ニッチア属09

　ニッチア属 09-01　(Nitzschia tabellaria (Grunow) Grunow)

　殻長；17.5μm
　殻幅；6.1μm
　肋密度；6.5-7.5/10μm
　条線（胞紋列）密度；20-22/10μm
　胞紋密度；19.5-21.5/10μm
　特徴；殻面は細い披針形で殻中心付近の両殻縁が強く膨出する。
　　条線は胞紋列からなり、光学顕微鏡下ではほぼ殻中央まで伸びる
　　ように見える。
　　条線は放散状に配列する。
　　胞紋は円形または楕円形でその密度にはばらつきがある。
　　肋は片側殻縁から殻中央に向かって伸び、殻中軸部まで伸びる。
　　肋はおおむね殻を横断する方向に伸びるが、斜めに伸びる場合も
　　ある。
　　縦溝は殻端付近では殻縁に沿って走るが、殻膨出部では殻縁より
　　やや中央寄りを走る。
　　渡辺(2005)のNitzschia tabellariaと特徴が一致する。
　・採取地；茨城県中部涸沼（汽水域）
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ニッチア属 09-02　(Nitzschia tabellaria (Grunow) Grunow)

　殻長；18.6μm
　殻幅；6.8μm
　肋密度；7.5-8/10μm
　条線（胞紋列）密度；21-23.5/10μm
　胞紋密度；13-22/10μm
　特徴；殻面は細い披針形で殻中心付近の両殻縁が著しく膨出する。
　　条線は円形または楕円形の胞紋からなる胞紋列で形成され、光学顕微鏡下では
　　殻中央付近まで伸びるように見える。
　　条線は放散状に配列する。
　　胞紋密度にはばらつきがある。
　　肋は片側殻縁から殻中央に向かって伸び、殻中軸部を超えて伸びる。
　　肋はおおむね殻を横断する方向に伸びるが、斜めに伸びたり、湾曲したりする
　　場合もある。
　　渡辺(2005)のNitzschia tabellariaと特徴が一致する。
　・採取地；群馬県南部烏川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ニッチア属 09-03　(Nitzschia tabellaria (Grunow) Grunow)

　殻長；21.7μm
　殻幅；7.3μm
　肋密度；5.5-6.5/10μm
　条線（胞紋列）密度；20.5-21.5/10μm
　胞紋密度；17-23/10μm
　特徴；殻面は細い披針形で殻中心付近の両殻縁が著しく膨出する。
　　条線は円形または楕円形の胞紋からなる胞紋列で形成され、光学顕微鏡
　　下では殻中央に達しないように見える。
　　条線は殻中心付近では放散状に、殻端付近では平行に配列する（692b）。
　　胞紋密度にはばらつきがある。
　　肋は片側殻縁から殻中央に向かって伸び、殻中軸部を超えて伸びる。
　　肋はおおむね殻を横断する方向に伸びるが、斜めに伸びたり、湾曲したり
　　する場合もある（692a）。
　　縦溝は殻端付近では殻縁に沿って走るが、殻膨出部では殻縁よりやや中
　　央寄りを緩やかに弧状に曲がりながら走る（692a）。
　　渡辺(2005)のNitzschia tabellariaと特徴が一致する。
　・採取地；埼玉県西部荒川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　バシラリア亜綱(Bacillariophycidae) バシラリア目(Bacillariales) バシラリア科(Bacillariaceae)
　ニッチア属(Nitzschia) N. tabellariaを掲載します。この分類群は主に以下の特徴を持ちます。
　・殻面は中心付近で強く膨出し、殻端は頭状形である。
　・周縁肋は殻幅の半分を超えて伸びる。
　これらの分類群は淡水域（河川（群馬県南部・埼玉県西部））、汽水域（茨城県中部）で認めら
　れました。
　　最近ではニッチア属から独立してGrunowia属とする研究もあるようです。