デンティクロプシス属09-04 (Denticulopsis sp.)

　特徴；殻は比較的大型である。
　　殻面は細長い楕円形で、殻端は広円形である。
　　殻の外形はギザギザである。
　　胞紋は、擬隔壁の両脇にそれぞれ1列ずつ配列する（104a）。
　　擬隔壁はほぼ等間隔に配列し、隣り合う2本のbasal ridgeを伴う擬隔壁
　　（第一擬隔壁）間には1本のbasal ridgeを伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）
　　が存在する（104b）。
　　2本の隣り合う擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ短い周縁肋が
　　存在する（104a・b）。
　　以上の特徴は、下記の参考文献Yanagisawa and Akiba（1990)の
　　Denticulopsis vulgarisの記載と擬隔壁の両脇に胞紋が1列ずつ配列する
　　など一致する点ある一方で、殻幅がD. vulgarisの物よりも広く、擬隔壁の
　　密度が粗い。また、同文献のD. crassaと殻形や殻幅が一致する一方で、
　　この標本は殻長が長く、擬隔壁の密度も粗い。
　殻長；37μm
　殻幅；8.7μm
　胞紋密度；16/10μm
　擬隔壁密度；4-4.5/10μm
　第一擬隔壁密度；2-2.5/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　デンティクロプシス属09-03 (Denticulopsis sp.)

　特徴；殻は比較的大型である。
　　殻面は幅の広い線形で両殻縁は平行、殻端は広円形である。
　　殻の外形はギザギザである。
　　胞紋は、擬隔壁の両脇にそれぞれ1列ずつ配列する（103b）。
　　擬隔壁はほぼ等間隔に配列し、隣り合う2本のbasal ridgeを伴う擬隔壁（第一
　　擬隔壁）間には1-2本のbasal ridgeを伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）が存在
　　する（103a）。
　　2本の隣り合う擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ短い周縁肋が存在
　　する（103a）。
　　以上の特徴は、下記の参考文献Yanagisawa and Akiba（1990)の
　　Denticulopsis vulgarisの記載と一致する一方で、同文献のD.crassa
　　　とも一致する。
　殻長；24.2μm
　殻幅；6.4μm
　胞紋密度；16-18/10μm
　擬隔壁密度；5-6/10μm
　第一擬隔壁密度；2-3/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F.,1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

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ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30　

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) デンティクロプシス属(Denticulopsis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・比較的大型な個体が多い。
　・殻面は幅が広い線形で両殻縁は平行、殻先端は広円形で、殻の外形はギザギザである。
　・胞紋は殻全体を通して存在するものと擬隔壁の両脇に1列ずつ配列するものとがある。
　・擬隔壁はほぼ等間隔に配列し、basal ridgeを伴わない擬隔壁（第2擬隔壁）も認められる。
　・隣り合う2本の擬隔壁間の両殻縁には周縁肋が1本ずつ認められる。
　このページに掲載されている標本は茨城県中部の堆積層から採取した個体です。

　デンティクロプシス属09-01 (Denticulopsis sp.)

　特徴；殻は比較的大型である。
　　殻面は幅の広い線形で両殻縁は平行、殻端は広円形である。
　　殻の外形はギザギザである。
　　胞紋は殻全体を通して存在し、胞紋列を作る（109c）。
　　擬隔壁は等間隔に配列し、隣り合う2本のbasal ridgeを伴う擬隔壁（第一擬隔壁）間には1-3本のbasal
　　ridgeを伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）が存在する（109a・b）。
　　2本の隣り合う擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ短く明瞭な周縁肋が存在する（109a・b）。
　　以上の特徴は、下記の参考文献Yanagisawa and Akiba（1990)のDenticulopsis simonsenii
　　の記載と殻全体に胞紋がある点、第二擬隔壁が存在する点、殻径が線形である点などが一致する
　　一方で、この標本は殻幅が広く、殻の外形がギザギザである点、胞紋密度がD. simonsenii
　　よりも粗い点が異なる。
　　また、殻幅が広い点、胞紋列密度、擬隔壁密度は同文献のD. crassa と一致するが、この標本の
　　殻形は楕円形ではなく幅の広い線形である点、foramenが大きい点が異なる（109a）。
　殻長；27.1μm
　殻幅；9μm
　胞紋列密度；13/10μm
　胞紋密度；18/10μm
　擬隔壁密度；5-5.5/10μm
　第一擬隔壁密度；2/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　デンティクロプシス属09-02 (Denticulopsis sp.)

　特徴；殻は比較的大型である。
　　殻面は細長い楕円形で、殻端は広円形、殻の外形はギザギザである。。
　　胞紋は殻全体を通して存在し、胞紋列を作る（115b）。
　　擬隔壁は等間隔に配列し、隣り合う2本のbasal ridgeを伴う擬隔壁（第一
　　擬隔壁）間には1-2本のbasal ridgeを伴わない擬隔壁（第二擬隔壁）が存
　　在する（115a）。
　　2本の隣り合う擬隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ短く明瞭な周
　　縁肋が存在する（115a）。
　　以上の特徴は、Yanagisawa and Akiba（1990)のDenticulopsis simonsenii
　　の記載と殻全体に胞紋がある点、第二擬隔壁が存在する点、などが一致
　　するが、一方でこの標本は殻幅が広く、殻の外形がギザギザである点、
　　胞紋密度がD. simonseniiよりも粗い点が異なる。また、殻幅が広い点、
　　胞紋列密度、は同文献のD. crassa と一致するが、
　　この標本はより大型で、擬隔壁の密度がD. crassaよりも粗い点、foramen
　　が大きい点が異なる。
　殻長；41μm
　殻幅；10μm
　胞紋列密度；13/10μm
　胞紋密度；18/10μm
　擬隔壁密度；4/10μm
　第一擬隔壁密度；1.5-2/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。