バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目
　(Thalassiosirales) タラシオシラ科(Thalassiosiraceae) タラシオシラ属(Thalassiosira)の
　Thalassiosira grunowiiを紹介します。
　　この分類群は以下の特徴を持っています。
　・殻形は円形またはやや円形で、表面は短軸方向に軸を持つ波うちが認められ、隆起部と沈降部
　　が存在する。
　・胞紋は殻外側観は多角形で、孔は円形である。
　・胞紋は殻周縁に行くに従い密度が細かくなる。
　・胞紋列は放散状に配列する。
　・殻面の胞紋間には小孔が認められる。
　・殻周縁にはチューブ状の突起が認められ、隆起側と沈降側では密度が異なる。
　・殻面沈降部の周縁部中程の2つの環状突起の中間やや内側に他の突起とは伸び方向の異なる
　　1つの突起が存在する。
　この分類群は、下記の参考文献のAkiba and Yanagisawa(1986）に記載されているThalassiosira
　grunowii と特徴が一致します。
　このページに掲載されている標本は茨城県北部の堆積層から採取した個体です。

　タラシオシラ属 14-01
　（Thalassiosira grunowii Akiba ＆Yanagisawa）

　特徴；殻面はやや円形で、殻表面は短軸方向を軸を持つ波うちがあり、短軸
　　を境界に左右で隆起部と沈降部に分かれる。
　　胞紋は多角形で胞紋列を作り、やや不明瞭な放散状に配列する。
　　胞紋間には小孔が認められる。
　　殻周縁部にはやや長いチューブ状突起が環状に分布する。
　　沈降側の周縁部中ほどの2つのチューブ状突起間の内側に1つの突起が認
　　められる（矢印）。この突起は他の周縁部突起とは伸びる方向が異なる。
　殻径；長軸：24.3μm，短軸：23.4μm
　胞紋列密度；7.5-9/10μm
　胞紋密度；7.5-9/10μm
　周縁部突起密度；2.5/10μm
　周縁部突起間の胞紋個数；3-5
　・採取地；茨城県北部2(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

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参考文献；
　　・Akiba, F. and Yanagisawa, Y., 1986. Taxonomy, morphorogy and phylogeny of the Neogene diatom
　　　zonal marker species in the middle-to-high latitudes of the North Pacific. Inicial Reported of the
　　　Deep Sea Drilling Project, 87: 438-554.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社.
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　タラシオシラ属 14-03
　（Thalassiosira grunowii Akiba ＆Yanagisawa）

　特徴；殻面はやや円形で、殻表面は短軸方向を軸を持つ波うちがあり、短軸を
　　境界に左右で隆起部と沈降部に分かれる。
　　胞紋は多角形で胞紋列を作り、放散状に配列する。
　　殻周縁部にはチューブ状突起が環状に分布する。
　　この標本は上記2つの標本と比べ周縁部突起が短く、胞紋間に小孔が認め
　　られない。
　殻径；長軸：18.9μm，短軸：17.6μm
　胞紋列密度；9.5-11.5/10μm
　胞紋密度；8-9.5/10μm
　周縁部突起密度；2.5-3.5/10μm
　・採取地；茨城県北部3(中期中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

ページ作成および更新情報
　作成日：2016.06.30
　最終更新：2016.06.30　

　タラシオシラ属 14-02
　（Thalassiosira grunowii Akiba ＆Yanagisawa）

　特徴；殻面はやや円形で、殻表面は短軸方向を軸を持つ波うちがあり、短軸
　　を境界に左右で隆起部と沈降部に分かれる。
　　胞紋は多角形で胞紋列を作り、やや不明瞭な放散状に配列する。
　　殻面全体において胞紋間には小孔が認められる事がある。
　　殻周縁部にはやや長いチューブ状突起が環状に分布する。
　　沈降側の周縁部中ほどの2つのチューブ状突起間の内側に1つの突起が
　　認められる（993a・b矢印）。この突起は他の周縁部突起とは伸びる方向が
　　異なる。
　殻径；長軸：21.7μm，短軸：21.3μm
　胞紋列密度；7.5-10/10μm
　胞紋密度；6.5-8/10μm
　周縁部突起密度；2-2.5/10μm
　周縁部突起間の胞紋個数；3-4
　・採取地；茨城県北部2(中新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

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　タラシオシラ属 14-04
　（Thalassiosira grunowii Akiba ＆Yanagisawa）

　特徴；殻面は円形で、殻表面は明瞭な波うちが認められ、隆起部と沈降部に
　　分かれる。
　　胞紋は多角形で胞紋列を作り、規則性のある配列は認められない。
　　殻面全体において胞紋間には小孔が認められる事がある。
　　殻周縁部にはチューブ状突起が環状に分布する。
　　沈降側の周縁部中ほどの2つのチューブ状突起間の内側に1つの突起が
　　認められる（1013b矢印）。この突起は他の周縁部突起とは伸びる方向が
　　異なる。
　殻径；20.8μm
　胞紋密度；8.5-9/10μm
　周縁部突起密度；2.5-3/10μm
　・採取地；茨城県北部4(中新世の海成層
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

タラシオシラ属14
　Thalassiosira grunowii