ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2020.05.12　

　 バシラリア亜門(Bacillariophytiae) バシラリア綱(Bacillariophyceae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科
　(Bacillariaceae) デンティクロプシス属(Denticulopsis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は楕円形もしくは細長い楕円形で、殻先端は広円形である。
　・胞紋は殻面全体もしくは擬隔壁の両脇に1列ずつ存在する。
　・擬隔壁はほぼ等間隔に配列し、basal ridgeを伴わない擬隔壁（第2擬隔壁）も認められる。
　・隣り合う2本の擬隔壁間の両殻縁には周縁肋が1本ずつ認められる。
　・copulaは両端とも閉じる場合と片側のみ閉じるものがある。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部・中部の堆積層から採取した個体です。

　デンティクロプシス属06-04 (Denticulopsis crassa Yanagisawa＆Akiba)

　特徴；殻はやや長い楕円形で、殻端は広円形である。
　　胞紋は胞紋列を作り、擬隔壁の両脇に1列ずつ配列する（1003a）。
　　擬隔壁はbasal ridge を伴うもの（第一擬隔壁）と、伴わないもの（第二擬隔壁）が存在し、等間隔に配列
　　する（1003c）。
　　2本の隣り合う第一擬隔壁間には第二擬隔壁が1本存在する。
　　2本の隣り合う偽隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ周縁肋が存在する。
　　copulaには長軸方向に並ぶ大きな穴が4つ存在し、隣り合う2つの穴の距離は比較的広い（1003c）。
　　以上のの特徴から、Denticulopsis crassa と同定される（Yanagisawa＆Akiba、1990)。
　殻長；16.9μm
　殻幅；7.1μm
　胞紋密度；17-18.5/10μm
　擬隔壁密度；5/10μm
　第一擬隔壁密度；2.5-3/10μm
　・採取地；茨城県北部4(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　デンティクロプシス属06-05　(Denticulopsis crassa Yanagisawa＆Akiba)

　特徴；殻形はやや長い楕円形で、殻末端は丸まる。
　　胞紋は擬隔壁の両脇に１列ずつ存在する（1431c）。
　　擬隔壁はbasal ridge を伴うもの（第一擬隔壁）と、伴わないもの（第二擬隔壁）が存在し、等間隔に配列
　　する（119d）。
　　2本の隣り合う第一擬隔壁間には第二擬隔壁が1本存在する。
　　2本の隣り合う偽隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1-2本ずつ周縁肋が存在する。
　　copulaには4つの穴が存在し、隣り合う2つの穴の距離はかなり広い（1431a）。
　　copulaの片側の端部は閉じ、他方は開く(1431a)。
　　以上のの特徴から、Denticulopsis crassa と同定される（Yanagisawa＆Akiba、1990)。
　殻長；18.5μm
　殻幅；6.9μm
　胞紋密度；15-19/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

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参考文献；
　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　・Yanagisawa, Y. and Akiba, F.,1990. Taxonomy and phylogeny of the three marine diatom genera,
　　Crucidenticula, Denticulopsis and Neodenticula. 地質調査所月報, 41, 197-301.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

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　デンティクロプシス属06-01
　 (Denticulopsis crassa Yanagisawa＆Akiba)

　特徴；殻は楕円形で、殻端は広円形である。
　　この標本はcopulaのみで、殻は厚い。
　　copulaの両殻端は閉じる。
　　copulaの隣り合う2つの穴の間の距離は広い（矢印）。
　　copulaの特徴からこの標本は、Yanagisawa＆Akiba(1990) のDenticulopsis
　　crassa と同定される。
　殻長；15.8μm
　殻幅；7.3μm
　殻長/殻幅；おおよそ1/2
　・採取地；茨城県北部2(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　デンティクロプシス属06-03　(Denticulopsis crassa Yanagisawa＆Akiba)

　特徴；殻はやや長い楕円形で、殻端は広円形である。
　　胞紋は殻全体に存在し、胞紋列を作る（119d）。
　　擬隔壁はbasal ridge を伴うもの（第一擬隔壁）と、伴わないもの（第二擬隔壁）が存在し、等間隔に配列
　　する（119d）。
　　2本の隣り合う第一擬隔壁間には第二擬隔壁が1本存在する。
　　2本の隣り合う偽隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ周縁肋が存在する（119d）。
　　copulaには長軸方向に並ぶ4つの大きな穴が存在し(119a矢印)、穴の大きさはおおよそ同じくらいで、隣り
　　合う2つの穴の間の距離は比較的広い（119a）。
　　以上のの特徴から、Denticulopsis crassa と同定される（Yanagisawa＆Akiba、1990)。
　殻長；14μm
　殻幅；5.3μm
　胞紋列密度；19-20/10μm
　胞紋密度；20/10μm
　擬隔壁密度；6.5-7/10μm
　第一擬隔壁密度；3/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　デンティクロプシス属06-02 (Denticulopsis crassa Yanagisawa＆Akiba)

　特徴；殻はやや長い楕円形で、殻端は広円形である。
　　胞紋は殻全体に存在し、胞紋列を作る（120a）。
　　擬隔壁はbasal ridge を伴うもの（第一擬隔壁）と、伴わないもの（第二擬隔壁）が存在し、等間隔に配列
　　する（120c）。
　　2本の隣り合う第一擬隔壁間には第二擬隔壁が1-2本存在する。
　　2本の隣り合う偽隔壁間の両殻縁にはそれぞれ1本ずつ周縁肋が存在する（120a）。
　　copulaには4つの穴が長軸方向に並び、隣り合う2つの穴の間の距離は比較的広い（120c）。
　　以上のの特徴から、この標本は、Denticulopsis crassa と同定される（Yanagisawa＆Akiba、1990)。
　殻長；21μm
　殻幅；9.5μm
　胞紋列密度；15/10μm
　胞紋密度；16-18/10μm
　擬隔壁密度；5/10μm
　第一擬隔壁密度；2/10μm
　・採取地；茨城県中部1(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。