ニッチア属01-05 (Nitzschia sp.)

　特徴；殻面は上下非対称の細長い楕円形で、片側殻端は丸みを帯び、もう片側の
　　殻端はやや引っ張り出される。
　　肋は比較的幅が広く、殻面を横切って平行に配列し、殻端では湾曲する。
　　殻末端から最も殻端に近い殻横断肋に向かって短い肋が伸びる。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　肋間の2列の胞紋列は互いに離れて存在し、それぞれ肋のすぐ脇
　　に存在する。
　　この標本は、肋間に2列の胞紋列が存在する点、上下非対称である点、殻面が
　　平坦である点がフラジラリオプシス属（Fragilariopsis）とも類似するが、
　　光学顕微鏡観察ではニッチア属とフラジラリオプシス属都の判別は困難
　　である。
　殻長；50.2μm
　殻幅；8.9μm
　肋密度；7-8/10μm
　胞紋列密度；18.5-21.5/10μm
　胞紋密度；20.5-22/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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　ニッチア属01-01 (Nitzschia sp.)

　特徴；殻面は上下非対称の披針形で、殻端はくさび形またはくちばし形である。
　　肋は比較的幅が広く、殻面を横切って平行に配列し、殻端では傾きカーブ
　　する（990b）。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する（990b
　　-1）。肋間の2列の胞紋列は互いに離れて存在し、それぞれ肋のすぐ脇
　　に存在する。
　　この標本は、肋間に2列の胞紋列が存在する点、上下非対称である点、殻面が
　　平坦である点がフラジラリオプシス属（Fragilariopsis）とも類似するが、
　　光学顕微鏡観察ではニッチア属とフラジラリオプシス属都の判別は困難
　　である。
　殻長；26.6μm
　殻幅；6.7μm
　肋密度；7.5-8.5/10μm
　胞紋列密度；14.5-16/10μm
　胞紋密度；20.5-22/10μm
　・採取地；茨城県北部2(後期中新世?の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) ニッチア属(Nitzschia) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は上下非対称の披針形で、殻端は片側は尖り、他方は引っ張り出されてくはくちばし形となる。
　・肋は殻面を横切り、両脇には胞紋列が1列ずつ存在し、殻端近くでは湾曲する。
　この分類群は、柳沢ほか（1989）のplate6-29とAkiba(1985)のplate23-3のNitzschia heteropolica と類似
　しています。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部・中部の堆積層から採取した個体です。

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参考文献；
　・Akiba, F., 1985. Middle Miocene to Quaternary diatom biostratigraphy in the Nankai Trough and Japan
　　trench, and modified lower Miocene through Quaternary diatom zones for middle-to-High latitudes
　　of the North Pacific. Inicial Reported of the Deep Sea Drilling Project, 87: 393-481.
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・柳沢ほか., 1989., 常磐炭田北部双葉地域に分布する第三系の生層序と地下地質.地質調査所月報, 40, 405-467.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2020.04.30　

　ニッチア属01-03 (Nitzschia sp.)
　特徴；殻面は上下非対称の細長い披針形で、殻端は片方は丸まり、他方は引っ張り出されて嘴状となる。
　　肋は比較的幅が広く、殻面を横切って平行に配列し、殻端では傾いたり、湾曲したりする。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。縦溝は片側殻縁に沿って走る
　　（634c右殻縁）。
　　肋間に2列の胞紋列が存在する点、上下非対称である点、殻面が平坦である点がフラジラリオプシス属
　　（Fragilariopsis）とも類似するが、光学顕微鏡観察ではニッチア属とフラジラリオプシス属との判別は
　　困難である。
　殻長；26.9μm
　殻幅；6.4μm
　肋密度；8.5-9/10μm
　胞紋密度；18-20/10μm
　・採取地；茨城県北部7
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ニッチア属01-04　(Nitzschia sp.)
　特徴；殻面は上下非対称の細長い披針形で、殻端は片側は尖って末端は丸まり、他方は引っ張り出される。
　　肋は比較的幅が広く、殻面を横切って平行に配列し、殻端では湾曲する。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　縦溝は片側殻縁に沿って走る（634c右殻縁）。
　　肋間に2列の胞紋列が存在する点、上下非対称である点、殻面が平坦である点がフラジラリオプシス属
　　（Fragilariopsis）とも類似するが、光学顕微鏡観察ではニッチア属とフラジラリオプシス属との判別は
　　困難である。
　殻長；26.9μm
　殻幅；6.4μm
　肋密度；8.5-9/10μm
　胞紋密度；18-20/10μm
　・採取地；茨城県北部5(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ニッチア属01-02 (Nitzschia sp.)
　特徴；殻面は上下非対称の細長い披針形で、殻端は片側は尖って末端は丸まり、他方は引っ張り出される。
　　肋は比較的幅が広く、殻面を横切って平行に配列する。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する（142a-1）。
　　肋間に2列の胞紋列が存在する点、上下非対称である点、殻面が平坦である点でフラジラリオプシス属
　　（Fragilariopsis）とも類似するが、光学顕微鏡観察ではニッチア属とフラジラリオプシス属との判別は
　　困難である。
　殻長；62.6μm
　殻幅；9.0μm
　肋密度；8-9/10μm
　胞紋密度；18-19/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。