プラコネイス属06

　バシラリア亜綱(Bacillariophycidae) キンベラ目(Cymbellales) キンベラ科(Cymbellaceae)
　プラコネイス属(Placoneis) P. palaelginensisを掲載します。この種は主に以下の特徴を持ちます。
　・殻面は細長い楕円形で、殻端は頭状形である。
　・条線は弱い放散状に配列し、殻端のみ平行で、条線密度は急激に細かくなる。
　・条線の軸域側端部は殻中心方向に若干曲がる。
　・中心域は広い。
　この分類群はRound et al.(1990)のPlaconeis属の特徴を持ち、渡辺（2005）のNavicula palaelginensisと
　特徴が一致します。
　N. palaelginensisはPlaconeis palaelginensisの基礎異名です。このHPでは後者を使用しています。
　これらの分類群は現生では淡水域（河川（埼玉県西部））で、化石では群馬県南部の泥炭層で認められました。

　プラコネイス属 F06-02
　(Placoneis palaelginensis Lange-Bertalot)

　殻長；22.9μm
　殻幅；6.1μm
　条線密度；12.5-13.5/10μm
　特徴；殻面は幅の広い線形、殻端は頭状形である。
　　両殻縁は平行である。
　　条線は弱い放散状、殻端では平行に配列する。
　　条線は軸域側端部は殻中心方向に曲がる。
　　軸域は狭く、殻中央をまっすぐに走る。
　　中心域は横長の長方形で殻は肥厚し、両殻縁から伸びるそれぞれ3本の短
　　い条線で囲まれる。
　　縦溝は殻中央をまっすぐに走り、中心側端部は孔を作って同方向に頭をもた
　　げて終わり、殻端側端部は同方向に曲がり、これは中心側端部の曲がる方
　　向とは反対側である。
　・採取地；群馬県南部1(泥炭層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　プラコネイス属 F06-01
　(Placoneis palaelginensis Lange-Bertalot)

　殻長；21.9μm
　殻幅；6.7μm
　条線密度；12-13/10μm
　特徴；殻面は幅の広い線形、殻端は頭状形である。
　　両殻縁は平行である。
　　条線は弱い放散状、殻端付近では平行に配列する。
　　条線は軸域側端部は殻中心方向に曲がる。
　　軸域は狭く、殻中央をまっすぐに走る。
　　中心域は横長の長方形で、殻縁から伸びる2-4本の短い条線に囲まれる。
　　中心域の縦溝端部間は肥厚化する。
　　縦溝は殻中央をまっすぐに走り、中心側端部は孔を作って終わり、殻端側
　　端部は同方向に曲がる。
　・採取地；群馬県南部1(泥炭層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

参考文献；
　・Krammer, K. and Lange-Bertalot, H., 1999. Susswasserflora von Mitteleuropa, Bacillariophyceae1.
　　Spektrum AKADEMISCHER VERLAG.
　・Round, F. E., Crawford, R. M., and Mann, D. G., 1990. The diatoms, CAMBRIDGE.
　・渡辺仁治, 2005. 淡水珪藻生態図鑑, 内田老鶴圃.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製作者：NaCl & Au

　プラコネイス属 06-01
　(Placoneis palaelginensis Lange-Bertalot)

　殻長；25.3μm
　殻幅；7.7μm
　条線密度；11.5-12.5（殻端 18）/10μm
　特徴；殻面は細長い楕円形で、殻端は頭状形である。
　　条線は緩い放散状に配列し、殻端のみ平行に配列する。
　　条線は殻中心付近では軸側端部が中心域方向に曲がる。
　　条線密度は殻端で急激に細かくなる。
　　軸域はやや狭く、殻中央をほぼ真っ直ぐに走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作って終わり、両端部間の殻は肥厚化する。
　　中心域は広い。
　　これは、渡辺（2005）のPlaconeis paraelginensisと特徴が一致する。
　・採取地；埼玉県西部荒川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　プラコネイス属 F06-03
　(Placoneis paｌaelginensis Lange-Bertalot)

　殻長；24.5μm
　殻幅；7.0μm
　条線密度；11.5-12.5/10μm
　特徴；殻面は幅の広い線形、殻端は頭状形である。
　　両殻縁は平行である。
　　条線は弱い放散状、殻端では平行に配列する。
　　条線は軸域側端部は殻中心方向に曲がる。
　　軸域は非常に狭い。
　　中心域は横長の長方形で、両殻縁から伸びるそれぞれ2本の短い条線で
　　囲まれる。
　　縦溝は殻中央をまっすぐに走り、中心側端部は孔を作って同方向に頭をもた
　　げて終わり、殻端側端部は同方向に曲がり、これは中心側端部の曲がる方
　　向とは反対側である。
　・採取地；群馬県南部1(泥炭層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm