---

　タラシオシラ属 15-03 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は楕円形またはやや楕円形で、殻表面は長軸方向に軸を持つ波
　　うちがあり、隆起部と沈降部に分かれる。
　　沈降部側の周縁に沿って幅の狭い無紋域が存在する（左写真の右下側
　　周縁部）。
　　胞紋は胞紋列を作り、放散状に配列する。
　　沈降部側殻周縁部にはチューブ状突起が環状に分布する。
　　このチューブ状突起の環状列中間付近の2つの隣り合う突起間のやや
　　内側に1つのチューブ状突起が認められる（矢印r）。これは唇状突起の
　　外側開口部と考えられる。
　　隆起部周縁部には環状に孔が開く。
　殻径；長軸：25.6μm，短軸：20.7μm
　胞紋列密度；8-8.5/10μm
　胞紋密度；8-8.5/10μm
　沈降部側周縁部突起密度；3-4/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 15-05 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は楕円形で、殻表面は長軸方向に軸を持つ波うちがあり、隆起部
　　と沈降部に分かれる。
　　沈降部側の周縁に沿って幅の狭い無紋域が存在する（1535a）。
　　条線は胞紋列からなり、放散状に配列する。
　殻径；長軸：42.1μm，短軸：29.5μm
　胞紋列密度；8-11/10μm
　胞紋密度；8-10/10μm
　沈降部側周縁部突起密度；4.5/10μm
　隆起部側周縁部環状孔密度；2.5-3.5/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

---

参考文献；
　　・Akiba, F. and Yanagisawa, Y., 1986. Taxonomy, morphorogy and phylogeny of the Neogene diatom
　　　zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North Pacific. Inicial Reported of the
　　　Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.　
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　タラシオシラ属 15-01 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は楕円形で、殻表面は長軸方向に軸を持つ波うちがあり、隆起部
　　と沈降部に分かれる。
　　沈降部側の周縁に沿って幅の狭い無紋域が存在する（1053d）。
　　胞紋はやや不明瞭な胞紋列を作り、放散状に配列する。
　　沈降部側殻周縁部にはチューブ状突起が環状に分布する（1053d
　　矢印）。
　　このチューブ状突起の環状列中間付近の2つの隣り合う突起間のやや
　　内側に1つのチューブ状突起が認められる（1053d矢印r）。これは
　　唇状突起の外側開口部と考えられる。
　　隆起部周縁部には環状に孔が開く（1053a矢印）
　殻径；長軸：24.5μm，短軸：19μm
　胞紋列密度；8.5-10/10μm
　胞紋密度；7-9/10μm
　周縁部突起密度；3.5-5/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 15-02 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は楕円形で、殻表面は長軸方向に軸を持つ波うちがあり、隆起部
　　と沈降部に分かれる。
　　沈降部側の周縁に沿って幅の狭い無紋域が存在する（1098a）。
　　胞紋は胞紋列を作り、放散状に配列するが、殻中心付近では不明瞭で
　　ある。
　　沈降部側殻周縁部にはチューブ状突起が環状に分布する。
　　このチューブ状突起の環状列中間付近の2つの隣り合う突起間のやや
　　内側に1つのチューブ状突起が認められる（1098a矢印r）。これは唇状
　　突起の外側開口部と考えられる。
　　隆起部周縁部には環状に孔が開く（1098ｃ）
　殻径；長軸：40.2μm，短軸：29.4μm
　胞紋列密度；9-10.5/10μm
　胞紋密度；6.5-10/10μm
　沈降部側周縁部突起密度；4.5/10μm
　隆起部側周縁部環状孔密度；3/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2019.09.30　

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目
　(Thalassiosirales) タラシオシラ科(Thalassiosiraceae) タラシオシラ属(Thalassiosira)のうち、
　以下の特徴を持つものを紹介します。
　・殻形は楕円形で、表面は長軸方向に軸を持つ波うちが認められ、隆起部と沈降部が存在する。
　・胞紋は多角形で胞紋列を作り、放散状もしくは束状かつ放散状に配列する。
　・隆起部側の殻周縁部には環状に孔が認められ、沈降部側の周縁部にはチューブ状の突起が
　　認められる。
　・沈降部側の周縁部突起列の内側には幅の狭い無紋域が存在する。
　・沈降部側の周縁部中程の2つの隣り合うチューブ状突起間やや内側にチューブ状の突起が認
　　められる。
　この分類群は、殻径が楕円形であり、長軸方向に軸を持つ波うちが存在する点で、下記の参考文献の
　Akiba and Yanagisawa(1986）に記載されているThalassiosira temperiiもしくはT. bruniiと特徴が
　一致しますが、胞紋密度が前者(5-7/10μm)よりも細かく、後者（9-11/10μm)よりも粗いため、両者
　の中間形態の可能性が考えられます。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層から採取した個体です。

　タラシオシラ属 15-04 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は楕円形で、殻表面は長軸方向に軸を持つ波うちがあり、隆起部
　　と沈降部に分かれる。
　　沈降部側の周縁に沿って幅の狭い無紋域が存在するが、この標本では
　　不明瞭である。
　　胞紋は胞紋列を作り、放散状かつ5-7列の束状に配列する。
　　沈降部側殻周縁部にはチューブ状突起が環状に分布する（1011b）。
　　このチューブ状突起の環状列中間付近の2つの隣り合う突起間のやや
　　内側に1つのチューブ状突起が認められる（1011b・c矢印r）。これは唇状
　　突起の外側開口部と考えられる。
　　隆起部周縁部には環状に孔が開く。
　殻径；長軸：41.9μm，短軸：34.2μm
　胞紋列密度；8-10.5/10μm
　胞紋密度；9-10/10μm
　沈降部側周縁部突起密度；3-4/10μm
　・採取地；茨城県北部4(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm