中央をまっすぐに走り、殻端側端部は殻端間際で互いに反対
　　側に緩やかに曲がって終わる。
　　無縦溝殻の胞紋は横長の楕円形で胞紋列を作る。
　　胞紋列は殻中心付近では平行に、殻端付近では放散状に配列するが、
　　軸域と殻縁の間に認められる歪な無紋域で中断される（740a・c黒矢印）。
　　無縦溝殻の軸域は幅が広く、やや歪で、殻端付近では徐々に幅が狭く
　　なり、中央付近でも若干幅が狭くなる。
　　無縦溝殻の軸域と殻縁の間には左右それぞれ三か所に歪な形の無紋
　　域が存在する（740a・c黒矢印）。これらの無紋域の中心は若干の凹み
　　が認められる（740a白矢印）。
　　無縦溝殻の中心域はやや広く横長で無紋域と接続する（740a）。
　殻長；42.9μm
　殻幅；30.7μm
　胞紋列密度；縦溝殻：10.5-12/10μm　無縦溝殻：18-22/10μm
　胞紋密度；縦溝殻：15.5-17.5/10μm　無縦溝殻：13-15/10μm
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

---

参考文献；
　・南雲　保・鈴木秀和・佐藤晋也, 2018. 珪藻観察図鑑.　誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au