ナビクラ属15

　ナビクラ属 15-01　(Navicula slesvicensis Grunow)

　殻長；26.0μm
　殻幅；9.9μm
　条線密度；9.5-10.5/10μm
　胞紋密密度；23.5-25/10μm
　特徴；殻端は太い楔型、または太い嘴形で、末端は丸みを帯びる。
　　条線は縦長の胞紋からなる胞紋列を伴う。
　　殻中心の2-3本の条戦の間隔は比較的広い。
　　胞紋密度は細かい。
　　軸域は狭く、畝状に隆起し、殻中央を真直ぐに走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作って終わり、殻端側は同方向にフック状に
　　曲がる、殻蓋へと続く。
　　中心域は狭く、左右非対称で歪である。
　　渡辺(2005)のNavicula slesvicensisと特徴が一致する。
　・採取地；北海道東部釧路川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ナビクラ属 15-02　(Navicula sp.)

　殻長；34.2μm
　殻幅；97μm
　条線密度；9.5-10.5/10μm
　胞紋密度；26.5-27.5/10μm
　特徴；殻面はやや細長い楕円形で、殻端は強く引っ張り出され、殻末端は
　　丸まるか平坦である。
　　両殻縁はほとんど平行である。
　　条線は縦長の胞紋からなる胞紋列を伴う。
　　条線密度は殻を通して変化は無い。
　　軸域は狭く、畝状に隆起し、殻中央を真直ぐに走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作って終わり、殻端側は同方向にフック状に
　　曲がり、殻蓋へと続く。
　　中心域は左右非対称で横長で歪である。
　　渡辺(2005)のNavicula viridulacalciaと特徴が類似するが、胞紋密度が
　　この標本の方が細かい。
　・採取地；和歌山県北部紀ノ川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ナビクラ属 15-03　(Navicula sp.)

　殻長；22.4μm
　殻幅；7.6μm
　条線密度；11-12/10μm
　特徴；殻端は太い楔型で、末端は平坦である。
　　軸域は狭く、畝状に隆起し、殻中央を真直ぐに走る。
　　縦溝は殻中心側端部は孔を作り、同方向に若干頭をもたげて終わり、殻端側は
　　同じ方向にフック状に曲がり、殻蓋へと続く。
　　中心域はやや狭い円形である。
　・採取地；京都府南部木津川
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　バシラリア亜綱(Bacillariophycidae) ナビクラ目(Naviculales) ナビクラ科(Naviculaceae)
　ナビクラ属(Navicula) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は楕円形で、殻端は太い楔形か太い嘴形で、末端は丸みを帯びる。
　・条線は放散状で、殻端付近で平行、収れん状に移行する。
　・中心域は狭く、左右非対称で歪である場合と、円形である場合がある。
　これらの分類群は淡水域（河川（北海道東部・京都府南部・和歌山県北部））で認められました。