デンティクロプシス属04-01 (Denticulopsis sp.)

　特徴；殻は細い楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　殻全体の形は細長い蚕の繭のように丸みを帯びる（574b）。
　　胞紋は大きく、不規則に殻全体に存在する（574b）。
　　擬隔壁はbasal ridgeを伴い、ほぼ等間隔に配列し、若干波打って伸びる。
　　basal ridgeを伴わない擬隔壁（第2擬隔壁）は認められない。
　　縦溝は殻中央を走り、ほぼ等間隔に円形のふくらみが認められる（574b
　　矢印）。これはおそらくportulaと考えられる。
　　隣り合う2本の擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ周縁肋が認めら
　　れる（574c）。
　　以上の特徴は、Yanagisawa and Akiba(1990)に記載されている
　　Denticulopsis hyalina もしくはD. maiocenica の増大胞子で、形態分類
　　学では「Katahiraia属」とされているものと考えられる。
　殻長；28.1μm
　殻幅；8.5μm
　擬隔壁密度；3-3.5/10μm
　・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) デンティクロプシス属(Denticulopsis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻は細長い蚕の繭、もしくはラグビーボール形で、殻末端は丸みを帯びる。
　・胞紋は大きく、不規則に存在する。
　・basal ridgeを伴わない擬隔壁（第2擬隔壁）は認められない。
　・縦溝は殻中央もしくは殻縁から離れた位置に存在する。
　・隣り合う2本の擬隔壁間の両殻縁には周縁肋が1本ずつ認められる。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層から採取した個体です。

参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F.,1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　デンティクロプシス属04-02 (Denticulopsis sp.)

　特徴；殻は細い楕円形で、殻先端は丸みを帯びる。
　　殻全体の形はラグビーボールのように丸みを帯びる（575b・c）。
　　胞紋は大きく、不規則に殻全体に存在する（575c）。
　　擬隔壁はbasal ridgeを伴い、ほぼ等間隔に配列し、若干波打って伸びる。
　　basal ridgeを伴わない擬隔壁（第2擬隔壁）は認められない。
　　縦溝は殻のほぼ中央を走り、ほぼ等間隔に円形のふくらみが認められる
　　（575c）。これはおそらくportulaと考えられる。
　　隣り合う2本の擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ周縁肋が認めら
　　れる（575b）。
　　以上の特徴は、Yanagisawa and Akiba(1990)に記載されている
　　Denticulopsis miocenica の増大胞子で、形態分類学では「Katahiraia属」
　　とされているものと考えられる。
　殻長；31.3μm
　殻幅；9.9μm
　胞紋密度；13-18/10μm
　擬隔壁密度；3.5/10μm
　・採取地；茨城県北部6(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30　

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