ディプロネイス属01-03 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は丸みを帯びた菱形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　条線は胞紋列を伴い殻を通して放散状に配列し、殻端に行くに強い放散
　　状となる。
　　胞紋列は長軸方向にも伸びる。
　　縦溝は線状で長軸方向に走るわだちの中にあり、殻中心側端部は孔を
　　作って終わり、殻端側はには達しないように見える。
　　縦溝わだちの両脇には中心結節から伸びる角状の畝が伸び、殻端に行く
　　に従いその幅は狭くなる。
　　中心結節及び角状の畝の両脇には溝状の構造があり、これらは殻端に
　　行くに従い徐々に幅が狭くなる。
　　殻縁から伸びる条線これらの溝状構造内にまで達する。
　　中心結節は縦溝の端部が軸方向両側から食い込むため四角く見え、殻
　　端方向に角状に伸びる。
　殻長；59.1μm
　殻幅；28.8μm
　条線密度；7-8/10μm
　胞紋密度；10-13/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ディプロネイス属01-04 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は丸みを帯びた菱形から楕円形で、殻端は丸みを帯びる。
　　条線は胞紋列を伴い、殻を通して放散状に配列し、殻端ではより強く放散
　　状となり、その密度は細かくなる。
　　縦溝は線状で殻中央を長軸方向に走るわだちの中にあり、殻中心側端部
　　は孔を作って終わり（583c）、殻端側はには達しないように見える。
　　縦溝わだち両脇には細い畝が損じあし、これらは殻端に行くに従い細くなる。
　　中心結節は比較的大きく円形で、超いj区側から縦溝に食い込まれる。
　　中心結節と縦溝わだち両脇の畝の両脇には溝状の構造が存在し、殻端に
　　行くに従い徐々に幅が狭くなり、中心結節周辺では殻縁側に湾曲する。
　　溝状構造内には胞紋は存在するが、条線は無いように見える（583c）。
　殻長；52.5μm
　殻幅；32.7μm
　条線密度；12-13.5/10μm
　胞紋密度；15-18/10μm
　・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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　ディプロネイス属01-02 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　条線は殻中心では平行に、殻端に行くに従い放散状配列となる。
　　条線内には不明瞭な2列の胞紋列が存在する。
　　軸域は線形で、殻中央を長軸方向に真直ぐに走る。
　　縦溝は軸域中央を真直ぐに走り、殻中心側端部は孔を作って終わり、
　　殻端側端部は殻末端には達しないように見える。
　　軸域両側には軸域に沿って、それぞれ1列の孔の列が殻端付近まで
　　伸びる。
　　中心結節は四角形で、縦溝の端部が軸方向両側から食い込む。
　　このページの他の標本と比べ、明らかに小さく、かつ中心結節はかなり
　　小さい点から別の分類群である可能性がある。
　殻長；16.7μm
　殻幅；10.5μm
　条線密度；10.5-11.5/10μm
　胞紋密度；23-25.5/10μm
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

ディプロネイス属01
　　　　Diploneis sp.

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2020.04.13　

　ディプロネイス属01-01 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　条線は放散状に配列をし、殻端に行くほど強く放散状となる。
　　条線内には2列の胞紋列が存在する（768a-1）。
　　軸域はやや広く細長い披針形である。
　　縦溝は軸域中央のやや広い溝の中を真直ぐに走り、殻中心側端部は孔
　　を作り（768a-1）、殻端側端部は殻末端に達しないように見える。
　　中心結節は広い円形で、縦溝の端部が軸方向両側から食い込む。
　　軸域の両側には軸域に沿って細長い沈降部が存在し、殻端近くまで伸
　　びる。胞紋はこの沈降部内にも散在的に存在する（768a-1）。
　　以上の特徴から、この標本は山路（1979）のDiploneis fusca var.
　　hyperborea と様相が類似する。
　殻長；64.6μm
　殻幅；39.8μm
　条線密度；10-10.5/10μm
　胞紋密度；17.5-19.5/10μm
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・山路　勇, 1984. 日本海洋プランクトン図鑑(増補改訂版), 保育社.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) ナビクラ目(Naviculales) ディプロネイス科
　(Diploneidaceae) ディプロネイス属(Diploneis) 、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻形は楕円形または丸みを帯びた菱形で、殻端は丸みを帯びる。
　・条線は殻を通して放散状配列し、殻端に行くほどより強い放散状となる。
　・縦溝は線状で殻中央を長軸方向に走るわだち内にあり、殻中心側端部は小さい孔を作って終わり、殻端側は
　　殻末端に達しないように見える。
　・殻中心には中心結節が存在し、多くの場合円形から楕円形で大きい。
　・縦溝わだちと中心結節の両脇には比較的幅の狭い溝状の構造が存在し、中心結節周辺では殻縁側に湾曲する。
　・中心結節は長軸方向から縦溝端部に食い込まれるため、H字形になることが多い。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部・中部と千葉県北部の堆積層から採取した個体です。

　ディプロネイス属01-05 (Diploneis sp.)

　特徴；殻面は丸みを帯びた菱形から先細る楕円形で、殻末端は丸まる。
　　条線は胞紋列を伴い、殻を通して放散状に配列し、殻端に行くに強い放散
　　状となる。
　　縦溝は線状で長軸方向に走るわだちの中にあり、殻中心側端部は孔を
　　作って終わり、殻端側はには達しないように見える。
　　縦溝わだちの両脇には細い畝が伸び、殻端近くでは先細る
　　中心結節は楕円形で長軸側は縦溝が食い込み、H字形となる。
　　中心結節及び角状の畝の両脇には溝状の構造があり、これらは殻端に
　　行くに従い徐々に幅が狭くなる。
　　これらの溝状構造は中心結節周囲で殻縁側に湾曲しない。
　　殻縁から伸びる条線これらの溝状構造内にまで達する。
　殻長；44.3μm
　殻幅；21.7μm
　条線密度；7.5-8/10μm
　胞紋密度；10-13/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。