ニッチア属06-01 (Nitzschia sp.)
　特徴；殻面は線形で、殻中央付近で殻縁は若干緩やかに凹入する。
　　る殻面は平坦で、殻端は広く丸まる。
　　肋密度は比較的粗く、殻面を横切って等間隔に平行に配列し、殻端付近では湾曲し、片側殻縁を
　　中心に放散状となる（1043a）。
　　殻末端には軸方向に短い肋が1-2本伸びる（1043a）。
　　2本の隣り合う肋間には円形の胞紋からなる胞紋列が2列存在し、これら2本はそれぞれ肋のすぐ
　　脇に存在し、胞紋列同士は離れている（1043a）。
　　これらの特徴はニッチア属05(Nitzschia challengeri)と類似するが、殻縁が弱く凹入する点、肋密
　　度が粗い点、殻端の肋が片側殻縁を中心に放散状に配列する点が異なる。
　　また、この標本はデンティクロプシス属08(Denticulopsis vulgaris)と殻端の肋の様相、この標本の
　　肋の密度とD. vulgarisの擬隔壁の密度が一致する。
　　しかし、この標本はデンティクロプシス属に特徴的な周縁肋やbasal ridge やdeck等の構造は認め
　　られない。
　殻長；17.5μm
　殻幅；5.2μm
　肋密度；6.5/10μm
　胞紋密度；20-21.5/10μm
　・採取地；茨城県北部5(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30　

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) ニッチア属(Nitzschia) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は線形で若干殻中央付近の両殻縁が殻内側に緩やかに圧縮される。
　・殻面は平坦で、殻端は丸みを帯びる。
　・肋は密度が粗く、殻面を横切り平行に配列し、殻端では湾曲し、片側殻縁を中心に放散状となる。
　・肋の両脇には胞紋列が1列ずつ存在する。
　・殻端には軸方向に走る短い肋が数本認められる。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層から採取した個体です。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F., 1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　 　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301..


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

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