タラシオシラ属07
　Thalassiosira sp.(urahoroensis?)

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目
　(Thalassiosirales) タラシオシラ科(Thalassiosiraceae) タラシオシラ属(Thalassiosira)のうち、
　以下の特徴を持つものを紹介します。
　・殻面は円形で隆起し、中心は若干沈降する。
　・胞紋は放散状に配列する。
　・殻中心には複数の小孔が密集する。
　・殻周縁付近には中心方向から殻周縁に向かって伸びる比較的長く先の尖った突起が環状に配列する。
　・この長い突起の環状列内に1つのチューブ状突起が認められる。
　これらの特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)plate5-2・3・4のThalassiosira urahoroensisと類似しています。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層露頭の岩石から採取した個体です。

　タラシオシラ属 07-01 (Thalassiosira sp.)

　特徴；殻面は円形で、隆起し、中心で若干へこむ。
　　胞紋は歪な楕円形で、放散状に配列する（1056b）。
　　殻中心には他の胞紋と焦点深度が異なり、サイズの小さい孔が複数密
　　集する（1056c）。
　　殻周縁には比較的長く先の尖った太い突起が環状に配列する。
　　この突起は中心方向から殻周縁方向に伸びる（1056a・c）。
　　この環状の周縁部突起の環状列内側に先の尖らないチューブ状の突
　　起が1つ存在する（1056a・b矢印）。これは唇状突起の外側開口部と
　　考えられる。
　殻径；15.5μm
　胞紋列密度；15-17/10μm
　胞紋密度；13-15.55/10μm
　周縁部突起密度；5.5-6/10μm
　周縁部突起間距離；1.45-1.95μm
　・採取地；茨城県北部3
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

---

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30　

---

参考文献；
　　・Akiba, F., 1985. Middle Miocene to Quaternary diatom biostrtigraphy in the Nankai trough and Japan
　　　trench, and modified lower Miocene through Quaternary diatom zones for Middle-to-High latitudes of
　　　the North Pacific. Inicial Reports of the Deep Sea Drilling Project. 87, 393-481.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au