ビドゥルフィア属01

　ビドゥルフィア属 01-01　(Biddulphia biddulphiana Boyer)

　殻長；50.2μm
　殻高（全体）；64.1μm
　胞紋密度；殻面4-5/10μm
　　　　　　2個体間の覆い部6.5-10/10μm
　小孔密度；15.5-18.5/10μm
　特徴；殻面は中央部でドーム状に、両殻端で頭状に隆起する（673a）。
　　胞紋は円形で比較的大きく、両殻端を除いては殻全体を通して密度に
　　大きな変化は無い。
　　両殻端の隆起部の頭状部には小孔が密集する（673a）。
　　殻中央ドーム状隆起部には管状の突起が存在する（673a）。
　　殻中央のドーム状隆起部を挟むように殻面から殻蓋にかけて2本の擬隔
　　壁が存在する（673b）。
　　隣り合う2個体の向かい合う2枚の殻は覆いのような構造が存在し、この
　　覆い様構造には殻よりも細かい密度で胞紋が存在する（673b）。
　・採取地；茨城県北部平磯（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ビドゥルフィア亜綱(Biddulphiophycidae)　ビドゥルフィア目(Biddulphiales)　ビドゥルフィア科
　(Biddulphiaceae) ビドゥルフィア属(Biddulphia) B. biddulphianaを掲載します。
　この種は主に以下の特徴を持ちます。
　・殻帯面は四角形で、殻面の中央にドーム状の、両殻端には頭状の隆起部が存在する。
　・殻には複数の擬隔壁が認められる。
　・両殻端の中期部末端には小孔域が存在する。
　以上の特徴は千原・村野（1997）のBiddulphia biddulphianaと一致します。
　これらの分類群は海域（太平洋（茨城県北部・和歌山県南部）・瀬戸内海（兵庫県南部））で認められました。

参考文献；
　・千原・村野,1997. 日本産海洋プランクトン検索図説, 東海大学出版.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　ビドゥルフィア属 01-02 (Biddulphia biddulphiana Boyer)

　殻長；68.0μm
　殻高（全体）；65.0μm
　特徴；殻面は中央部でドーム状に、両殻端で頭状に隆起する（137b）。
　　胞紋は比較的大きく、両殻端を除いては殻全体を通しておおむね大きさに
　　変化は無い。
　　殻帯面で胞紋は高さ方向に胞紋列を作る（137a）。
　　両殻端の隆起部の頭状部には小孔が密集する（137b）。
　　胞紋域と小孔域の境界は孔のサイズが徐々に変化し、はっきりとした境界
　　は無い（137b）。このことからこの小孔域は擬眼点と考えられる。
　　殻中央のドーム状隆起部を挟むように殻面から殻蓋にかけて2本の擬隔
　　壁が存在する（137a）。
　・採取地；和歌山県南部田辺湾（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ビドゥルフィア属 01-03 (Biddulphia biddulphiana Boyer)

　殻長；87.9μm
　殻高（全体）；83.7μm
　胞紋密度；殻面4.5/10μm
　　　　　　帯6-7/10μm
　小孔密度；14.5-17/10μm
　特徴；殻面は中央部でドーム状に、両殻端で頭状に隆起する。
　　殻の胞紋は円形で比較的大きく、両殻端を除いては殻全体を通して密度に
　　大きな変化は無い。
　　両殻端の隆起部の頭状部には小孔が密集する（723b・c）。
　　帯の胞紋は殻と比べて若干密度が細かい。
　　殻中央ドーム状隆起部には管状の突起が存在する。
　　殻中央のドーム状隆起部を挟むように殻面から殻蓋にかけて2本の擬隔壁
　　が存在する。
　・採取地；茨城県北部平磯（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×500（723b・c）、×1000（723a）　
　・スケールバーは白抜き線は50μm、黒実線は10μm

　ビドゥルフィア属 01-05 (Biddulphia biddulphiana Boyer)

　殻長；87.1μm
　殻高（全体）；65.3μm
　胞紋密度；殻面4-5/10μm
　特徴；殻面は中央部でドーム状に、両殻端で頭状に隆起する。
　　殻の胞紋は円形で比較的大きく、両殻端を除いては殻全体を通して密度に
　　大きな変化は無い。
　　両殻端の隆起部の頭状部には小孔が密集する。
　　帯の胞紋は殻と比べて若干密度が細かい。
　　殻中央ドーム状隆起部には管状の突起が存在する（336a）。
　　殻面から殻蓋にかけて複数本の擬隔壁が存在する。
　　擬隔壁の数は大型の個体ほど多くなるようである。
　　隣り合う2個体の向かい合う2枚の殻は覆いのような構造で覆われることが
　　ある。
　・採取地；兵庫県南部大蔵海岸（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×500
　・スケールバーは50μm

　ビドゥルフィア属 01-04 (Biddulphia biddulphiana Boyer)

　殻長；115.2μm
　殻幅；70.4μm
　胞紋密度；殻面3-5/10μm
　小孔密度；18.5-22.5/10μm
　特徴；殻面は幅の広い披針形で、殻縁は数度波打つ。
　　両殻端には楕円形の小孔域が存在し（674a・b）、小孔は列を作り、小孔列
　　はおおむね平行に配列する（674b）。
　　殻面の胞紋はおおむね円形で比較的大きく、殻中心から放散状に並ぶ
　　（674a）。
　　殻中央ドーム状隆起部には管状の突起が少なくとも1本は存在する（674c）。
　　殻面には複数の擬隔壁が存在し、殻を横断したり、U字に曲がったり、他の
　　擬隔壁に繋がったりする（674b）。
　・採取地；茨城県北部平磯（太平洋）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×500（674a）、×1000（674b・c下の写真）　
　・スケールバーは白抜き線は50μm、黒実線は10μm