タラシオシラ属09

　タイプ2
　　・殻面は周縁部に対して隆起し、殻中心付近はやや凹む。
　　・胞紋は歪な四角形もしくは多角形で、個々に独立して存在する。
　　・殻面殻面隆起部の周縁から棘状の突起が環状に均質に並ぶ。
　　これらの特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)に記載されているThalassiosira jouseae Akibaの特徴と
　　類似しています。

　タイプ1(Thalassiosira nidulus?)
　　・胞紋は歪な四角形もしくは多角形で、互いに隣接する。
　　・殻面周縁には先の尖った棘状の突起が、環状に不均質に配列する。
　　これらの特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）のplate1-17のThalassiosira
　　nidulusと様相が類似しています。

　タラシオシラ属 09-10 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は周縁部に対して台状に隆起する。
　　胞紋は丸みを帯びた多角形で大きさにはばらつきがある(2171a)。
　　殻周縁には明瞭で太い突起が環状に配列する(2171a・b)。
　　殻周縁の突起の末端は開いているように見える(2171b)。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；23.6μm
　胞紋密度；6-8/10μm
　殻周縁突起間距離；2.6-4.22μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　　バシラリア亜門(Bacillariophytiae) チュウカンケイソウ綱(Mediophyceae) タラシオシラ目
　(Thalassiosirales) タラシオシラ科(Thalassiosiraceae) タラシオシラ属(Thalassiosira)のうち、
　以下の特徴を持つものを紹介します。
　・円形で周縁部は平坦で、周縁部に対して殻面は隆起する。
　・胞紋は歪な四角形もしくは多角形で、隣り合う胞紋同士が隣接する場合（タイプ1）と個々に独立し
　　て存在する場合（タイプ2）がある。
　・殻面周縁には先の尖った棘状の突起が、環状に配列する。
　・この突起は殻面に対して斜め上に中心方向から殻周縁方向に向かって伸びる。
　このページに掲載されている標本は北海道中央部・千葉県北部・茨城県北部・新潟県中部の堆積層から
　採取した個体です。

　タラシオシラ属 09-07 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は円形で殻周縁に対して殻中心は隆起する。
　　殻周縁部には明瞭な棘状突起が環状に配列し、全体としてはミルク
　　クラウン状に見える。
　　胞紋は丸みを帯びた多角形で放散状に配列する。
　　殻周縁には突起の内1個は唇状突起である。
　　以上の特徴は、下記の参考文献Akiba(1985)に記載されている
　　Thalassiosira jouseae と特徴が類似する。
　殻径；19.8μm
　胞紋密度；8-11/10μm
　周縁部突起間距離；3.1-4.4μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-05 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は円形で周縁部に対して隆起し、中心は若干沈降する。
　　殻周縁部には平坦で幅の広い周縁域が存在する。
　　胞紋は個々に独立して存在し、歪な四角形または多角形である。
　　殻面隆起部周縁には環状の棘様突起が均質に配列し、殻中心方向から
　　周縁方向に向かって伸びる。
　　以上の特徴は、下記の参考文献Akiba(1985)に記載されている
　　Thalassiosira jouseae と特徴が類似する。
　　この分類群はタラシオシラ属09タイプ1と類似する点がありますが、
　　前者は胞紋が個々に独立する点と周縁の棘様突起が均質に配列する点
　　が後者とは異なる。
　殻径；22.1μm
　胞紋密度；9-9.5/10μm
　周縁部突起間距離；3.2-4μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-11 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は周縁部に対して台状に隆起する。
　　胞紋は多角形で大きさにばらつきがある(2169b)。
　　隆起部の周縁には明瞭で比較的長い突起が環状に配列する(2169a・b)。
　　殻中心には1個の管状突起が存在する。(2169a)。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；17.1μm
　胞紋密度；6.5-9/10μm
　殻周縁突起間距離；1.96-3.79μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-01 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は円形で、殻周縁部には平坦な幅の広い周縁域が存在し、殻面は
　　周縁部に対して隆起する。
　　胞紋は互いに隣接し、歪な四角形または多角形である（891b）。
　　殻周縁には環状に長い突起が不均質に配列し、殻中心方向から周縁方向に
　　伸び、その様相は冠状である。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouse
　　と様相が類似する。
　殻径；12.9μm
　胞紋密度；6.5-9/10μm
　周縁部突起間距離；2.61-3.27μm
　・採取地；千葉県北部2(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　　・Akiba, F., 1985. Middle Miocene to Quaternary diatom biostrtigraphy in the Nankai trough and Japan
　　　trench, and modified lower Miocene through Quaternary diatom zones for Middle-to-High latitudes of
　　　the North Pacific. Inicial Reports of the Deep Sea Drilling Project. 87, 393-481.
　　・南雲　保，鈴木秀和，佐藤晋也, 2018., 珪藻観察図鑑., 誠文堂新光社
　　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　タラシオシラ属 09-02 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は円形で、殻周縁部には平坦な幅の広い周縁域が存在し、殻面は
　　周縁部に対して隆起する。
　　胞紋は互いに隣接し、歪な四角形または多角形である。
　　殻周縁には環状に長い突起が不均質に配列し、殻中心方向から周縁方
　　向に伸び、その様相は冠状である。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；17.5μm
　胞紋密度；7.5-8.5/10μm
　周縁部突起間距離；2.3-3.7μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-08 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻帯面は横長の四角形で2枚の殻の接合部はやや突出する。
　　殻周縁には明瞭な棘状突起が環状に並び、王冠のように見える。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；24.6μm
　殻高；8.6μm
　殻周縁突起間距離；2.26-3.77μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-06 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は周縁部に対して隆起する。
　　胞紋は丸みを帯びたやや長い多角形で、互いに隣接する。
　　胞紋間の骨格には小孔が存在する場合がある。
　　殻周縁には環状に長い突起が不均質に配列し、殻中心方向から周縁方
　　向に伸びる。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；21.7μm
　胞紋密度；6-9/10μm
　・採取地；新潟県中部1(鮮新世の海成層)
　・封入；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

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タラシオシラ目
　(Thalassiosirales)
　タラシオシラ科
　　(Thalassiosiraceae)
　　タラシオシラ属　
　　　(Thalassiosira)
　　　01(T. antiqua)　
　　　02(T. burckliana?)　
　　　03(T. convexa?)　
　　　04(T. fraga)
　　　06　
　　　07　
　　　08(T. nordenskioeldii)
　　　09(T. nidulus)　
　　　11(T. mediaconvexa?)
　　　12　
　　　13　
　　　14(T. grunowii)　
　　　15　
　　　16　
　　　18
　　　珪藻統合02(T. eccentrica)
　　　20　
　　　21　
　　　23　
　　　24　
　　　25　
　　　26　
　　　27(T. marjamica)　
　　　28　
　　　29(T. singularis)　
　　　30 　

　タラシオシラ属 09-04 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は円形で、殻周縁部には平坦な非常に幅の広い周縁域が存在し、
　　殻面は周縁部に対して隆起する。
　　胞紋は互いに隣接し、歪な四角形または多角形である（891b）。
　　殻周縁には環状に長い突起が不均質に配列し、殻中心方向から周縁方向に
　　伸び、若干湾曲して伸びる。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；22.3μm
　胞紋密度；7-8.5/10μm
　周縁部突起間距離；3-3.5μm
　・採取地；茨城県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-03 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は円形で、殻周縁部には平坦な幅の広い周縁域が存在し、殻面は
　　周縁部に対して隆起する。
　　胞紋は互いに隣接し、歪な四角形または多角形である。
　　殻周縁には環状に長い突起が不均質に配列し、殻中心方向から周縁方向に
　　伸び、その様相は冠状である。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；24.8μm
　胞紋密度；7.5-8.5/10μm
　周縁部突起間距離；3.3-4μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm

　タラシオシラ属 09-09 （Thalassiosira sp.）

　特徴；殻面は周縁部に対して台状に隆起する。
　　胞紋は丸みを帯びた多角形で大きさにはばらつきがあり、互いに
　　隣接する。
　　殻周縁には環状に比較的長い棘状突起が概ね等間隔並ぶ。
　　以上の特徴は、下記の参考文献のAkiba(1985)のplate6-7、柳沢（1990）
　　のplate1-17のThalassiosira nidulus (Tempere ＆Brun)Jouseと様相が
　　類似する。
　殻径；31.6μm
　胞紋密度；5-5.5/10μm
　殻周縁突起間距離；3.37-4.86μm
　・採取地；北海道石狩地域(中新世の海成層)
　・封入；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μm