バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) ニッチア属(Nitzschia) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は線形で平坦、殻端は丸みを帯び、両殻縁は平行である。
　・殻面と殻蓋の境界には殻縁に沿って伸びる畝が認められる。
　・肋は殻面を横切り平行に配列し、両脇には胞紋列が1列ずつ存在する。
　・殻端には軸方向に走る短い肋が数本認められる。
　この分類群は、Yanagisawa and Akiba(1990)に記載されているNitzschia challengeriと一致します。
　また、肋間に2列の胞紋列が認められる点と殻端に短い軸方向に伸びる肋が存在する点でRound
　et al.(1990)のフラジラリオプシス属(Fragilariopsis)と一致します。
　このことから、この分類群はフラジラリオプシス属に属する可能性があります。
　このページに掲載されている標本は北海道石狩地域・茨城県北部の堆積層から採取した個体です。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F., 1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　 　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301..


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　ニッチア属05-05 （Nitzschia cf. challengeri）

　特徴；殻面は線形で平坦、殻端は広く丸みを帯び、両殻縁は平行である。
　　肋は殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端付近では湾曲する。
　　殻末端からは軸方向に短い肋が2本伸びる。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　縦溝は片側殻縁を殻縁に沿って走る。
　　この標本はNitzschia challengeriと類似するが、肋密度がより粗い。
　殻長；21.2μm
　殻幅；4.2μm
　肋密度；7.5/10μm
　胞紋密度；18.5-23/10μm
　・採取地；茨城県北部5(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ニッチア属05-04 （Nitzschia challengeri Schrader）

　特徴；殻面は比較的長い線形で平坦、殻端は広く丸みを帯び、両殻縁は
　　平行である。
　　肋は殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端付近では湾曲する。
　　この標本では胞紋は観察できなかった。
　　殻末端からは軸方向に短い肋が3本伸びる。
　　縦溝は片側殻縁を殻縁に沿って走る。
　殻長；39.8μm
　殻幅；5.7μm
　肋密度；9.5-10/10μm
　・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ニッチア属05-02 （Nitzschia challengeri Schrader）

　特徴；殻面は線形もしくは細長い楕円形で平坦、殻端は丸みを帯びる。
　　肋は殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端では湾曲する。
　　殻末端からは軸方向に短い肋が1-2本伸びる。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　縦溝は片側殻縁を殻縁に沿って走る。
　殻長；19.0μm
　殻幅；5.6μm
　肋密度；8.5-9/10μm
　胞紋密度；20.5-21.5/10μm
　・採取地；茨城県北部5(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2024.02.26　更新

　ニッチア属05-05 （Nitzschia cf. challengeri）

　特徴；殻面は短い線形、殻端は丸みを帯び、両殻縁は平行である。
　　肋は殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端付近では湾曲する。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　殻長；13.2μm
　殻幅；4.0μm
　肋密度；約11/10μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世？の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。
　・2103-combは焦点深度合成写真です。

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　ニッチア属05-03 （Nitzschia challengeri Schrader）

　特徴；殻面は線形で平坦、殻端は丸みを帯び、両殻縁は平行である。
　　肋は殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端付近では湾曲する。
　　殻末端からは軸方向に短い肋が1-2本伸びる。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　縦溝は片側殻縁を殻縁に沿って走る。
　殻長；14.3μm
　殻幅；4.6μm
　肋密度；10.5/10μm
　胞紋密度；22.5-25/10μm
　・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　ニッチア属05-01 （Nitzschia challengeri Schrader）

　特徴；殻面は線形で平坦、殻端は丸みを帯びる。
　　両殻縁は平行である。
　　肋は殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端付近では湾曲する。
　　殻末端からは軸方向に短い肋が2本伸びる（1123a）。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在する。
　　縦溝は片側殻縁を殻縁に沿って走る。
　殻長；15.2μm
　殻幅；4.9μm
　肋密度；9-9.5/10μm
　胞紋密度；20-22.5/10μm
　・採取地；茨城県北部5(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。