キンベラ属07

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珪藻綱
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バシラリア亜綱
　リレラ目
　　リレラ科
　　・リレラ属(Lyrella)
　マストグロイア目
　　マストグロイア科
　　・マストグロイア属
　　・アネウマスツス属
　キンベラ目
　　ロイコスフェニア科
　　・ロイコスフェニア属
　　・カンピロピキシス属
　　・ゴンフォセプタツム属
　　ロイコスフェニア科不明分類群
　　キンベラ科
　　・プラコネイス属
　　・キンベラ属
　　　珪藻統合01(C.lanceolata)
　　　02(C.aspera)
　　　03(C.proxima?)
　　　04(C. cymbiformis?)
　　　05(C.hustedtii)
　　　06(Cymbella sp.)
　　　珪藻統合07(C.tumida)
　　　珪藻統合08(C.turgidula)
　　　11(C. neoleptoceros)
　　・キンボプレウラ属
　　　01(C. inaequalis)
　　　02(C. cuspidata)
　　　03(C. naviculiformis)
　　　珪藻統合04(Cymbopleura sp.)
　　・エンキオネマ属
　　　珪藻統合01(E.minitum)
　　　珪藻統合02(E.silesiacum)
　　　03(E. elginense?)
　　　04(E.caespitosum)
　　　05(E.prostatum)
　　ゴンフォネマ科
　　・ゴンフォネマ属
　　・ゴンフォネイス属
　　・レイメリア属
　キンベラ目不明分類群
　アクナンテス目
　　アクナンテス科
　　・アクナンテス属
　　・グリビクツィア属
　　アクナンシディウム科
　　・アクナンシディウム属
　　ココネイス科
　　・ココネイス属
　アクナンテス目不明分類群
　ナビクラ目
　　ベルケレヤ科
　　・パルリべルス属
　　カビヌラ科
　　・カビヌラ属
　　ディアデスミス科
　　・ルチコラ属
　　アンフィプレウラ科
　　・アンフィプレウラ属
　　・フルスツリア属
　　ネイディウム科
　　・ネイディウム属
　　セラフォラ科
　　・セラフォラ属
　　ピヌラリア科
　　・ピヌラリア属
　　・カロネイス属
　　・ディアトメラ属
　　ディプロネイス科
　　・ディプロネイス属
　　ナビクラ科
　　・ナビクラ属
　　・トラキネイス属
　　・セミナビス属
　　・ハスレア属
　　・ゲイスレリア属
　　・ヒポドンタ属
　　プレウロシグマ科
　　・プレウロシグマ属
　　・ジャイロシグマ属
　　プレウロシグマ科不明分類群
　　プラジオトロピス科
　　・プラジオトロピス属
　　スタウロネイス科
　　・スタウロネイス属
　　・クラティクラ属
　ナビクラ目不明分類群
　タラシオフィサ目
　　カテヌラ科
　　・アンフォラ属
　バシラリア目
　　バシラリア科
　　・バシラリア属
　　・ハンチア属(Hantzschia)
　　・プサモディクチオン属
　　・トリブリオネラ属
　　・ニッチア属
　　・シュードニッチア属
　　バシラリア科不明分類群
　ロパロディア目
　　ロパロディア科
　　・エピセミア属
　　・ロパロディア属(Rhopalodia)
　スリレラ目
　　スリレラ科
　　・エントモネイス属
　　・ペトロディクチオン属
　　・プラジオディスクス属
　　・スリレラ属
　　・カンピロディスクス属
　　・キマトプレウラ属
バシラリア亜綱不明分類群
　　　01
　　　02
　　　03
　　　04
　　　05

　タラシオシラ亜綱
　コシノディスクス亜綱
　ビドゥルフィア亜綱
　リソデスミウム亜綱
　キマトシラ亜綱
　リゾソレニア亜綱
　キートケロス亜綱
　フラジラリア亜綱
　ユーノティア亜綱
　珪藻綱不明分類群

　化石珪藻及び珪藻に
　　　　　関する専門用語

　キンベラ属 07-02　(Cymbella tumida (Brebisson) Van Heurck)

　殻長；54.9μm
　殻幅；16.8μm
　条線密度；腹側 9-12/10μm　背側 9.5-11.5/10μm
　胞紋密度；18.5-21/10μm
　特徴；殻端付近で背側殻縁は殻中央に急激による。
　　殻末端はほとんど平坦である。
　　条線は放散状に配列し、殻端付近では腹側は平行に配列し、背側は平行
　　配列と収れん状配列がみられる。
　　条線は胞紋列を伴う（1663b）。
　　軸域はやや狭く、殻中央やや腹側寄りを弧状に走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作って終わり、殻端側では背側に大きく曲がっ
　　て殻蓋へと続く。
　　中心域はいびつな円形で、両縦溝端部間のやや腹側寄りに1個の大きな
　　孔が存在し、相対する背側寄りには三日月形の溝のような構造が存在する。
　　中心域の殻内側には細い畝に囲まれた楕円形の孔が存在しする（1663c
　　-1）。この孔は殻外側の腹側の孔の殻内側開口部で、この構造は殻外側に
　　焦点を合わせると黒く太い筋の様に見える（1663b）。
　・採取地；茨城県南部霞ケ浦（海跡湖）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　バシラリア亜綱(Bacillariophycidae) キンベラ目(Cymbellales) キンベラ科(Cymbellaceae)
　キンベラ属(Cymbella) C. tumidaを掲載します。この種は主に以下の特徴を持ちます。
　・殻面は背腹性を持ち、背側殻縁が弧状に湾曲し、腹側はほぼ直線状で殻中心付近が膨出する。
　・殻端付近で背側殻縁は急激に殻中央へ寄る。
　・中心域の腹側寄りに1個の明瞭な孔（遊離点）が存在する。
　渡辺（2005）と田中（2002）のCymbella tumida と特徴が一致します。
　これらの分類群は、現生では淡水域（河川（群馬県南部・京都府南部・和歌山県北部）、湖沼（茨城県南部））、
　海域（太平洋（茨城県北部））で、化石では千葉県北部の海成層で認められました。

　キンベラ属 07-04　(Cymbella tumida (Brebisson) Van Heurck)

　殻長；80.6μm
　殻幅；18.8μm
　条線密度；腹側 9.5-13/10μm　背側 9.5-12/10μm
　胞紋密度；17-20.5/10μm
　特徴；腹側殻縁は背側と同方向に若干弧状に曲がり、殻中心付近がわずかに
　　膨出する。
　　殻端に近づくにつれ、背側殻縁は殻中央側に徐々に寄り、殻端では腹側と
　　ほぼ平行に走り、殻末端は丸みを帯びる。
　　条線は放散状に配列し、殻端付近では腹側は平行に配列し、背側は平行と
　　収れん状配列がみられる。
　　軸域はやや狭く、おおむね殻中央を走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作り腹側に頭をもたげて終わる。
　　縦溝の外裂溝と内裂溝の位置はずれる。
　　中心域は菱形で、両縦溝端部間のやや腹側寄りに1個の大きな孔が存在する。
　・採取地；京都府南部木津川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・田中正明, 2002. 日本淡水産動植物プランクトン図鑑, 名古屋大学出版会.
　・渡辺仁治, 2005. 淡水珪藻生態図鑑, 内田老鶴圃.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　キンベラ属F07-01 (Cymbella tumida (Brebisson) Van Heurck)

　特徴；殻形は背腹性を持ち、腹側はほぼ直線状背側は弧状に湾曲する。
　　三日月形で、殻先端は突出し、末端は丸みを帯びる。
　　胞紋は縦長で、胞紋列を作る。
　　胞紋列を伴う条線は中心付近では放散状に配列し、殻端に行くに従い平行、収れん
　　状へと移行し、密度は若干細かくなる。
　　中心域は左右非対称の楕円形で殻幅の1/3程度の幅を持ち、腹側に1つの独立した
　　横長の楕円形の孔を持つ（221b-1・ｃ）。この孔の縦溝側延長は殻が肥厚化する。
　　縦溝を伴う軸域は殻中央を走り、弧状に湾曲する。
　　縦溝は殻中心から少し外れた位置では殻外側の外裂溝と殻内側の内裂溝の位置が
　　ずれるため、光学顕微鏡下では縦溝の幅が広くなるように見える（221a・c）。
　　殻中心側の縦溝端部は互いに向かい合って腹側に曲がって終わる。
　　殻中心側の縦溝端部間は殻が肥厚する(221b-1・c)。
　　両殻端で縦溝は背側に曲がる（221a・c）。
　殻長；58.2μm
　殻幅；17.2μm
　条線密度；8.5-11.5/10μm
　胞紋密度；17-19/10μm
　・採取地；千葉県北部1(鮮新世の海成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000
　・スケールバーは10μmです。

　キンベラ属 07-01　(Cymbella tumida (Brebisson) Van Heurck)

　殻長；50.6μm
　殻幅；16.4μm
　条線密度；腹側 9.5-13/10μm　背側 10.5-11.5/10μm
　胞紋密度；21-22/10μm
　特徴；殻面は背腹性を持つ三日月形である。
　　腹側殻縁は殻中心付近がごくわずかに膨出する。
　　殻端付近で両殻縁ともに殻中央に寄り、特に背側殻縁は著しい。
　　殻末端は鈍く丸みを帯びる。
　　条線は放散状に配列し、殻端付近では腹側は平行に配列し、背側は殻端に行くに
　　従い、平行、収れん、平行と移行する。
　　条線は胞紋列を伴う。
　　軸域はやや狭く、殻中央やや腹側寄りを弧状に走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作って終わり、殻端側では背側に大きく曲がって殻蓋
　　へと続く。
　　中心域はいびつな円形で、両縦溝端部間のやや腹側寄りに1個の大きな孔が存在
　　し、相対する背側寄りには三日月形の溝のような構造が存在する。
　・採取地；和歌山県北部紀ノ川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　キンベラ属 07-03　(Cymbella tumida (Brebisson) Van Heurck)

　殻長；67.4μm
　殻幅；20.7μm
　条線密度；腹側 9.5-12.5/10μm　背側 9-12/10μm
　胞紋密度；19-21/10μm
　特徴；腹側殻縁はほぼ直線状で、殻中心付近がわずかに膨出する。
　　殻端は顕著に突出し、突出部の形は四角形である。
　　条線は放散状に配列し、殻端付近では腹側は平行に配列し、背側は平行と収れん
　　状配列がみられる。
　　条線は円形の胞紋からなる2列の胞紋列を伴う。
　　軸域はやや狭く、殻中央やや腹側寄りを弧状に走る。
　　縦溝は外裂溝と内裂溝の位置がずれる。
　　中心域はいびつな円形で、両縦溝端部間のやや腹側寄りに1個の大きな孔が存在
　　し、相対する背側寄りには三日月形の溝のような構造が存在する。
　・採取地；群馬県南部烏川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　キンベラ属 07-05　(Cymbella tumida (Brebisson) Van Heurck)

　殻長；61.5μm
　殻幅；18.4μm
　条線密度；9.5-11.5/10μm
　胞紋密度；20.5-22/10μm
　特徴；殻面は背腹性を持つ三日月形である。
　　腹側殻縁は直線状で、殻中心付近がごくわずかに膨出する（602b）。
　　殻端付近で両殻縁ともに殻中央に寄り、特に背側殻縁は著しく、殻端は
　　四角形に突出する。
　　殻末端は平坦である。
　　条線は放散状に配列し、殻端付近では腹側は平行に配列し、背側は
　　平行、収れん状配列がみられる（602c）。
　　軸域はやや狭く、殻中央やや腹側寄りを弧状に走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作り、腹側に頭をもたげて終わり、殻端側
　　では背側に大きく曲がって殻蓋へと続く（602c）。
　　中心域は若干横長な円形で、両縦溝端部間のやや腹側寄りに1個の大き
　　な孔が存在する（602c）。
　　中心域から内側には細い畝に囲まれた楕円形の孔が存在し（602b）、
　　これは殻外側の腹側の孔の殻内側開口部である。
　・採取地；茨城県北部平磯（海域）※淡水から流入の可能性大
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm