輝くシリカの部屋-ディクチオカ類1

　ここは，輝くディクチオカ類を楽しむ部屋です．
　ディクチオカ類は珪質鞭毛藻類（Silicoflagellates）の一種です．
　ディクチオカ類のうち，以下の物を掲載ます．

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その1 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は四角形を持つ．4つの辺は真っ直ぐである．
　　　　各頂点から棘が伸び，この棘の長さは4本とも大差は無い．
　　　　骨格内には4つの基窓があり，大きさはおおよそ同じくらいである．
　　　　海水域で産出した．
　　　　
・採取；・和歌山県北部；海水域
　　　　・大阪府南部；海水域
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

　ディクチオカ属（ディクチオカ類1-1)；現生の海域で認められる．基環(basal ring)と呼ばれる枠と
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　支柱，中心柱（bar)もしくは頂環（apical ring），棘からなる．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　骨格中心に頂窓があるものとないものがある．

参考文献；
　　・Plankton Stratigraphy volume2, 1989, Bolli, Saunders, and Perch-Nielsen, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS
　　・日本の海産プランクトン図鑑，2011，岩国ミクロ生物館；共立出版
　　・日本産海洋プランクトン検索図説，1997，千原光雄・村野正昭；東海大学出版会

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その2 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は菱形で，外側にゆるく湾曲する．
　　　　各頂点から短い棘が伸び，特に短軸方向の頂点から伸びるものは非常に短い．
　　　　骨格内には4つの基窓があり，隣り合う2つの基窓の大きさは明確に異なり，
　　　　長軸方向に対角上に並ぶ2つの基窓が大きく，短軸方向の基窓は小さい．
　　　　新第三紀海成堆積層から産出した．
　　　　
・採取；・水戸層（茨城県中部）；海成層
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その3 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は四角形で，各辺上に2回外側に湾曲する．
　　　　各頂点から棘が伸び，特に短軸方向の頂点から伸びるものは短い．
　　　　骨格内には4つの基窓があり，隣り合う2つの基窓の大きさは明確に異なる．
　　　　長軸方向に対角上の基窓は小さく，短軸方向に対角線上に並ぶ基窓は大きい．
　　　　新第三紀海成堆積層から産出した．
　　　　
・採取；・名洗層（千葉県東部）；海成層
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

＊ディクチオカ属の珪酸質骨格の図その１；頂窓の無い物

　①基環（basal ring)
　②放射棘(spine)
　③基支柱（strut)
　④中心柱（bar）
　⑤支持棘（basal pike）
　⑥基窓（portal）

＊ディクチオカ属の珪酸質骨格の図その２（頂窓のあるもの)；
　　文献によってはディステファヌス属（Distephanus）としている．

　①基環（basal ring)
　②放射棘(spine)
　③基支柱（strut)
　④頂環（apical ring）
　⑤頂窓（apical opening）
　⑥基窓（portal）

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その4 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は八角形で，各頂点から外側に向かって棘が伸びる．
　　　　各辺の中央付近から内側に向かって，棘状の短い支柱が伸び，
　　　　その先端部から細い糸状の構造が隣り合う棘を結ぶように伸び，
　　　　八角形の頂環を作る．
　　　　
・採取；・大阪府南部；海水域
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その6 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は丸みを帯びた菱形．各辺は外側に湾曲する．
　　　　各頂点から外側に向かって棘が伸び，骨格の縦に長い方の頂点から伸びるものは
　　　　他の物と比べて比較長い．
　　　　各辺の中央付近から内側に向かって短い直線状の骨格が伸びる．
　　　　それらの先端をつなぐように四角形の骨格が形成される．
　　　　外側骨格には内側に向かって短い棘（支持棘；珪質鞭毛藻1-1-6-2bの矢印）が
　　　　認められる．
　　　　新第三紀海成堆積層から産出した．
　　　　
・採取；・水戸層（茨城県中部）；海成層
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その7 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は八角形である．
　　　　各頂点から外側に向かって棘(放射棘)が伸び，その長さはほとんど同じである．
　　　　各辺の中央付近から内側に向かって短い直線状の骨格(基支柱）が伸び，
　　　　それらの先端部をつなぐように八角形の骨格が形成される．
　　　　この属は外側と内側の八角形骨格・それをつなぐ骨格の太さはほとんど同じである．
　　　　この点が「ディクチオカ属その4」とは異なる．
　　　　新生代の海成堆積層から産出した．
　　　　
・採取；・飯岡層（千葉県東部）；海成層
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

　不等毛植物門　ディクチオカ目　ディクチオカ科
ディクチオカ属その5 (Dictyocha sp. )

特徴；骨格は縦に長い八角形．
　　　　各頂点から外側に向かって棘が伸びる．
　　　　骨格の縦に長い部分の頂点から伸びる棘は他の棘と比べ長い（矢印）．
　　　　外側の骨格の輪（基環）の4箇所から内側に向かって短い直線状の骨格（基支柱）が
　　　　伸び，それらの内側先端部をつなぐ形で四角形の骨格が形成される（頂環）．
　　　　新第三期の海成の堆積層から産出した．
　　　　
・採取；・水戸層（茨城県中部）；海成層
・封入；カナダバルサム
・撮影倍率；×400

　　　　　ディクチオカ類
　　　　　　・ディクチオカ属

＊ディクチオカ属のうち，「頂窓」のあるタイプは「ディステファヌス属」
　として分類されている文献もありますが，
　このホームページでは，ディクチオカ属として扱っています．