このページでは、バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) アクナンテス目
　(Achnanthales) ココネイス科(Cocconeidaceae) ココネイス属(Cocconeis) の画像を紹介します。
　 ココネイス属は和名をコメツブケイソウといい、淡水域から海域にかけて生息する珪藻で、植物表面や
　岩石表面等に粘液物質を使って縦溝殻面で付着します。
　ココネイス属は縦溝を有する縦溝殻と縦溝が欠如する無縦溝殻を持ちます。殻蓋が浅いため、多くの
　場合殻面を向いています。殻面はほとんどの場合楕円形か円形です。
　ほとんどの場合、縦溝は殻端に達しないで終わります。
　このHPの標本は、北海道東部)・茨城県北部・中部・千葉県北部の堆積層から採取しました。

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2020.03.31　

　珪藻統合 ココネイス属 05　(Cocconeis scutellum Ehrenberg)
　特徴；無縦溝殻には放散状に肋が走り、その密度は非常に粗い。
　　縦溝殻には殻縁近くに殻縁に平行に走る環状の畝が存在する。
　　環状畝と殻縁の間には短い肋がおおむね等間隔に配列する。
　　軸域と縦溝は殻中央をまっすぐに走る。
　　現生では海岸域に広く見られ、化石では海生層から産出した。
　・スケールバーは10μm

　ココネイス属 05　(Cocconeis sp.)
　特徴；殻形は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　無縦溝殻は軸域から殻縁に向かって条線が走り、これらは放散状に配列する。
　　条線は四角形の胞紋からなる胞紋列を伴う。
　　無縦溝殻の軸域は殻中央をまっすぐに走り、殻端には達しず、軸域の真ん中には浅い
　　溝が走る。
　　殻中心には無紋の中心域が存在し、軸域に対して左右非対称で殻縁には達しない。
　　海岸域に見られる海生堆積層から産出した。。
　・スケールバーは10μm

　ココネイス属 04　(Cocconeis sp.)
　特徴；殻形は楕円形で、殻端は丸みを帯びる。
　　縦溝殻・無縦溝殻ともに円形の胞紋が胞紋列を作り、放散状に配列する。
　　縦溝及び軸域は殻面中央をまっすぐに走り、殻端には達しない。
　　無縦溝殻には軸域と殻縁の間に長軸方向に伸びる幅の広い無紋域が片
　　側にのみ存在する。
　　海岸域に見られる海生堆積層から産出した。。
　・スケールバーは10μm

　珪藻統合 ココネイス属 07　(Cocconeis sp.)
　特徴；無縦溝殻の殻縁付近には無紋域が存在し、殻端に近づくにつれて先細る。
　　軸域と縦溝は殻中央をまっすぐに走る。
　　現生では海岸域に、化石では海生層で見られた。
　・スケールバーは10μm

　ココネイス属 03　(Cocconeis sp.)
　特徴；殻形は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　縦溝殻では縦溝を伴った狭い軸域が長軸から傾いた方向に走り、殻端側端部は
　　U字に曲がって終わる。
　　無縦溝殻でも軸域が縦溝殻同様に長軸から傾いて走り、殻端付近では緩やかに
　　殻末端方向に曲がる。
　　海岸域に見られる海生堆積層から産出した。。
　・スケールバーは10μm

　ココネイス属 02　(Cocconeis pseudomarginata Gregory)
　特徴；殻形は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　無縦溝殻には幅の広い細長い楕円形の軸域が存在する。
　　横長の胞紋は胞紋列を作り、放散状に配列する。
　　胞紋列は軸域と殻縁の中間付近に長軸方向に弧状に伸びる無紋域で中断される。
　　この無紋域は焦点深度によっては複数本存在するように見える。
　　海岸域に見られる海生堆積層から産出した。。
　・スケールバーは10μm

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　ココネイス属 07　(Cocconeis sp.)
　特徴；殻形は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　無縦溝殻は軸域から殻縁に向かって条線が走り、これらは放散状に配列する。
　　条線は四角形の胞紋からなる胞紋列を伴う。
　　無縦溝殻の軸域は殻中央をまっすぐに走り、殻端には達しず、軸域の真ん中には浅い
　　溝が走る。
　　殻中心には無紋の中心域が存在し、軸域に対して左右非対称で殻縁には達しない。
　　海岸域に見られる海生堆積層から産出した。。
　・スケールバーは10μm

　ココネイス属 01　(Cocconeis costata?)
　特徴；殻形は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　 一組の殻は縦溝を有する縦溝殻と縦溝の無い無縦溝からなる。
　 無縦溝殻には殻縁から軸域に向かって肋様構造が伸び、殻中心では平行配列し、
　 殻端に近づくにつれ放散状となる。
　 胞紋は円形で肋様構造の両側に1列ずつ存在する。
　 縦溝は縦溝殻の長軸方向に軸域内をまっすぐに走り、殻端には達しないように見える。
　 この分類群は海生堆積層から産出した。
　・スケールバーは10μm

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参考文献；
　・Akiba, F., 1985. Middle Miocene to Quaternary diatom biostrtigraphy in the Nankai trough and Japan
　　trench, and modified lower Miocene through Quaternary diatom zones for Middle-to-High latitudes
　　of the North Pacific. Inicial Reports of the Deep Sea Drilling Project. .87, 393-481.
　・南雲　保・鈴木秀和・佐藤晋也, 2018. 珪藻観察図鑑.　誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・田中正明, 2002. 日本淡水産動植物プランクトン図鑑, 保育社.
　・渡辺仁治, 2005. 淡水珪藻生態図鑑, 内田老鶴圃.
　・山路　勇, 1979. 日本海洋プランクトン図鑑, 保育社.
　・柳沢ほか., 1989., 常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質.地質調査所月報,vol.40(8)


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au