カロネイス属03

　バシラリア亜綱(Bacillariophycidae) ナビクラ目(Naviculales) ピヌラリア科(Pinnulariaceae)
　カロネイス属(Caloneis) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は楕円形または太い披針形で、殻端は丸みを帯びる。
　・条線はおおむね緩い放散状に配列である。
　・中心域は歪な円形である。
　これらの分類群は淡水域（湖沼（茨城県南部））、汽水域（茨城県中部）で認められました。

　カロネイス属 03-03
　(Caloneis sp.)

　殻長；75.8μm
　殻幅；21.7μm
　条線密度；16-16.5/10μm
　特徴；殻面は披針形で、殻端は広円形、殻縁は丸みを帯びる。
　　条線は殻を通して放散状に配列する。
　　軸域はやや狭く、殻中心で大きく円形に膨出し、殻端に行くに従い幅が狭まる（1590b）。
　　縦溝は殻中央をまっすぐに走り、外裂溝と内裂溝の位置がずれる。
　　縦溝の殻中心側端部は大きな孔を作って終わる。
　　縦溝の殻端側は殻面外側では同方向にフック状に曲がって殻蓋へと続き（1590b）、殻面内側で縦溝端部は
　　同方向に曲がって終わり、その周囲は無紋で畝の様に隆起する（1590a-1）。
　　中心域は円形である。
　・採取地；茨城県中部涸沼（汽水域）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　カロネイス属 03-01　(Caloneis sp.)

　殻長；32.8μm
　殻幅；11.6μm
　条線密度；17-18/10μm
　特徴；殻面は細長い楕円形で、殻端と殻縁は丸みを帯びる。
　　条線は殻を通して緩い放散状である。
　　軸域はやや狭く、殻端に行くに従い徐々に狭くなる。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作って終わり、殻端側では同方向にフック状に曲がる（1161a-1）。
　　中心域はやや広く、左右非対称の歪な円形である（1161c）。
　・採取地；茨城県南部霞ケ浦（海跡湖）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　カロネイス属 03-02　(Caloneis sp.)

　殻長；56.4μm
　殻幅；20.2μm
　条線密度；15.5-16.5/10μm
　特徴；殻面は細長い楕円形、殻端近くは楔形で殻末端は広円形、殻縁は
　　丸みを帯びる。
　　条線は殻を通して放散状に配列する。
　　軸域は狭く、殻中心で大きく膨出し、殻端に行くに従い幅が狭まる。
　　縦溝は殻中央をまっすぐに走り、外裂溝と内裂溝の位置がずれる。
　　縦溝の殻中心側端部は大きな孔を作って終わり、殻端側では同方向に
　　フック状に曲がる。
　　中心域は大きく、左右非対称の歪な円形である。
　・採取地；茨城県中部涸沼（汽水域）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm